見出し画像

本との遭遇覚書・本と幸せ

僕は本の未来に希望を抱いている。本は本として残っていくだろう。
若い人や子どもたちも本を読んでいることを知っている。本を作りたい人も多くいる。大量娯楽消耗品としての価値とは別に、本にしかない価値をこれからも発揮するだろう。
だから僕は本を並べる。本が好きだから。本を信じているから。

古本屋をやっているとよく「最近の若い人は本読まないでしょう」と言われる。そのたびに「いえ読む人は読んでますよ。昔からそういうものじゃないですかねえ」と答えている。何せ何十年も前から繰り返し「最近の若い人は〜」なのである。
もし万が一若い人が本を読んでいないのだとしたら、本を読む環境を用意できなかった大人の責任だろう。そう思う。
だから僕は本を並べる。本と遭遇できるように。

『本と幸せ』(北村薫)と遭遇。
本にまつわる話や日々のことを綴ったものがまとめられた一冊。
ああ、これは「ほんとしあわせ」と喜びが口に出ます。本を読むことはこんなにも楽しく喜ばしいことなんだと嬉しくなります。
高校時代作のショートショートや、自作朗読CDまである幸せ。素敵な一冊。

「紙の本」という表現に違和感があります。
本というのは紙を束ねたものでしかないのです。電子書籍は本とは別の媒体だと思っています。同じものと考えるから話がややこしくなる。本は本でしかないのです。
だから僕は本を並べる。そこに本があるのだから。

さあ本を読もう。いつまでも本は共にいてくれるとも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?