見出し画像

映画感想【スクールズアウト】

名門中等学校で、先生が生徒たちの目の前で教室の窓から身投げする異様な事件が発生した。新たに教師として赴任したピエールは、6人の生徒たちが事態に奇妙なほど無関心なことに気付く。彼らの冷淡で気まぐれな振る舞いに翻弄され、やがて6人がなにか危険なことを企んでいると確信するようになり......。

冒頭いきなり担任教師の飛び降り自殺から始まる衝撃スタートなんですが、何が怖いって生徒達が嫌に落ち着いてるんです。
特にクラスの中心になっている6人組がその飛び降りた担任の姿を無表情で見下ろしている画が不穏すぎて、あっ、これはもうヤバいなと10分もしない内に感じました。

それからはずっと不穏な空気が漂い続けます。6人の生徒が一体何を目論んでいるのか。示唆する所を散りばめられていますが、どれも決定的な情報にはならずまんまとこちらも翻弄されていました。

自殺した教師の代理で入った教師がその違和感に気づき企みを追っていく中で見つけるDVDがあるのですが、世界で起きた災害や暴動、テロなど衝撃的な映像が収録されていました。
これの意味するものはラストでわかることになります。

何より、楽観的に描かれている教師陣と、常に何か構えている生徒達との対比が印象的でした。
週末のパーティーに繰り出したり、お互いのタトゥーを見せ合ったり、どこかそちらの方が一般的な学生っぽさがある感じがします。
それに対して、成績優秀者のみを集めたそのクラスの生徒達は達観していると言いますか。何かを悟っているかのような非常に落ち着いてる様子が終始あり、それも余計に不気味さを助長させていました。

その達観している「何か」というのは、この作品の中だけの問題では無く、今現代に生きている人類全体に関わる事でして、我々はこれから先どう在るべきか、生き抜くにはどんな知恵、経験が必要なのかを考えさせられるように仕向けられているような気がしました。

今までの不穏な空気がラストシーンでボンっと衝撃に跳ね上がるのでしばらくはそのショックを引きずります。でもそれでいいかなと。じゃないとすぐ忘れてしまう位、現代人は目を背けている事が多いので。

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。