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映画感想【ゾンビランド:ダブルタップ】

ゾンビが蔓延した世界を舞台に、自ら編み出した「生き残るための32のルール」を実践する引きこもりの青年を描いた人気ゾンビコメディ「ゾンビランド」の10年ぶりとなる続編。爆発的なウィルス感染によって地球上の人類がゾンビと化したなか、コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックの4人は、コロンバスが作り上げたルールに従い、10年にわたってゾンビ社会を生き抜いていた。そして2019年、地球上のゾンビたちが、パワーもスピードもレベルアップした新種へと進化。そのほかの生存者を仲間に加えたコロンバスたちは、ルールさえ守れば何でもありな状態で、ゾンビたちをなぎ倒していくが……。


この作品は終末の世界のとてもネガティブな状況をポジティブに描いているのが特徴です。


ゾンビの種類分けでエンターテインメント性の向上〙

基礎となるゾンビは両手を真っ直ぐ伸ばし、フラフラと彷徨い歩くものでしたが、昨今作られるゾンビは走るのは当たり前になってきました。

もはや早くないゾンビを観た今の人はどう感じるのだろうか。「遅っ、普通に逃げれんじゃん」という感想も聴こえそうなものです。
それにジョージ・A・ロメロ監督の「ランド・オブ・ザ・デッド」ではガラス戸などを道具で破壊する学習するゾンビも現れてきました。

ゾンビも多様性が必要とされてきているようです。

「ゾンビランド」でもその多様性を顕著に出す事で、一種のキャラクターとして扱おうとしているように感じた。
音もなく忍び寄り人間を狩る「ニンジャ」めちゃめちゃ脚の早い「ボルト」といったようにネーミングもリラックス出来るような物になっており、そうすることでより作品に明るい要素が含まれているように感じました。


登場人物の成長と新キャラクター

一匹狼で抜群の射撃能力を備えた「タラハシー」 オタク大学生「コロンバス」詐欺師姉妹だった「ウィチタとリトルロック」
10年経てば、人間も変わります。

コロンバスとウィチタはいい感じでそろそろ結婚の話が出るし、リトルロックはお年頃で何やら自立を考えている様子。
でもタラハシーは相変わらずの頑固オヤジ。それはそれで安心。

さらに今回はより個性的な登場人物も増えました。
頭がお花畑でとにかく自由な発言でグループを困らせる「マディソン」
非暴力主義ヒッピーの「バークレー」
強く美しいホテルの番人「ネバダ」

何故生き残れる?の人から、まぁ当然残るよなの人までバラエティに富んでおります。
この幅広いキャラクターがより波乱を産み、助けてくれて、適度にヒヤヒヤしながらゾンビランドライフを楽しむ要因にもなっているのかなと。



ゾンビランドの世界観

舞台となる通称「ゾンビランド」は地球上の大半がゾンビ化してしまった世界の事で、決してゾンビが園内を練り歩きタイミング良ければ写真が撮れたり、世界観をモチーフにした乗り物や食べ物が楽しめる施設ではありません(人は食べられる側)。

ただ、先述のようなゾンビの区分けをしている辺りではエンタメ要素は否めないです。

そのゾンビランドと化した世界では荒廃し終末を迎えても各々生き残った人間がなぜだか活き活きとしている。ましてやその年で一番クールなゾンビの狩り方をした人物に送られる「ゾンビキルオブザイヤー」なるものまであるのが何とも。

そう、もうゾンビを狩ることも生活の一部として楽しんでいるのです。

ゾンビランドダブルタップという世界で

この作品はゾンビが大半を占めている世界でエンジョイしながら生き抜き続けるロードムービーかと思いきや。その旅の中で大切な物を見つけていく、ハートウォームな作品でもありました。

赤の他人だった4人が、共に生き抜き生活をしていくことで「ファミリー」となり、安住の地を求めて進み続けていたのですが、実はもうそれはすぐ近くにありました。
この4人がいる所がもう既に「それ」だったのです。

場所など関係なく。
共にいる所はどこだっていいんです。

「一緒にいる事」それが一番大切なんです。
色々な事を共有するのが、共感するのが、時には反発し合う事が。
1人では出来ません。
人として生きていくことは1人きりでは叶う事はありません。
必ず誰かの支えがあって成り立っているもの。

当たり前の環境の中だとなかなか気づけないものをこうして傍から厳しい環境の中で見せてくれる事で気づく事が出来る。関わってくれている人の有難みを。

最後までハッピーに観れるゾンビ映画でございました。

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。