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4月の雨と5月の空

2章 外はまだ雨が降っていた。 ただ、しまった。傘を忘れた。とも 思ってない。ww 俺は傘を差さない派だからだ。 そんな派閥があるのかは 分からないが、ずぶ濡れに なりながら帰り道を1人 歩くのが青春っぽくて好きだ。 それぐらい俺は青春に 憧れていたのかもしれない。 ただ今日の雨はそんな小さな 楽しみを遥かに凌駕するほど 降っていた。 下駄箱で靴を履き替えた時に 1本の赤い傘が目に入る。 絵描きの傘だ。 美術部の絵描き君は今日も部活か。 ふと、そんなことを思い

    • 4月の雨と5月の花

      降り始めた雨は留まることを 知らない。 バカみたいに降っている。 バカみたいな言葉で言うと そんな感じだ。 教室の隅のあいつは待ってましたと 濡れた窓の内側から落書きを始めた。 手垢という汚物を窓に 塗りたくっている。 どういう感情なんだよ!窓に謝れ! とツッコミたくなる。 俺の視線に気付いたのか 恥ずかしそうに落書きをやめた。 絵が上手なそいつの絵は 完成図の2割未満でも それがアサガオだと分かる。 そんな事はどうでもいい。 問題はそこではない。 くだら

    4月の雨と5月の空