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世界の水不足問題を解決する”浄化槽”が水利用を最適化する

こんにちは。
ダイキアクシス採用担当の高市です。
現在、浄化槽や排水処理施設といった環境機器を手がける会社で採用教育担当をしています。

私たちの会社では、地球環境を守りながら、未来をいい方向に変えていくという”PROTECT×CHANGE”をコーポレートスローガンとして掲げ、持続可能な社会づくりを世界に発信しています。

水環境のパイオニアとして、SDGs 目標6番目の「水・衛生:安全な水とトイレを世界中に。すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」をコア事業に、世界中の排水処理や再利用、地下水の飲料化などをメイン事業とし、再生可能エネルギー事業を合わせて取り組んでいます。

最近では、SDGsへの関心の高まりを受け、私たちダイキアクシスが行う事業の重要性、環境を守り抜くことへの責任を感じ、海外展開を加速していかなければならないと思っています。


そんな中で、事業を通じて、私の採用教育分野の業務を通じて、SDGsについて知る機会が多くありました。
そして、目標やターゲットについて、様々な情報を知るなかで、疑問に思ったことがあります。

それは、SDGsでは、17目標それぞれにターゲット(具体的な目標)が設定されていますが
なぜ、ターゲットとして取り上げられたのか?ということです。

私たちが海外展開を加速させるためには、世界の水事情を知っておく必要があります。
目標の背景のみならず、なぜ、ターゲットとして取り上げられたのか?というところまで深堀していきたいと思います。

6安全な水とトイレを世界中に

<6> 安全な水とトイレを世界に

<6ー4>2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取および供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。

水は地域に偏在する資源


みなさん、地球上に淡水はどのくらいあるか知っていますか?

「地球は青かった」旧ソ連の宇宙飛行士 ユーリイ・ガガーリンの有名な言葉ですね。

地球は水の惑星で水は大量にあるイメージではないでしょうか。イメージ通り、地球に水が大量にあることは間違いないです。しかし、淡水はどうでしょうか?

地球の表面の3分の2は水で覆われていますが、そのほとんどは海水であり、淡水は2.5%程度しかありません。そして、淡水の約70%が極域における氷床や氷山の状態で存在しており、凍っていない淡水のほとんどは地下水です。人が利用しやすい河川や湖などの水は、約0.01%(10㎦)しか存在しません。

そして、0.01%の水でさえ、水質汚染にさらされ、水資源が減り、水ストレスが増大している現状がります。

このように、実は、地球上で使用できる水の量は少ないのです。

これに加え、気候変動により世界各地で干ばつや砂漠化、洪水などの問題が多発しています。
干ばつや砂漠化の影響で、再生可能な淡水が枯渇寸前にまで追い込まれ、水源を失いつつある地域もあります。

そんな貴重な水を、私たちは年間どのくらい使用しているのでしょうか?

世界の年間水使用量は、1950年に約1,400㎦でしたが、2000年には約4,000㎦になり、さらに2025年には約5,200㎦に増加する見込みです。このように、世界の水需要はさらに増加していくことがわかります。

では、本当に地球の水資源で賄えないのでしょうか。実際に日本に住んでいる人々は、水に困らない暮らしをしています。少なくとも、日本は地球の水資源で賄えていると考えることもできますね。

国連開発計画(UNDP)の「人間開発報告書2006」では、「世界全体を見ると、すべての人にいきわたらせるのに十分なだけの水量が存在しているが、国によって水の流入量や水資源の分配に大きな差がある」という問題が指摘されています。

では、実態はどのようになっているのでしょうか。

カナダでは水資源量が利用量を大きく上回り、中朝諸国では大きく下回るといった調査結果があります。このように水資源と人口の分布が一致しないことも多いのです。これは、国同士に限らず、同じ地域や国内でも見られます。このように、水は地域に偏在する資源であるといえます。

出典:国土交通省「世界の水資源」:http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000020.html

出典:環境省「環境白書」(平成22年版)
「地球とわが国の水環境の状況」https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/zu/h22/html/hj10010401.html

世界人口の4割が水ストレス状態に

「水ストレス」という指標はご存じでしょうか?あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんね。

水ストレスとは、1人当たりの年間使用可能水量が1,700tを下回り、日常生活に不便と感じる状態のことを指します。

水ストレスが極めて高いレベルは、年間を通じて国内の農業用水、家庭用水、工業用水を十分に利用できない人が80%以上で、その地域の水不足に陥っていることを表します。

この水ストレスについて、国連環境計画(UNEP)は、2025年までに、48か国28億人が水ストレスが対状態になり、18億人が絶対的な水不足に陥るとの予測を発表しています。特に、西アジア、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ地域などの地域が水不足の脅威にさらされています。

また、2050年までには、54か国40億人(世界人口の約4割)が水ストレス、水不足の状態に直面するとされています。

このように、世界各国にとって安定した淡水の供給を提供することは、最優先事項といえるでしょう。

では、水ストレス、水不足の原因はどのようなことがあるのでしょうか。

要因の一つとされているのが、人口増加です。

世界人口は年々増え続け、2019年現在では77億人が地球に住んでいるといわれています。そして、2050年まで人口増加が進めば、約97億3,000万人にもなるといわれているのです。

人口増加が進めば、使用する水の量が増えるだけではなく、食糧も必要になります。食糧を生産するためには、当然水が必要ですから、人口増加とともに水需要が増え続けることは想像に難くありませんね。

また、気候変動も要因として、取り上げられています。

先には、気候変動により世界各地で干ばつや砂漠化、洪水などの問題が多発しているとお伝えしましたが、その他にも、インド南部では熱波とモンスーンにより、いくつかの淡水湖が干上がって水不足が引き起こされる状況となっています。

そして、これらの水不足が紛争の原因になる「水紛争」が世界各地で起こっていることも深刻な問題といえるでしょう。

日本は、島国であり、隣接する国がありませんので、「水紛争」に聞き馴染みがないかもしれません。

しかしながら、世界各国を見てみると様々な要因により、水紛争が起きているといいます。
水紛争の主な要因としては、

・水資源分配の問題(湖や河川の上流地域での過剰取水)
・水質汚濁の問題(上流地域での汚染物質排出など)
・水の所有権の問題
・水資源開発と分配の問題

などがあります。

日本国内でも紛争ではありませんが、同じように水不足に関する議論がされている地域があります。
私たちダイキアクシスが本社におく、愛媛県松山市も例外ではありません。
松山市では毎年のように水不足(渇水)に悩まされ、断水をするか否かといった話がされます。
日本にいても水利用や水源確保などの問題はあります。

国にまたがるかどうかの違いであって、日本国内でも起こりうることなのです。

ですが、日本全体でみると、水に困ることがありません。
日本は水不足ではないと思いませんか?

しかし、実際、日本は海外の水源に依存しているのです。


各国の水ストレスランキング(WRI「インタラクティブマップ」)
https://wri.org/applications/aqueduct/country-rankings/

出典:国土交通省「日本の水資源と水需給の現況」「水資源問題の原因」

日本は世界有数の水輸入大国

「バーチャルウォーター(仮想水)」をみなさん知っているでしょうか。

バーチャルウォーターとは、キングス・カレッジ・ロンドンの名誉教授アンソニー・アラン氏が紹介した概念で、輸入する農畜産物や工業製品を国内で生産したと仮定した際に必要な水量を推定したものです。国際貿易を通じて、多くのバーチャルウォーターを輸出・輸入しています。

バーチャルウォーターの輸出が多い国は、アメリカ、カナダ、アルゼンチンなどがあげられます。輸入の多い国は、中国、日本、EC諸国、中東などが挙げられます。

私たちは普段の生活で水に困ることがありませんよね?

日本は、降水量に恵まれており、生活用水、工業用水、農業用水などに対して水が安定供給されています。そのため、水危機を感じることはありません。

ですが、実は、日本こそ世界湧水の水輸入大国であり、世界の水へ依存している国なのです。

日本は、バーチャルウォーター輸入量が多い上位の国の一つです。
2005年の計測では、日本は800億㎥ものバーチャルウォーターを海外から輸入していることがわかりました。日本の水利用量は、800億㎥を超えるといいます。

日本の水利用量とほぼ同量のバーチャルウォーターを輸入していることになりますね。そして、そのほとんどが食料に起因しています。

たとえば、日本で小麦を1kg生産するためには、2,000ℓ(約2,000倍)の水が必要とされています。日本が小麦を1kg輸入すれば、海外から2,000ℓの水を輸入していることになるのです。

日本は、海外から食料を輸入することで、自国の水を使わずに済んでいるのです。

出典:環境省
https://www.env.go.jp/water/virtual_water/

シンガポールの水利用の効率化

世界資源研究所(WRI)は、極端に高いレベルの水ストレスによって国がそのまま水危機にさらされるわけではないといいます。大事なのは、適切な水管理と国同士の対話で、水の供給を保障することです。

シンガポールの例を見てみましょう。

WRIによると、シンガポールは水ストレスのランキングワースト1位の国です。人口が過密状態であり、湖や帯水層から十分な淡水が得られないことが原因にあげられます。そして、天然水の供給が過剰に求められていることも原因の一つだそう。

しかし、シンガポールが行う水管理は非常に優れており、淡水の需要を十分に満たしているといいます。

シンガポールの雨水を採取するシステムは非常に優れており、シンガポール国内の水供給の20%をまかなっています。その他、40%はマレーシアからの輸入、30%は家庭から出る排水の再利用、残り10%は海水の脱塩生産で、国内全体の需要を満たしています。

このように先進的で革新的な管理計画によって、水ストレスの基準が深刻な状態に陥っているとしても、シンガポールの産業、農業、そして国内の利用者に対して安定した水供給が可能になっているのです。

シンガポールの例から、国の状況に合わせた水管理によって、水利用を効率化することができ、安定かつ持続可能な水供給が可能であるとわかりますね。

そして、私たちダイキアクシスもシンガポールと関わりがあります。シンガポールには海外拠点があり、各種水処理装置の販売および設計・施工・管理などを行っております。さらに、このような水に関わるサービスを世界中に提供している海外子会社を統括する役割も担っています。

また、M&Aにより孫会社となった現地企業のプールメンテナンスの事業をベースとして、ダイキアクシスの水処理技術を活かした事業を行い、海外展開を加速させています。

出典:WRI 2013/12/13
https://www.huffpost.com/entry/water-stressed-countries_n_4434115

浄化槽(JOHKASOU)による水利用効率化の可能性

水は限りある資源ですが、私たちの生活には欠かすことができません。では、限りある水資源をいかに効率よく利用するかということを私たちは考えないといけませんよね。

そこで、限りある水資源の利用効率をあげるために、ダイキアクシスの浄化槽が役立ちます。

浄化槽は排水をきれいな状態の水に変え、自然に返すだけではなく、私たちが再利用することで、水の利用効率をあげることができます。

発展途上国や新興国では、浄化槽の普及が進んでいない地域もあり、排水がそのまま河川や湖などに垂れ流されています。水が汚染され続ける状態です。

ダイキアクシスでは、人口の多い中国、インド、インドネシアに浄化槽の製造拠点を設けており、3拠点に加え、ベトナム、ミャンマー、スリランカ、ケニアにも販売拠点があります。

製造から、販売、メンテナンスまで行う一貫したサービス提供をしており、さらにスタッフに対してメンテナンスの研修教育を行っています。

このように海外へ浄化槽を設置するだけではなく、人材教育も行うなど、運用体制を構築しています。

浄化槽を設置することは、水利用効率を改善し、水を再利用することで持続可能な採取と供給を確保することができます。そして、水不足が解消され、水不足に悩まされる人を減らすことができると確信しています。

皆さんもサステナブルな社会を実現するために、ダイキアクシスで世界をより良い方向に導いていきませんか?

ご興味をお持ちいただいたら、ぜひ会社説明会にも足を運んでみてください。
ご応募お待ちしております。

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