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水環境や淡水生態系の保護・回復のために、私たちはどう行動すべきか

こんにちは。
ダイキアクシス採用担当の高市です。
現在、浄化槽や排水処理施設といった環境機器を手がける会社で採用教育担当をしています。

私たちの会社では、地球環境を守りながら、未来をいい方向に変えていくという”PROTECT×CHANGE”をコーポレートスローガンとして掲げ、持続可能な社会づくりを世界に発信しています。

水環境のパイオニアとして、SDGs 目標6番目の「水・衛生:安全な水とトイレを世界中に。すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」をコア事業に、世界中の排水処理や再利用、地下水の飲料化などをメイン事業とし、再生可能エネルギー事業を合わせて取り組んでいます。

最近では、SDGsへの関心の高まりを受け、私たちダイキアクシスが行う事業の重要性、環境を守り抜くことへの責任を感じ、海外展開を加速していかなければならないと思っています。


そんな中で、事業を通じて、私の採用教育分野の業務を通じて、SDGsについて知る機会が多くありました。
そして、目標やターゲットについて、様々な情報を知るなかで、疑問に思ったことがあります。

それは、SDGsでは、17目標それぞれにターゲット(具体的な目標)が設定されていますが
なぜ、ターゲットとして取り上げられたのか?ということです。

私たちが海外展開を加速させるためには、世界の水事情を知っておく必要があります。
目標の背景のみならず、なぜ、ターゲットとして取り上げられたのか?というところまで深堀していきたいと思います。

6安全な水とトイレを世界中に

<6> 安全な水とトイレを世界に

<6ー6>2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。

淡水生態系は「安全な水」の母体である

水環境や淡水生態系と聞いて、どのような場所を思い浮かべますか?

初めて聞く言葉で聞き慣れないかもしれませんが、河川、湖、池、沼、湿地などのことを差し、その他にも雨を蓄える機能があるという意味で、森林や、山、地下水のある帯水層も淡水を蓄える生態系と言います。このように地球には、淡水生態系が多く存在します。

近年、「水」の重要性が国際的に注目され、この淡水生態系を守ろうという運動が世界中で展開されています。

では、なぜ、私たちは淡水生態系を守らなければならないのでしょうか。

私たちの生活は、淡水生態系から提供される様々なサービスによって成り立っています。SDGs目標として掲げる「安全な水」の供給には、この多様な淡水生態系を支える淡水域の自然が大きく関わってきます。 

雨として降り注ぐ水は、森林や山地、湿地などの土壌や植物により保水され、毎日安定した量で河川や湖沼に供給されています。

森林や山地、湿地などがなければ、雨として降り注いだ水は保水されることなく、すぐに涸れてしまうでしょう。

さらに、水に含まれる養分や有機物も淡水生態系によりもたらされています。

また、水は絶えず循環する物質です。人間が出している排水の80%が自然に戻されているとされていますが、こうした排水を濾過し、再び健全な水に戻す役割を担うのも淡水生態系です。

淡水生態系は、水の供給、制御、調整、浄化などの生態系の機能を通して、私たちに必要な健全な水を作り出しているのです。

つまり、「安全な水」の供給を実現するためには、淡水生態系の多様な生態系を保護することが極めて重要であるという事です。

地球環境の激変で問われる生物多様性

淡水生態系が世界各地で多様性を失っているといいます。そして、これは淡水生態系に限ることではありません。

私たちは今、「大加速時代」と呼ばれる、地球環境が今までにないくらい急速に変化している時代を生きています。

この急速な地球環境の変化は、人間が健康や富、食糧や安全保障といった利益を追求することによって生じたものです。

そして、この社会基盤を支える豊かなサービスは地球の自然と生物多様性によるものですが、その過剰な利用が自然環境や生物多様性を急速に消失させる要因となっているということです。

様々な生態系の中でも淡水生態系は、水に関連する様々な生態系機能を有しており、単位面積当たりに換算すると人々への恩恵が最も高いと価値づけされる生態系です。

その淡水生態系の生物多様性の劣化は深刻な状況にあります。「生きている地球指数(Living Planet Index(McLellan et al. 2014))」によると、最新(1970~2010年)の評価では、前回の評価(1970~ 2006 年)と同様に、淡水域での個体群の減少率は、76%と高い結果となりました。

この結果は、淡水生態系の生物多様性が失われつつあると捉えることができますね。

*「生きている地球指数(Living Planet Index(McLellan et al. 2014))」による淡水域での個体群の減少率:科学者と公的機関により過去 40 年以上にわたりモニタリングされてきた脊椎動物 3,038 種以上、10,380 個体群を対象として、1970 年の状態を基点として各個体群の個体数の変動傾向を示したもの。

また、淡水生態系の水質についても悪化傾向にあります。
1990年代以降、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアのほとんどすべての川で水質は悪化し、後も加速すると予想されています。主な要因は、未処理排水、工場排水、農業廃水、浸食、堆積物の変化です。

このように淡水生態系の環境は悪化しており、生物多様性は失い続け、多くの野生生物は絶滅の危機に追い込まれています。

また、自然と生物多様性の消失を食い止めるための生物多様性条約の国際的な合意といった取り組みは、現状、功をなしていません。

その他にも様々な目標があり、実現すべく行動していますが、問題の大きな改善にはつながっておりません。

自然と生物多様性が消失し続ける現状を変え、回復させるためには、地球環境の保全を世界中の全ての人々が意識して取りむことが重要です。

つまり、自然と生物多様性が消失され続ける現状を回復させることが重要であり、そのためには地球環境の保全を求める声を大きくし、世界中全ての人々が自然の回復に真剣に取り組むことが必要です。

出典:生きている地球レポート
https://www.wwf.or.jp/activities/data/WWF_LPRsm_2014j.pdf

あるがままの自然を守るアボリジニによる生態系保護

オーストラリア北部のトップエンドと呼ばれる区域に、1940年代から採掘されてきたウラン鉱山があります。この区域では、鉱山開発により、森林や湿原が破壊され、生物の多様性が失われていました。

1960年代には、様々な調査が行われ、この区域の自然や生物の希少性などが貴重なものとわかりました。そうすると、国民にこの区域の自然、生態系を保護しなければならないという意識が高まり、さらなる開発を防ごうと区域一帯を国立公園とするようになったといいます。

その後、1975年には野生生物保護法が成立、1979年にはトップエンドのカカドゥ地区が国立公園に指定され、ラムサール条約の登録湿原になりました。そして、1981年に世界遺産に登録されました。

しかし、アボリジニによる環境汚染の訴訟を受け、1998年に世界遺産委員会において危機遺産リストに掲載すべきとの議論が起こりました。これは、カカドゥ国立公園内に除地のような形で存在するジャビルカ鉱山において、ウラン採掘が行われたことによる環境汚染が要因とされています。

この議論は、危機遺産リストには掲載されませんでしたが、2003年に国際鉱業会とブリティッシュ・ペトロリアム(BP:イギリスの大手石油会社)が世界遺産地域において採掘をしないことを発表する、という結果に至りました。アボリジニの活動により、鉱山開発を阻止し、環境汚染による生態系の破壊を防ぐことができたのです。


これら取り組みは、あるがままの自然を守り続けてきた、土地の伝統的保有者アボリジニによる声が大きく、結果としてカカドゥ地区を国立公園に指定し、保護区域とすることで開発を不可能にし、豊かな自然と生物を守りました。

このように世界中で国、人々が環境保全に関する意識を高め、自然や生態系の回復に真剣に取り組むことで、豊かな自然と生物を守ることができます。私たちは、これを胸に刻み、これからどのように行動していくべきか、考えていくことが大切です。

浄化槽(JOHKASOU)が水環境における生態系の保護・回復に寄与する

淡水生態系の水質悪化は、生態系の保護・回復において重要な要因のひとつです。

今後もラテンアメリカ、アフリカ、アジアのほとんどすべての川で、水質の悪化が加速すると予想されています。その主な要因に、未処理排水、工場排水などがあり、世界全体で80%を超える排水が適切な処理なしに淡水生態系へ流されています(WWAP 2012、UN-Water 2015)。

ダイキアクシスの浄化槽(JOHKASOU)は、これらの要因を改善するのに役立ちます。

浄化槽は、生活雑排水、工場排水などの汚水を微生物の働きなどを利用して浄化し、きれいな水にして河川に放流する施設です。

この浄化槽という概念は日本固有の概念であり、世界でもJOHKASOUとして認識されており、アジアやアフリカ諸国では、水質汚染の問題を解決するための積極的に導入が検討されています。

そのため、私たちダイキアクシスも海外の拠点を増やし、世界の水問題を解決するべく日夜問題解決のために汗を流しています。

皆さんもサステナブルな社会を実現するために、ダイキアクシスで世界をより良い方向に導いていきませんか?

ご興味をお持ちいただいたら、ぜひ会社説明会にも足を運んでみてください。
ご応募お待ちしております。

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