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オークス、血統解説‼️



こんばちわ!!!

先週は解説段階の◎マジックキャッスルが5番人気3着‼️これでG1は4つ連続で3着以内👍

今週も引き続き参考になれるよう頑張りたいと思います!!今回はオークスに向けて、桜花賞の回顧も少し取り上げていますので、いつもよりボリュームアップです!

それでは今週もよろしくお願いします‼️






〜〜東京芝2400m、コース解説〜〜

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*画像はnetkeibaより抜粋


ダービーやJCなども行われる日本のクラシック的なコースになります。スタートして1コーナーまでは350m程の距離があるため、ゆとりのある先行争いになります。特に距離が未知数な3歳戦では1コーナーで隊列がすっと決まりやすい。なるべく内を回ってロスを最小限に抑えたい心理が働くため縦長になりやすいのも一つの特徴です。

特に近年は馬場の高速化に伴って本来緩むべき(特に3歳戦では)中盤800m区間である2コーナー〜3コーナー中間辺りでもペーズが落ちず流れる為縦長の隊列は直線手前までキープされやすくなっています。後半800mでラップが加速することが多いですが、4コーナー手前から加速していくのは中団〜後方の馬が直線で追い出しやすい位置を取りに行くために馬群がこの区間で詰まってくる為です。それに伴い前も溜めずにある程度出していくことが助長していると言えます。

直線は500m超あるため自ずと長い上がりを使えるかどうかの勝負になります。








✅桜花賞を回顧!!



個人的に展開で相当明暗が分かれて、言ってしまえば血統があまり関係無くなってしまったレースと感じています。当然、レコード決着になっただけに能力を求められたレースだと思いますが、改めて振り返って整理しておきたいと思います。


〈結果〉

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〈ラップ〉

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やはりこのレースにおける最大のポイントはメイケイエールの動きでしょう。ご周知のとおり、かなり多くの馬が被害を受け、現に不利を受けた代表格であるソングラインは次走のNHKマイルCで巻き返した。それだけこの不利がパフォーマンスに影響及ぼす事象だったという一つの指標になったかと思います。今回はそのメイケイエールの動きを起点として起こった事を取り上げつつ、その周囲の事に目を向けて行きたいと思います。

スタートでメイケイエールがやや立ち上がり出遅れる。(画像1枚目青丸) ここが一つポイントになった。元々スタートはふわっと出るタイプでしたが、前哨戦のチューリップ賞では5分に出れた。ただ、スタートで後手を踏むであろうという可能性は周りのの騎手達からすれば想定されていた事象だったかと思います。


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ただ、想定外だったのはその隣の7番ククナだったのでは?と感じます。元から差し脚を活かしたいタイプだっただけに中団ぐらいにつけていた馬でしたが、この日は5分に出つつも下げる競馬を選択しました。

ただ、擁護する訳ではありせんし、騎手の意図は想像の範疇を超えませんが、暴れ馬メイケイエールの隣という事もあり、この馬に煽られる事だけは避けたい。故に一刻も早くメイケイエールから離れたポジションを取りたい。という意味で踏み切った一つの策だったのでは?と思っています。結果は振るわなかったものの、選択としてはありだったと個人的には思っています。

それにより起こったのがぽっかりと空いた上の画像2枚目の赤丸のスペースです。加えて、青線部の進路が生まれます。そしてここをいち早く察知してそのポジションを狙ったのが10番アールドヴィーヴルです。(画像3枚目・黄線)

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これにより、隣の9番エンスージアズムは負けじとポジションを取りに行くも、ミルコの方が狙いに行くのが早かった+馬単体のテン速もあり、エンスージアズムは馬体を当てられやや窮屈なポジションになりました。ミルコは低迷期と言われていますが、この辺りの勘の良さと視野の広さはさすがと言わざるを得ないでしょう。ただ、これが結果的に裏目に出てしまう、、、

その結果が下の(画像4枚目)の黄線部。

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左右にスペースを作り比較的自在に動けるポジションを取れたと言えます。また、好スタート切ったジネストラ(緑線)もその前の絶好位を取れたと言って良いと思います。という事はジネストラの力はそのレベルという事で、アネモネSの恵まれ具合が分かった所。言い訳が効くとしたら次の場面でしょうが、現状ではOPレベルからは遠い存在と言えます。

そしてこの時点ではメイケイエールは最後方。(青線)黄線部のスペースを作ったミルコ側からすればこのスペースをメイケイエールに埋められて煽られる事は防ぎたかったはず。ある意味気が気で無かったと思います😅 ただ、メイケイエールに進路を作らせまいと奮闘したのが外枠勢(赤線)。メイケイエールにフリーなスペースを作らせたくないだろうと詰めに行きます。

これにより、ミルコはせっかく取れたスペースのあるポジションを埋められてしまう。また、メイケイエールにも暴走スイッチが入ってしまう結果に。メイケイエールは囲まれる事もそうですが前に馬がいると抜きに行ってしまう。外の馬が詰めに行きメイケイエールの前に入った事でより手を付けられなくなってしまいます。(あくまでそうなったという結果論であり、メイケイエールを抑えられなかった横典Jや前を埋めに行った外枠の騎手達の批判ではありません。むしろ、空いたスペースを埋める至極当然の動きと言えます)

そして問題のシーン。

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青線がメイケイエールのざっくりした進路。この線の周辺の馬達はもれなく被害・煽りを受け、中でもソングライン(桃線)はもろに弾かれ1番の被害馬と言えます。そのソングラインはご存知の通り次走のNHKマイルCで僅差の2着。ただでさえ内が良い馬場で外枠は厳しい戦いを強いられるレースでこの不利はレース終了を告げる事象となりました。

そしてそのまま残り約5F地点で先頭へ。(画像6枚目)

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ラップを見ても分かるように、例年はもう少し緩む傾向にある3F目があまり緩まず。この辺りは前にいた馬達は前残り傾向があった当日の馬場という事をさっ引いていも厳しい展開になったと思っています。ソダシ強いな。笑😅

そしてここで上手さを見せたのが2番のファインルージュ(画像7枚目・白線)

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ソダシやアカイトリノムスメと言った有力馬をマークしつつ、有利な内を通る。この白線のスペースというのは、アカイトリノムスメには入られず、ソダシが直線で進出していけばその後をついて行けば追い出すスペースを確保できる。また、仮にソダシの手応えが悪くなっていて下がって来ても、自身が追い出すスペースを作る事ができる間を作れる絶好位

この後の天皇賞春のワールドプレミアでも見せたこの立ち回り。この絶妙な距離感は改めてトップジョッキーだと言う事を知らされますね。また、有力馬の後ろを取る優位性も改めて感じさせられます

そして、もう一つ。アカイトリノムスメがソダシを交わしに行くポジションを取りつつ、この緩むべき区間で緩まなかった事を察して自身のペースとポジションを守る事に専念していると思います。この辺りがコーナー通過3-6となってる理由かと思います。一見すると勿体無いと感じる方も居ると思います。渋とく脚を伸ばすタイプだけに積極的に行っても良いのでは?と思うでしょう。これも想像の範疇ですが、武史J的には父ディープインパクトでトップスピードに優れたタイプ。そう捉えていれば、なんならもう少し溜めを作りたかったと思いますし、何よりソダシを交わしに行くポジションをキープしたかった意図があるように思えます

結果はともかく、こういった意図が見える騎乗をしてくれるのは改めて横山武史Jが信頼に値する騎手である事を示唆していると思います。それはファン目線もホースマン目線でも同じであると思います

そして横山武史Jの"溜めたい"この動きによって判断を迫られたのがミルコ。アカイトリノムスメを見る位置を確保してきましたが、この動きによりミルコ側に『真後ろは良くないだろう』という思考が働いたかと思います。それが下の画像8枚目のポジションに繋がってるのだと思います。アールドヴィーヴルとて有力所の立ち位置のため、勝ちに行きたい立場早めに仕掛けてアカイトリノムスメに併せに行くか、ポジション(距離感)をキープする方向に行くか、マークを外して自身が追い出すスペースを作りにいくか。非常に迷う選択肢を迫られたかと思います。

ただ前述の通り、ここまで緩むべき所で緩まなかった背景があった分、早めに仕掛けるのは逆算すればラストで垂れる可能性が浮かんだでしょうし、ポジションをキープしたかったのも、このタイミングで前のシゲルピンクルビーやヨカヨカ(橙線)らの手応えが悪くなり始めているのもミルコは見ていただろう事を考えると取る選択肢は3つ目に絞られてしまう。この後直線で外を回すハメになった事を考えるとちょっと運が無かったと感じますね💦

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そして、全く触れていませんでしたが、ソダシは内拉致沿い前目を取る完璧すぎる立ち回りをしています(雑)

そして直線。アールドヴィーヴル(黄色線)はそういった積み重ねから結局外を回す羽目になってしまった。(画像9枚目) アカイトリノムスメ(赤線)との追い出し位置の差は明白。内が使える状態の阪神では外を回す事は不利になる故にかなり痛かったと思います。結果論ではありますが、逆にアカイトリノムスメに付いていく判断(当然、それができるシチュエーションならの前提ですが)をしていれば3馬身という差は詰まっていたと思いますし、もう一つ上の着順があってもよかったかもしれません。ただ、その選択は勝ちを捨てた乗り方になるんですがね。

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そして画像10枚目。ここで、ソダシ-ファインルージュのライン(黒線)とサトノレイナス-ククナのラインが出来上がった。特にククナは追い出すスペースを見つけるのに苦労していた所。サトノレイナスの手応えを見てようやく加速し始めたという印象。後はサトノレイナスがアールドヴィーヴルの進路を付いていき、その後ろをククナが追っかける。(画像11枚目) ただ、加速が遅いと言われているサトノレイナスといえど、ククナより2テンポ前で蒸し始めているサトノレイナスの加速性能は別格。当然ククナが追いつけるはずもない。

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下記は約ゴール前ラスト1F地点の画像ですが、サトノレイナスとククナの間の差(桃線)がこれ。ククナも追い出しが遅れながら上がり2位の33.2という脚を使っている。それだけサトノレイナスのトップスピード性能が優れている事、特に阪神の直線はラスト1F辺りの急坂まで下り気味で各馬が惰性で加速しやすい。そういったシチュエーションの中これだけの差をつけるのだから見た目にももちろん如何に裏付けのある強さであるかが分かります。

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そして線はつけていませんが触れておきたいのが、アカイトリノムスメ。上の画像と比較しても馬から見て左側にヨレているのがよくわかると思います。通常、右回りで直線の広い阪神では、右手前でコーナーを回り、直線で左手前に切り替えます。そして直線の中盤から後半で右手前に切り替えもう一足を使う。というのが理想ですが、個人的に左手前の時間が長かったと感じるのと、アカイトリノムスメは今回が初の右回り。左手前ではコーナーを曲がる事に慣れてるのでこのヨレは起こり得る事象。致し方が無い。逆に言えばその甘さが出た上であの差という事です。個人的な血統のイメージから言うとアカイトリノムスメは父ディープというより母アパパネの感が強く、故にスパッと切れると言うよりはガスっと切れる感じ(語彙力😅)、いわゆるナタの切れ味っていうやつですね(笑)。そのイメージがある分、4コーナー手前の武史Jの溜めた行動は悪手だったと感じています。

再三言いますが、結果そうなっただけであり、武史Jを批判してる訳ではありません。むしろ意図が見えた好騎乗だったと評価してます。ただ、血統とは合わなかったと感じた。それだけの話です。

また、そのアカイトリノムスメについていくしかなかったエンスージアズムも、前半でミルコに寄られスペースが窮屈で追い出しが遅れた事実はあります。元々、1800mで好走歴があっただけにマイルではやや反応が遅れた。個人的にはこの馬も極端に評価を落とす必要が無い馬と感じています

最後に触れておきたいのはアールドヴィーヴル。これだけ、極端な不利は無くミルコの判断ミスも無く、ただただそれが裏目に出てしまう運の無さはやや同情します。加えて、桜花賞当日は-6キロと万全では無かった見方もできます。桜花賞後は『やっぱりデムーロはデムーロだった』とか『デムーロは大外回しの怠慢騎乗』とか無責任に揶揄されていた言葉が目立ってた印象ですが、個人的にはミルコの意図が見えていた騎乗でしたし、本当につくづく裏目に出ただけ。批判される内容は一切無かったと思います。

ただ、懸念したいのは直線で5着を取らざるを得なかった事。5着内というのはオークスへの優先出走権。アールドヴィーヴル陣営からすれば新馬勝ち+重賞2着では賞金出走は心許ない。オークスに出るにはなんとか5着を確保したかったと思います。馬体が目減りして一戦一戦の消耗度を懸念されている所で、ラストまで目一杯追った事がどう出るか。中間や当日の気配をチェックしておきたい所です。


〈まとめ〉
・サトノレイナスは強い。
・ソダシは強い。かつ、完璧な競馬をした。
・ファインルージュは福永Jの好騎乗が光った。
・メイケイエールの影響で外枠の馬はほぼもれなく不利を食らった。
・アカイトリノムスメは左回り替わりがプラスに。ただ、ソダシに勝ちに行った事がやや裏目に出てしまい、また瞬発力勝負に不安を残したように見える。
・アールドヴィーヴルは運が無かった。
・エンスージアズムの評価を落とす必要は無い。








〜〜オークス、好走血統〜〜



✅🇫🇷血統
✅Nashua持ち




✅🇫🇷血統


かなり限定的な範囲になってしまいますが、相性の良い血統傾向として取り上げておきたいと思います。殆どの馬が初経験の距離にして最長距離というシチュエーションになります。よく、『3歳のこの時期では距離適正があまり関係無い』とは言われていますがとはいえ一定程度のタフさは必要になると感じます。故に特に母方の欧州血統は基本相性が良い傾向にあります。

中でも、溜めて切れる良さのある🇫🇷牝系出身はスローペースに前半〜中盤で溜めができやすい同レースに対して相性が良い

2017年1着のソウルスターリングのスタセリタ。2015年1着のミッキークイーンのミュージカルウェイや2011年1着のエリンコートのエリンバード、2016年には3着にビッシュでバランセラなど、🇫🇷牝系は勝ち馬を輩出しているという意味でもこのレースと相性が良いと言えます。

他にも🇩🇪血統の2011年2着ピュアブリーゼや2016年1着の🇬🇧牝系出身シンハライト。など、トップスピードを出す事を邪魔しない程度の欧州牝系由来のタフさが求められるレースと言っても良いでしょう。






✅Nashua持ち


これは先週、そして先々週の土日の僕の予想を見て頂いてる方ならピンと来るかもしれません。要はここまでの東京芝の馬場傾向に沿っての好走血統とさせて頂いています。*先週のVMに引き続き、、、

要はミスプロ(特にKingmambo)系とRoberto系。どちらも母父にNashuaを抱える為に同居しやすい血統としても有名です。今の東京の芝はまさにそんな要素を求められるタフな高速馬場

馬場の硬度が上がり、シンプルにスピードを求められる馬場になった際には上に挙げたNashua持ちにはやや都合が悪くなるかもしれませんが、今週も週中に降雨がある予報で、馬場自体は先週に近い状態に落ち着きそうと予想します。

ただ、乾き途上馬場というシチュエーションになった際はキンカメ系を買え!と言うかもしれません。笑

先週のVMもグランアレグリアの圧勝がもちろん目立ちましたが、ほぼ横並びだった2.3着馬はどちらもディープインパクト×シンボリクリスエス(Roberto系)の配合。また、4着はキンカメ系ルーラーシップ産駒のディアンドル。グランアレグリアは馬場不問クラスの化け物だったことを考えれば2着以下はやはり適性が出てNashua向きだった事を示唆していると思います。








〜〜オークス出走馬、血統解説〜〜


*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。 



①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか。


の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。



✅人気馬解説(想定1〜5番人気)

ソダシ      血統評価:B-

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桜花賞1着から臨みます。

父は非サンデー系のクロフネ。近親にユキチャン、ハヤヤッコといったパワーを要する中距離ダートで活躍する馬が多数いる白毛一族です。この一族の特徴としては前述したパワーもそうですが、メイケイエールを見てても分かるような前向きな気性に加えて、4代母父であるStar de Naskra(スピード型Nasrullahの一種、サウスヴィグラスの母父)の影響が強い牝系であり、そういった点からもダート的な速さやパワーに恵まれている印象です。

ここまでのレースぶりからも血統的にも瞬発力があるタイプでは無い為、前目からどれだけ押し切れるかに掛かっているかと思います。

やはり懸念は距離になってくるでしょう。クロフネ産駒は芝の2400m重賞どころか、2000mですら勝ち鞍が無い。G1にしてみれば、全てマイル以下と傾向だけ振り返るとマイナスな面しか無い

ただ個人的には距離自体は対応可能と見ています。母方に目を通すと、ダート的なパワーと速さに富んだ牝系とは申しましたが、母のブチコはダート1800mをクリアしていますし、その全弟であるシロニイは阪神大賞典で4着。天皇賞・春にも出走したステイヤーの類。加えて近親のユキチャンもダート2100mの関東オークスを勝いますし、ハヤヤッコもダート1800mのレパードSを勝っている背景があります。

同レースの同産駒で馬券内にきたホエールキャプチャも母方に中距離重賞で活躍していた馬を輩出しているチヨダマサコ牝系出身だった事を考えると、クロフネ産駒でも重い中距離牝系と配合されているタイプであればこなす事は可能であろうと感じます。

どちらかと言うと距離よりも、オークスというレースが前半〜中盤が緩みやすく溜めが入る事により、一定レベルの上がりを求められる事の方がマイナスになると感じます。上がり33秒台を使った事もあるので問題ないとは思いますが、再三言うように切れる脚があるタイプの血統では無い為、そこで甘さが出る可能性の方が強いと思います。

まとめると距離不安説を出される程、距離は問題無いと思いますが、切れ味勝負で切れ負けし甘さを出す可能性の方が強いと感じます。








アカイトリノムスメ    血統評価:B-

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桜花賞4着から臨みます。

父ディープインパクトに母はアパパネという3冠馬同士の豪華な配合。全兄にラインベックやジナンボー、モクレレなどといった馬達がいる血統馬です。

この配合の兄妹達にも言ってきた事ですが、この配合は祖母であるソルティビットのスピード適性が前に出てきやすい配合で、血統のイメージ以上にディープ産駒らしい切れ味が使えない傾向にあります。

2前走のクイーンCも前後半46.5-46.8とそう差の無い持続的なラップバランスを好位から差し切る味のある競馬を見せましたが、上がりタイム自体は4位と瞬発力戦になった際キレ負けしそうなイメージを持たせる一戦になりました。前走の桜花賞も早いタイムの中でも溜めが入った事で上がりを使い切れなかった印象があります。

とはいえ、回顧でも語っているように、前走は初の右回りが要因となり甘さを出した印象が強い。左回り周りになればしっかりと脚を使ってくる公算は大きいと思います。ただ、どちらかというと同馬もソダシと同じように切れるタイプでは無い分レースと合うかが懸念。前述のように、父ディープよりも母アパパネ感が強いと見てるだけに、溜め→上がり勝負に負けそうな印象+距離延長が課題になると思います。

距離に対してのお話をするなら、個人的にはソダシよりこちらの方に懸念があると思います。








ユーバーレーベン    血統評価:B+

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フローラS3着から臨みます。

父ゴールドシップ×母父ロージズインメイ+ブライアンズタイムという如何にもラフィアンらしい配合の字面通り、重さが目立つ血統構成と言えるでしょう。

札幌2歳S2着の実績もあるように、毛色は違えど父ゴールドシップらしいなと思っていましたが、阪神JF辺りからここ最近を見ていると母方っぽいなと印象が変わって来ました。曽祖母のマイネプリテンダーからは障害G1を勝っているマイネルネオスやダート重賞勝ちのマイネルアワグラスなどパワーに富んだタイプを輩出してきた牝系出身で、そのあたりが急坂コースもこなせるパワーに繋がっているのだと思います。

ただ、強調したいのは母方のMill Reef。シゲルピンクダイヤやリスグラシュー、デゼル、または世界的名牝エネイブルなどが代表例で、母方にMill Reefを持つ牝馬は溜めて切れる脚を有しているケースが多く、同馬もその類かと。それが近走の安定した上がりに繋がっているのだと感じます。

父のイメージ的にはこの溜めて切れる脚を求められるレースは合わないと思いますが、そういったMill Reefの切れ味を持つタイプと考えるとフィットする印象です。今の馬場とも合うNashua色もしっかりありますし、距離延長も問題ないタイプか。

懸念があるとすればここ2走は権利取り+賞金確保にそれなりに走ってしまったので、Roberto特有の短期疲労が一点心配です。









ステラリア     血統評価:A+

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忘れな草賞1着から臨みます。

父はディープインパクトの後継キズナ。そこに母父はSadler's wells系のMotivatorという配合。さらに母のポリネイターは🇬🇧芝マイル重賞メイヒルS勝ちの実績を持ち。更に同牝系からは🇮🇪ダービー馬もでるなど、欧州色の強い牝系出身です。

好走血統にも取り上げた🇫🇷牝系、とは言えませんが、🇮🇪色を筆頭として近い物があると言っても過言では無いと思います。前述のユーバーレーベンでも取り上げたMill Reefを母方に持ち、新馬戦以降はここまで上がり最速を使い続けている辺り、ユーバーレーベン同様にMill Reef持ちらしい切れ味を有しているタイプと言えるかと思います。

また母方BluebirdがStorm Bird×Somethingroyalの配合である事からStorm Catとは≒の関係とも取れます。Somethingroyal4本クロスから来るしなやかさとStorm Birdクロスから来る馬場融通の広さと言うのも同馬の持ち味と言えます。

それで言いながら父キズナらしい馬格がある分、イメージとしてはちょっと大きくなったディープインパクトと言っても過言では無いかもしれません(笑)

上がり実績からも瞬発力勝負になった際は一目置きたい存在ですし、タフな芝もこなせるタイプと見ています。二走前のクイーンCはシンプルに忙しいイメージを抱きましたし、前走のように中盤に溜めが入る中距離戦なら簡単には崩れない一頭と見ています。









ファインルージュ   血統評価:A

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桜花賞3着から臨みます。

父は上記のステラリアと同じキズナ。そこに母父はBold Ruler系のボストンハーバーで追走力を補給して、ダンスインザダークのNijinskyと🇫🇷牝系出身の重さを兼ね備える血統構成

曽祖母のココパシオンは🇫🇷のマイル重賞勝ち馬で遡ると交流重賞でも活躍したノーヴァレンダやブランシェクールなどを輩出したパワーのある牝系。加えてBold Ruler系を母父に持ち、同馬の馬格から見てもパワーに富んだタイプのキズナ産駒と分析します。2走前などのように時計の掛かる馬場で溜めて上がりを発揮する事に長けている印象でしたが、前走のような高速時計にも対応してくるあたり、母パシオンルージュのスピードがしっかり出ている印象です。

好走血統にも挙げた🇫🇷牝系出身だけに、高速マイルではトップスピードにやや欠ける印象ありましたが、思ったより母のスプリント色も出ている事と、このレース特有の溜めができる事でしっかりと脚を使ってこれるイメージです。

回顧でも取り上げた通り前走は福永Jの好騎乗にも恵まれた印象ですが、この条件では血統がフィットしてくる分、上積みが見込めるのはプラスになるかと思います。








✅中人気馬解説(想定6〜10番人気)

クールキャット     血統評価:B+

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フローラS1着から臨みます。

父はRoberto系のスクリーンヒーローで、そこにメジロマックイーンやメジロデュレンと言ったステイヤーを輩出したタフさのあるメジロアイリスの牝系。父スクリーンヒーロー×メジロ牝系+モガミという構成からもモーリスっぽいところを感じる血統構成になっています。

前走や昨年の新馬戦でも強い競馬を見せているように、欧州要素を求められる東京コース。今のいわゆるNashua馬場への適性は高い印象を受けます。また前述したようにステイヤーを輩出してきた牝系出身ですので距離が伸びる事はプラス

前走は東京2000mで不利と言われる外枠からしっかりと好位につけて押し切る事が出来たように安定した競馬ぶりは評価可能。父がRoberto系であるだけにややローテが詰まってるのは気になりますが、この舞台では極端すぎる瞬発力勝負にならない限りは確実に凡走する、というシチュエーションが少なさそうなだけに安易に印を外せない一頭かと思います。








アールドヴィーヴル     血統評価:B+

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桜花賞5着から臨みます。

父は母方を引き出すキングカメハメハに母方はアリストテレスやリンカーン、フサイチコンコルドなどのG1馬を輩出してきた、名牝バレークイーンの牝系。
スタミナが豊富なSadler's Wells色の強い牝系出身だけに、息が長くパワーのある末脚を使える点がこの牝系の強み。新馬戦の不良馬場でのレースぶりからもその特徴がしっかり受け継がれてる印象の血統構成です。

前走はレコードが出るレベルの超高速決着という事もあり、やや忙しかった印象。追走力に富んだタイプでは無い故に道中でも少しずつ脚を使わされる展開になったのは同馬にとって痛かったと思います。加えて、回顧でも触れてるようにとにかく運の無かった展開とかなり厳しいレース。それでも5着を確保して大きく崩れなかったのは地力の高さだと思います。

元から小柄な馬で、目減りして来ている点。加えて、晩成気味の牝系出身という点からもまだ完成は先でしょうし、成長を待ちつつ、、、という所ではあると思いますが、道中の追走が楽になるのと、欧州要素を求められるレース質と馬場に変わるのは条件好転と取れると思います。

当日の馬体や気配には注視しつつ、注目しておきたい一頭です。








ククナ      血統評価:C+

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桜花賞6着から臨みます。

父は牝系引き出し型のキングカメハメハに、母は桜花賞2着にオークス3着の実績があったクルミナルという血統馬。母クルミナル自身はディープインパクト×南米牝系の配合で、サトノレイナスやカレンブーケドールなどとも同じタイプのいわゆる"昇級ディープ"のタイプ。そこにその特徴を引き出す父キングカメハメハですので、相手が上がろうが安定して自分の競馬ができるタイプと言って良いと思います。

個人的に評価したいのは5走前の未勝利戦。8頭立てと少頭数のレースでスローペースの中、後方から運んで4コーナー手前で動き出し。そこから上がり最速で追い込み、ラスト11.4-11.1の加速ラップを差し切る内容で、改めて瞬発力の資質の高さを見せました。

前走を含めてそこからは今ひとつ差しきれない競馬や展開不向きな競馬が続くも、自身の力では走って来れている印象です。父がキングカメハメハの分、瞬発力型よりも万能型に振れている所はありますが、溜めた時の脚は光る物があります。

血統的には及第点のレベルも、距離が伸びても大きなパフォーマンスダウンが無いであろうと感じます。同じ差し競馬を得意としていたサトノレイナスが不在ならその差してくるタイプの席が空いた、と捉える事も一考だと思います。








スルーセブンシーズ    血統評価:D

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ミモザ賞1着から臨みます。

父はステイゴールドの後継であるドリームジャーニー。そこに母父クロフネ、奥にSeattle Slewとダート色が並び、曽祖母のOver Allは🇺🇸ダ1400mG1であるスピナウェイSなどを勝っている🇺🇸牝系出身の血統構成です。

この父×母父の配合ではザイツィンガーやジョブックコメンなどがいるように、小回りの中盤以降で長く脚を使うレースがフィットする。加えて母方のNashuaやSeattle Slewなどの追走力の豊富さや下り要素からも個人的に合うと見るのは中山コースや阪神・京都の内回り

広い東京コースの瞬発力勝負想定に合うイメージは沸かず。上がり最速を使い続けている点は評価しますが、どうしてもトップスピードに欠けてしまう可能性が高いかと思います。






タガノパッション   血統評価:C-

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スイートピーS1着から臨みます。

父は牝系引き出し型のキングカメハメハに、母父シンボリクリスエスとNashua内包系同士の配合。祖母キャッチザゴールドがステイゴールドの全姉に当たり、同牝系にドリームパスポートやレクレドール、ショウナンパンドラなどがいる良血牝系出身という血統構成です。

どうしてもステイゴールドのタフさのイメージが強くなる印象があり、故に長く脚を使うコースであったりタフな芝で、と言いたい所ですが個人的には一族の傾向的には意外と広いコースでもやれてるのでそこまで気にしていません。当然タフさのあるノーザンテーストの影響もありますが、短距離的なスピードを持つPrincely Gift色の牝系でもあるため、そこらへんはカバーされてると思います。

どちらかと言うとやや晩成気味の傾向にあり3歳のこの時期に大きい所を取るイメージが湧かない。3月の未勝利戦でのデビューになりましたし、成長度合いなどの観点からここでは様子見をしたい印象です。









✅穴人気馬解説(想定11番人気〜)

スライリー     血統評価:C

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フローラS2着から臨みます。

父はステイゴールドの後継であるオルフェーヴル。そこに母父ディープインパクトで、サンデーサイレンス3×3。そこにマイルG1馬のダノンシャークなどを輩出している🇬🇧カーラパワーの牝系出身という血統構成です。

欧州牝系出身という事で、一定程度相性の良さがあるイメージは受けます。ただ、前走の上がりタイムの差を見ても分かる様に、濃いサンデークロス持ち+前述もしているMill Reef牝馬らしく瞬発力勝負に対応して長く脚を使えるタイプものの、同じ瞬発力タイプだともう少し魅力的な子がいると考えているだけにどこまでか。

父らしさを活かせるタフさのある馬場での少し長く脚を使わされる瞬発力勝負で期待したい所。







エンスージアズム    血統評価:C+

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桜花賞8着から臨みます。

父はディープインパクト。そこに母父はStorm Catでよく言われるニックス配合。(キズナやラキシス、リアルスティール、ダノンキングリーなど)父ディープ内包のSir GaylordとStorm Cat内包のSecretariatでSomethingroyalの牝系クロスが発生している好配合です。

また、牝系は🇺🇸BCクラシック勝ちのCat Thiefや🇺🇸フロリダオークス勝ちのTapicatを輩出している🇺🇸の名血統。このレースに関しては🇺🇸牝系出身というのが良さが出にくい傾向がありますが、父との相性含めて血統の質は良い物があります。*まぁ、ディープ×🇺🇸血統の主な活躍馬は牡馬によっていて、それこそ牝馬だとグランアレグリアなどの一部であるというのも敢えて触れておきます。

父らしい小柄なタイプで、あまり揉まれ強いタイプではなく、二走前のフラワーCなんかは馬群の外を追走できた点が追い風になったかとも思います。ただ、ベストではない小回りコースに加えて時計の掛かる馬場でしっかり好走できたのは地力の証明か。母方Storm Cat(Storm Bird)の影響による馬場融通の広さも同馬の持ち味でしょうし、二走前の後半800m約45.7というタイムからも分かる様に高いスピード能力を有している点は評価したい。

回顧でも触れてるように前走はやや窮屈な競馬になった点が同馬には痛かった。揉まれない隊列になればと思いますし、オークスはなるべく距離ロスを無くしたい騎手心理から縦長になりやすいですし、ゆとりのある追走ができれば前走以上があっても良いと思います。

🇺🇸牝系の良さが出にくい傾向にある分血統評価じたいはこの評価に留めます。






ニーナドレス     血統評価:C

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君子蘭賞1着から臨みます。

父は晩成傾向にあるトニービンを内包しているハーツクライ。そこに母父クロフネ。同配合からはチェスナットコートやオークス3着の実績があるアドマイヤミヤビなどがいます。

ハーツクライ×Mill Reefの牝馬ではリスグラシューなどがいます。前述もしているように、晩成で早期の段階では追走力に欠ける分、現段階では溜めて切れるのがこの配合の特徴でしょう。それだけにレースとはマッチする印象ですが、やはりスロー想定とはいえG1なので前走よりは追走力が求められるだろうシチュエーションになるはず。ハーツクライ産駒が得意とする距離延長のシチュエーションではありますが、ペースが相対的に上がるだろうという意味でマイナス

前走比でペースが落ちるなら、と思いますが前走は高速馬場の中1000m1:01.5とかなりスロー。これより明確に遅くなることを想定するのは現段階では悪手かなと思います。





ウインアグライア    血統評価:D+

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フローラS5着から臨みます。

父はBold Ruler色の強いマツリダゴッホ。同牝系にはヘクタープロテクターやShanghai、ドリームキラリなどがいるKorveyaの良血牝系出身で、総じてダート的なパワーを持ちつつ、早期からの追走力に富んだタイプの血統と言えます。

2走前や5走前のように牡馬混合戦のタフな芝や洋芝でも対応できるように、牡馬にも劣らないパワーが同馬の持ち味。

広い主流コースの切れ味勝負がベストではなさそうだけにイマイチ良さが出来らなさそうな印象ではありますが、夏馬っぽい血統でもあるだけに気温の上昇は状態面でプラスになるのと、Nashua馬場や重い芝などのようなパワーを求められるシチュエーションになれば面白い一頭と感じます。






パープルレディ     血統評価:D+

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フローラS6着から臨みます。

父ディープインパクトに、母は短距離重賞でも活躍したメリッサ。兄弟にはミッキーグローリーやカツジがいる血統馬です。

晩成傾向にある母方のトニービンが効いてる血統で、ハーツクライなどと同様に、早期の段階では追走力に欠ける印象です。

欧州的なスピードを持つLyphardがクロスしている為、スピードには長けているタイプですが、その前向きさを発揮できるシチュエーションが限られてる印象です。兄弟同様の捉え方をするなら短い距離を経験して、前向きさを次走に活かせるタイミングで、、、というのが好走のターンであり、そう言った意味で距離延長は合う印象ですが、完成度の面でここでは推しにくい。







ハギノピリナ     血統評価:D

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矢車賞1着から臨みます。

父はディープの後継であるキズナ。そこに母父アドマイヤムーンでForty Niner系。ヘクタープロテクターのWoodmanとミスプロ系の中でもスピードに富んだタイプのミスプロ系がクロスしてる前向きさのある血統構成です。

また、曽祖母のサベージレディはディグタス×ノーザンテーストの配合でステイゴールドの牝系であるゴールデンサッシュと近い配合。こちらは奥がAureoleの分Hyperionらしいスタミナを出しつつ、揉まれ弱さがある印象です。

ここまで頭数ダウンのシチュエーションや外枠で好走して来ただけに頭数アップは歓迎では無い。この馬単体で言えば、最低限外枠は欲しい所。







ミヤビハイデイ    血統評価:C

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中山芝1800m1勝クラスから臨みます。

父はエピファネイア。昨年の勝ち馬にして無敗の三冠牝馬デアリングタクトと同じ父です。そこに一族からシスティーナやプライドキムなどダートでも走れるパワーを持つ牝系出身という血統構成。

意外にも同産駒はこの馬一頭ですね。同じ父エピファネイアに母父ハーツクライという配合では今年の無敗の皐月賞馬エフフォーリアがいるので、ある意味期待はできます。前走も小回りコースの中、スロー→後半3Fのギアチェンジ戦を後方から差しきれたのは評価可能。

ただ、同じ瞬発力タイプでは上位互換がいる印象で、、、最低限、揉まれない外枠で一考か。







〜〜現状の印〜〜



◎18.ステラリア
○13.ファインルージュ
▲5.クールキャット
☆10.エンスージアズム
✔︎11.ソダシ
△9.ユーバーレーベン
△15.アールドヴィーヴル








ひとまず、血統からはここまでを評価しておきたいと思います。

他にもアカイトリノムスメやエンスージアズムなど、抑えに値する馬はいるのですが、現状では、、、


◎ステラリアは溜め差し+距離延長+重い芝も想定というシチュエーションを考えると最適解と言っても良い血統と感じます。

○ファインルージュの方が好走血統に挙げた🇫🇷牝系出身の分、評価を上げても良かったのですが、○ファインルージュは母が短距離馬だった分、距離の懸念が◎よりは若干あるかなと感じこの評価。



追記:枠順を含めた印に変えています!👍 また、最終的な予想は当日のnoteにて!よろしくお願いします😊






本日は以上になります!!

最後までご覧頂きありがとうございました😊‼️

ボリューミーで申し訳ないと思っています😅(笑)


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