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アジアに期待される日本人

アジアには日本人選手や指導者の需要があると言われている?

確かにFIFAランキング28位の日本(2020年5月時点)は、サッカー後進国として位置付けられるアジア諸国から見ると、魅力的に映るのかもしれない。

ただ世界には日本よりFIFAランキングが上の国が27か国もあるわけで、日本じゃなくてもいい理由はあるよねと、日本人ながら思う僕はいささかひねくれ者ではある。

じゃあなぜ日本人の需要があると周りから聞こえてくるのだろうか?

ある日、日本人としてグローバル・リーダー(僕の場合アジアを中心に)になるために必要なことは何かなと考えていた時に、ふとタイリーグでキャプテンマークを巻きピッチで戦う日本人選手の顔が思い浮かんだ。

河村崇大選手、片野寛理選手、猿田浩得選手、村上一樹選手、そして僕自身も恐縮ながらキャプテンマークを巻いた経験のある選手の1人だ。

ではなぜタイでは日本人が評価され、各クラブは彼らにキャプテンを任せたのだろう?

ここに興味深いデータがある。

森本作也さんの”SonyとマッキンゼーとDENAとシリコンバレーで学んだグローバル・リーダーの流儀“という本の中に書かれていたことがヒントとなった。

Power Distance Index 権力格差指数 これはある心理学者が考案した指標で、「上司に反論しやすい指数」を表し、その彼が考案したもう一つの指標が Individualism 個人主義 みんなで大きな一つの家族の一員をつくるような社会では、この指数は低くなり、自分と家族のことだけを考えるような社会では高くなるそうだ。

図を見ると、左上には欧米諸国、右下にはアジア、が並んでいるのがわかると思う。

日本はちょうど真ん中、そして意外や意外、アジアと同じくアフリカ諸国は右下に位置していて、割と上司には反論しにく社会らしい。

世界戦に臨む際に厄介なのが、この表の中で日本に割と近い、スペイン、ブラジル、アルゼンチンの存在。

実際、これらの国々からかなりの数の指導者がアジアに流れてきている現実もある。

アフルカ諸国が下に位置しているのはメチャメチャうなずける。(みんなでシェアの意識は強い。基本、血縁関係のないBrotherと生活しているイメージ。仲良くなると普通にお金くれって言われる。)

ちなみに僕が活動しているタイは韓国のやや右上、PDI指数では日本とだいたい同じくらい。

日本人の社会は、欧米と対峙したときにはかなり全体主義的、かつ上司に反論しにくい。

主張することが当たり前の人たちとの激しい議論や他人に気を使わない行動に違和感を覚える時がある。

サッカーにおいても同じく、欧米の選手たちは自己主張が強く、こちらがプレーの妥当性を主張しないと自分のミスになることも最初は本当に面食らった。

でも一方で、アジアアフリカ諸国は、日本よりももっと全体主義で、もっと上司に直接的にものを言いにくいことがこの図からわかるよね。

で日本人がアジアで仕事をする際、意識したいのが、中間の存在を取ること。

例えば、

アジア、アフリカ諸国の人たちからすれば、日本人の社会は、欧米諸国よりも親近感があり(アジアに関しては物理的な近さもある)、世間や目上の人や組織に対する義務という感覚もわかるから、彼らが抱える問題や難しさを欧米人よりは理解してあげられるはず。

一方で、欧米特有のストレートでオープンな議論の重要性も、アジア、アフリカ諸国よりは理解しているはず。

お互いの価値観や気持ちを理解しながら働けるというのは日本のアドバンテージになるんじゃないかな。

そしてそれが需要としてアジアに存在するのかもしれない。

タイリーグにおいて、外国籍選手の中で日本人がキャプテンを任される機会が多かったのは、チーム組織の中(外国人を含む多国籍の中)でこの中間の役割としての機能をはたし、アジアクラブの期待(僕たち私たちのこと、わかってくれるよね?)に答えることができていたからなんだと思う。

そんな日本人の性格的なアドバンテージ(中間な存在)を生かして活躍できる未来がここアジアにあるんじゃないかとワクワクしながら、これから世界戦へ挑みたいと思っています。

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