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映画感想【血を吸う粘土~派生~】

カカメによって無残に殺された父・伏見恭三の死を警察から知らされた娘の果林。恭三の遺体は火葬場で焼かれ、果林には遺骨が渡されるが、そこにはカカメの身体の一部が含まれていた。果林は美術作品制作キャンプに参加するが、そこに持ち込まれた恭三の遺骨からカカメが復活し、再び阿鼻叫喚の地獄が繰り広げられる。

恨みを自身の作品に血と一緒に込めて死んだ作家の呪いが人間を襲う作品。
第二弾となった今作もかなりパワーアップしてます。

人里離れたアトリエで描かれる、血が血を呼ぶ阿鼻叫喚の地獄絵図。
吸血粘土カカメも様々に形態を変え自らの身体に血肉を取り込んでいく描写もすばらしく気持ちの悪いものを見せてくれました。

この作品はミスiDの皆さんが多数出演されており、皆さん身体を張る演技を全力でされており、それがまた緊迫感となって作品全体の底上げをなされていたようにも感じました。

やはり、化け物だけではなく被害に遭う方も恐怖の演出にはとても必要不可欠だと言う事を再度認識できたように思います。

時に綺麗に時に残忍に見せていくシーンのこだわりも見て取れます。

「人が死ぬ」この決して褒められない描写をいかにして芸術、カルチャーとして昇華していくか、これはとても難しいところではありますが「アングルや特殊造形技術」「繊細さを出すところ」「大胆に大袈裟に見せるところ」そのメリハリがありその結果、作品の大事な1つの要素になっていました。

もちろんホラー映画なので、あるのは至極当然のシーンではありますが、だからこそテーマに沿った襲い方はとても大切に考えないといけないものだと思います。
「粘土が人を襲ったら」このかけ離れた式を前作と合わせて二作品も幅を持たせていることにとても心震え、またカカメという新しいホラーアイコンが出現した事で日本でも「異形の物が人を襲う」作品が出来るのを証明してくれたように感じます。

まだまだ心霊、呪いが強い中。このシリーズで受け入れられたそういったものが広まり当たり前のように増え続けていく日も近いうちにあるのではないでしょうか。
もっと日本のホラーも自由でいいんだ。それに気づかせてくれる作品だと思いました。

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