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映画感想【死体語り】

死者と対話することのできる男を主役に描いたブラジル製ホラーミステリー。凶悪犯罪が多発する大都会の死体安置所で、ひとりで夜勤をしているスニーニョは、死者とコミュニケーションをとることができる能力をもっていた。ある時、ある死体からスニーニョ自身にまつわる秘密を明かされたことをきっかけに、スニーニョと彼の家族の身に危険が迫る。


死体と意思疎通が出来るのって結構それはそれで怖いというか、実際会話のシーンでは死体は基本しゃがれ声ですし、まだ自分が死んだ事を認めてない人もいて当人にしたらそれも怖いというか。
だって、現に目の前に会話できる人がいるから、あれ?喋れてる?死んでないの?って思うのも無理ないよなぁとか。

で、ルールがあるのがとても面白かったです。
「死者との会話の内容をバラすと呪われる」
これにより今回自業自得が生まれました。

ステーニョには家族がいます。冷めきった関係の妻に子供ふたり。
実は妻はステーニョが良く行くカフェの店主と逢瀬を繰り返していて、それを死体から聞くことになります。

怒りに震えるステーニョはギャングにデマを流して2人とも殺してもらう様に画策します。
それは見事成功しましたが、ここで死者とのルールを破ったことになります。

ステーニョはそこから呪いにより幻覚か呪いによるものなのかその境の中翻弄され、子供にも危害が加わってしまいます。

自分の嫉妬心とルールを破ったことに寄るツケがまんまと回ってしまったステーニョに起こる呪いの数々はまさに悪夢と言いますか、自分のエゴによるしっぺ返しが徹底的にされていて、容赦ありませんでした。

死体への呪いに翻弄されていくところと、それがどう解決に向かっていくのか2転3転して読めない所がとても見応えありました。

1時間50分とホラー映画というジャンルでは割と長尺の部類に入る今作ですが、構成が素晴らしく最後までぐいーっと引き込まれていました。

ステーニョの愚かさ、カフェの店主とのトラブル。呪いが降りかかる前にもさほど環境は良くなかった様に思えます。
遅かれ早かれいざこざも起きてた事でしょう。最後にステーニョが取った行動はそれら全て背負う人間の姿をわかりやすく見せてくれます。
こうなりたくなければ誠実でいましょうと言われているような気がしました。

いつだってホラー映画は教訓を教えてくれます。結構強烈にですが。

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