見出し画像

映画感想【SUMMER OF 84】

1984年、オレゴン州イプスウィッチ。緑豊かな郊外の住宅街で暮らすデイビーは、エイリアン、幽霊、猟奇犯罪などの記事の収集に余念がない少年だ。
そんな彼の15歳の夏に、近隣の町で同年代の子供たちばかりが狙われる連続殺人事件が発生。その犯人が向かいの家に住む警官マッキーではないかとにらんだデイビーは、親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の捜査を開始する。
はたしてデイビーの推理は正しいのか、それとも行きすぎた空想なのか。
やがてデイビーの行く手に待ち受けていたのは、彼の想像をはるかに超えた恐ろしい現実だった……。
 

今Netflixで、大人気のストレンジャーシングスでこの少年達の怪異に立ち向かいながら成長を追っていくスタイルを始めて観た方もいるだろう。
何年経ってもこのジュブナイルスタイルというものは心をときめかせる。
仲間で色んなことを計画したり、時に喧嘩したり、少し恋の始まりなんかもあったり、理想の少年時代を見せてくれて、大人になった自分達の目を輝かせてくれる。
そこには苦い経験もあったりする。
でもそれを経て大人になっていく姿までがこのスタイルの特徴であり確固たるものだった。

この作品はそんなスタイルを最後に嘲笑い、真っ暗な底の底まで引きずり下ろし、少年の記憶に焼き付ける容赦のない物だった。
あらすじにもある通り、デイヴィー達は隣人のマッキーを疑い、物語は進んでゆく。
友情だったり恋模様、家庭環境が複雑な子の様子をしっかりと描き、観る人を誘導していくのだが、いきなりそれはやってくる。
それまでの少しのヒヤヒヤはオマケに過ぎなかった。

その扉が開いた時、デイヴィー達と同じように観てる人も目の前の光景が信じられなくなり力が入らなくなる。
そこから先はどんなに足掻いても抵抗できないトラウマを植え付けられる事になる。

ひと夏の思い出は何もキラキラしたものだけではない。ドロドロと渦巻く恐怖もまた同じく思い出になる。
「連続殺人鬼だって誰かの隣人。人は決して本性を見せない。郊外でこそイカれた事が起こる」

すこしでもいいなと思ったらサポートよろしくお願いします!今後のインプット、自身のレベルアップを経て、皆様に楽しい時間を提供させていただければと思います。