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映画感想【パペットマスター】

記念すべき1989年の第一作から、これまで10本以上が制作された、カルト的人気ホラーの『パペット・マスター』シリーズの最新作!30周年記念作品である本作は『悪霊のはらわた』(12)のソニー・ラグーナ、トミー・ウィクランド監督コンビが手掛けたリブート!ある呪文で命が与えられた人形たちがもたらす恐怖の惨劇を、コメディ要素と流血量を盛り込んで描く。脚本を担当したのは『トマホーク ガンマンVS食人族』(16)などで注目を集めているS・クレイグ・ザラー。バーバラ・クランプトンのようなオリジナルキャストに加え、ザラー所縁のマイケル・パレやウド・キアーも出演している。

人形が人を襲うホラー映画が今年は重なる年でして、中でもチャイルド・プレイのチャッキーは皆さんも見たことがあると思います。

こちらのパペットマスターはそんなチャイルド・プレイが公開された1年後に1作目が公開された作品。こちらは複数の人形が呪術により操られ人々を襲う話になっております。
なんと今年で30周年。
メモリアルな年にリブートが公開となりました。

「人形はお前だけじゃない」1年前に公開されたチャイルド・プレイの印象が強すぎた為かみんなが人を襲う人形=チャッキーになっている状況にパペットマスターに出てくる人形達は挑戦状をふっかけるかのようなキャッチコピーを引っさげてやってきました。

あらすじでも触れたパペットマスターであるトゥーロンは差別が色濃く残る時代の人物である為、人形がターゲットにする基準も人種差別からくるもののようでした。
現代に時代を進めてもその価値観はかわらず操られる人形達は同性愛者やユダヤ人らを狙います。

こんだけマイノリティな人々が声を大きく挙げている問題を堂々と盛り込んでいくのにはそれだけのメッセージ、揶揄が隠されているからのようです。

これほどそういった事が叫ばれている現代でさえまだまだ完全にはバランスの取れていない世界であるということ。
人形達は姿を変えたそういった人達や社会であるということ。
容赦のない攻撃に苦しむ人がいる。抗えない人がいる。この作品にはそういった事も伝えてもいるのではないでしょうか。

スプラッターという表現を通して見えてくるのはそういった世界の闇みたいなもので。過剰に表現する事で少しは知ってくれたらなというのもあるのではと。

でも、それを抜きにしても凄惨な描写の数々は見応えがある物になっていますので、ファンならずともホラー映画好きな方は楽しめると思います。
カタカタとアナログに動く人形達が人形らしくスムーズじゃない所がとてもいい。
そんなに鋭利に感じられない刃先にやられたりする様子のオールドスクールさがたまりません。
そのメッセージ性と描写のバランスがなんとも心地良いので、あーホラーを観てるなぁという感覚でとても充たされます。

ドールホラーが盛り上がってる中、満を持して登場したパペットマスターが現代にどう馴染んでいくのかが今後の楽しみになりました。

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。