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NFTの売上が12月に過去最高の820万ドルに到達など:海外アート最新動向vol.01

自分が欲しかったのですが、探してもなかったので作ることにしました、「海外アート最新動向マガジン」創刊号です。

タイトルの通り、海外アート関連のリリースを中心に作っていきたいと考えていますが、国内アートや、エンタメ系も面白いものが多いので、趣旨からずれすぎない程度に織り交ぜていけたらなと思います。

あとは、美術手帖や、ARTLOGUEといった大手アートメディアが取り上げないようなものを扱っていく予定です(私自身どちらも好きなメディアなので、気になる方はリンクからどうぞ)。

目標としては、アートという観点から「海外(日本)でいま何が起きているのか?」が掴めるようなマガジンにできるよう取り組んでいきますので、よろしくお願い致します。

認識合わせとして、ウィキペディアには下記のようにありますが、私は「アートとは、人の意識や感情に影響を与え得るもの」と考えています。

アート(英語:Art)とは、芸術・美術など間接的に社会に影響を与え得るものである。|引用元:Wikipedia

そのため、アートという括りでなくとも「おもしろい」「かわいい」など、感情が動くものがあれば積極的に紹介していきたいなと。

※私自身はアーティストでも、コレクターでもなく、バーネット・ニューマンや、ジャクソン・ポロック、ピエール・スーラージュが好きな、1人の絵画ファンとして書いていることを予めご了承ください。

堅苦しい文章になってしまいましたが、このマガジンがきっかけで、少しでもアートに関心のある方が増えたら良いなと思います。


< 2021/01/01 - 2021/01/17 >

NFTのアート売上が12月に過去最高の820万ドルに到達

クリプトカレンシーのアート分析プラットフォーム「CryptoArt.io」のデータによると、Covid-19の大流行により美術館やギャラリーの営業ができなくなったため、物理的なアートの売上は急落したが、NFTベースのアートの売上は急増し、12月には過去最高の売上に。

今回の分析対象は、Async Art、KnownOrigin、MakersPlace、SuperRare、Nifty Gatewayなど、多くのデジタルアートマーケットの結果を集計したもので、購入手段の多くはイーサリアム(Ethereum)が利用されているそう。


一部ではクレジットカードにも対応、とあるため、必ずしも購入時にイーサリアムや、それに該当する仮想通貨を持っている必要はなさそうですが、ブロックチェーン上で(権利を)保有することが一般的になるとすれば、仮想通貨だけでなく、コールドウォレットやホットウォレットなど管理方法についての知識も必要になるなと感じました。

深くは調べることができていないのですが、このNFTというのが、イーサリアムの仕組みを活用した「代替不可能トークン」と呼ばれるもので、米国の経済誌Forbesでは、「オンライン記事を読む際に広告を表示しない権利」を付加した会員権をNFTで販売しています。

以前から、アートとブロックチェーンの相性がいいと聞いてはいたのですが、NFTで過去最高の売上が出たことには驚きました。しかも、11月の売上260万ドル(約2億6,000万円)に対し、12月には820万ドル(約8億2,000万円)と3倍以上も伸びています。

元々伸びていた分野ではあったと思うのですが、Covid-19が後押しになった部分が大きかったのかなと。


アートとブロックチェーンの関係ですが、管理する際は、アート(作品)自体にIDを付け、それを保有者のアカウントと紐付けることで、持ち主の証明とすることが可能になります。

また、売買を行うと、紐付けるアカウント先が変わるのですが、その過程(AさんからBさんに◯日に譲渡など)も、ブロックチェーンで記録されるため、仮に作品が盗まれてしまったとしても、履歴をさかのぼって保有者は自分のだと証明することが可能。

これが、漫画オークション・ハウスに出てくるようなブラックマーケットであれば、実際の作品があれば権利の保有者が誰であっても関係ないんだろうなと思ってしまいましたw

(今なら Kindle Unlimited で、全34巻すべて読むことが出来るので加入している方は是非。私がアートに関心を持つようになったキッカケでもあります。)

ブロックチェーンに関心がない方でも、アートと関連するのであれば学びやすいかと思うので興味のある方はググってみてください。

私自身は、ビットフライヤーを数年前に開設したもの、イーサリアム含め何種類か購入して放置している状態なので偉そうなことは言えませんがw

NFTについては、こちらの記事も分かりやすかったです。



世界で最も人気のある美術館、ルーヴル美術館は、昨年の来館者数が72%減少

1年前、ルーヴル美術館は、レオナルド・ダ・ヴィンチ展を開催しており、2020年の来館者数を新たな高みに押し上げそうな勢いでした。しかし、春にCovid-19の大流行がヨーロッパを圧倒し始めたため、パリの美術館は、ヨーロッパ大陸の多くの機関と同様に閉館しました。結果、2019年の960万人と比較して72%の減少と、過去最悪の入場者数の一つを報告しています。

今回まとめるにあたり、ルーブル美術館(Wikipedia)の歴史も少し調べていたのですが、正式に開館したのが1793年とは知りませんでした。なんとなくですが、数十年程度だと思っていたので、思いの外歴史があることに驚きました。

当時は、王室所有のものや、キリスト教の教会財産から没収された絵画を中心として、537点の絵画が展示されていたそう。その後、建物の構造上の問題から1796年に一旦閉館されており、1801年に再度開館。

2012年に一度訪れたことがあるのですが、今と変わらない程度の知識しかなく、美術の教科書で見たことのある「ミロのビーナス」や、「サモトラケのニケ」、「モナ・リザ」しか覚えていないのが、今になって悔やまれてなりませんw

ぐるぐると2時間くらい歩き回っていたのですが、モナ・リザが一番人気があり、作品の前に大勢の人がいたことは覚えています。


そんなルーブル美術館が、Covid-19の影響を受け、過去最悪の入場者数の一つとして、2019年の960万人と比較して72%減の約270万人の訪問者だったことを明らかに。

1年のうち、ほぼ半分の期間が閉館という状況に加えて、飛行機の欠航によるフランス(パリ)への観光客数の落ち込みが影響し、9000万ユーロ(約114億円)以上の収入を失いました。

サイトを訪れた方は見たことがあると思いますが、ポップアップで「閉鎖中」と表示がされており、オンラインでチケット購入をしていた方には返金手続きを進めているとのこと。

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今日(15日)の時点でフランスでは、国内全土を対象に午後6時以降の夜間外出禁止令を出すとAFPBBニュースで報じられており、昨年7月に再開して、11月に再び休館という状況の中で、開館がいつになるかは分からない状況です。

ルーブルに限らず、美術館という場所は、どうしても日常生活に欠かせないものという認識を持ちづらいのですが、あの静かな空間の良さを知っているものとしては、Covid-19が収まるまで(または感染予防の環境下で開館が出来るまで)どうにか運営が続けられるといいなと願うばかりです。

(2021/01/17追記:フランスのジャン・カステックス首相は少なくとも1月末まで閉鎖されたままでなければならないとこの記事で述べていますが、おそらくそんな短期で済む話ではないと思うので期待はできないなと。)


個人的に、もっと話題になるかと思っていたのですが、日本では全然ニュースになっておらず、そんなに関心がないのかな?、と思っていたのですが、秋田魁新報電子版で取り上げられていました。

日本の美術館についても、あまり調べることができていないのですが、閉館する美術館やギャラリーが出てきてもおかしくない状況ですね...この辺もまた調べてみたいと思います。


最後に、ご存じの方も多いかと思いますが紹介を1つ。

世界中から107万人が殺到し、史上最多動員を記録したルーヴル美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチ展。この展覧会をルーヴル美術館の全面協力のもと撮影したドキュメンタリー映画『ルーブル美術館の夜―ダ・ヴィンチ没後500年展』が、2021年1月1日より全国公開される。

他の記事であった「ガイド付プライベートツアー」という表現は、ただのドキュメンタリー映画ではなく、「これは特別な体験なんだ」と印象付けるのに上手いメッセージだと感じました。

映像は、閉館後の深夜に撮影されたものだそうで、実際に行ったことのある方も、深夜のルーブル美術館というのは惹かれるものがあるのではないでしょうか(私はとても惹かれます...)。

この記事を読んでいただいた方は、きっと興味があるニュースだと思いましたw

劇場追加・作品リストも公開されているので、一度チェックしてみてください。



※今回取り上げなかったもので、興味深かったリリースはこちら。

< コーチェラバレーのアートショー「デザートX 2021」が延期 >

2017年2月に世界中で絶賛され、2019年2月に再び開催されたこの2年に一度のアート展は、示唆に富み、オフビートで、深く美しいアートインスタレーションで知られるようになりました。しかし、運営チームは1月8日、2021年2月のオープンを、Covid-19の影響から延期することを発表。


< メトロポリタン美術館とベライゾンがインタラクティブなバーチャルアート体験を開始 >

メトロポリタン美術館は、"The Met Unframed "を開始しました。通信大手のベライゾンとの提携によって、バーチャルミュージアムツアーを、作品鑑賞を、スマートフォンの画面越しに体験することができます。


< 米国のマネーロンダリング調査は、実際にアート市場にどのような影響を与えるのかを弁護士が解説 >

1月1日、米国上院はトランプ大統領の2021年の国防承認法(NDAA)に対する拒否権を覆したが、この法案には美術品市場に影響を与える規則が含まれており、新法は、古美術品ディーラーを銀行秘密保護法の規定の対象とし、有限責任会社の最終的な受益者の登録を要求し、財務省の金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)に美術品市場におけるマネーロンダリングの調査を実施するよう指示している。


以上です。

本当はもう1つまとめを書きたかったのですが、鮮度が落ちないうちに出すことにしましたw

リリースが思いの外多くて、選ぶのが難しいのですが、タイトルを見ているだけでも発見があるのでおもしろいです。

冒頭にも書きましたが、アートという観点から「海外(日本)でいま何が起きているのか?」が、掴めるようなマガジンにできるよう取り組んでいきますので、よろしくお願い致します。

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