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(伝記)玄奘三蔵

社会人になって7年目に差し掛かろうとするこの2−3ヶ月程、サラリーマン生活に嫌気を差し始めている時に読んだ玄奘(日本では三蔵法師として有名)についての物語を読んでの感想を書く。

玄奘は中国の陳留(河南省)に生まれ幼少期から経学に通じており、官僚である父の元、優秀な兄を追いかけるようにして勉学に励んでいた。在中国の書物を通してInputを蓄積する中、今ある書物だけでは真実を正確に正しく把握できないという一心から仏教のメッカである西方(今でいうインド)へ赴くことを決心。当該紀行を記した本である。

この本を通じて1番に感じたことは、自分の欲求を素直に且つ愚直に追い求める姿勢である。現代、特にコロナ禍以降、自らの人生や幸福についての議論が増え、脱炭素化をはじめとするマインドセットの転換が世界中で(厳密には一部の社会主義国・発展途上国は除いたほうがいいのだろうが)に入りつつあると考えている。係る状況下、今の生活・キャリア・環境を維持することが自分にとって本当に幸せであるのかといった問いが増え、自問自答を繰り返す日々を過ごしている人が増えていると思う(もれなく私もその中の一人である)。

私も日本では大企業と呼ばれる会社に6年間勤め、不自由ない生活を送ることができているものの、上記のようなマインドセットの変革の波に影響され自問自答する日々を過ごしており、血迷った私は朝4時半に起床し、犬を連れて30分散歩したのち、「自分は何がしたいのか」・「自分の得意なこと、強みは何か」について白紙に整理し自分と向き合う時間が増えている。

そんな中、玄奘の紀行に触れ、もっとシンプルに考えて行動することも悪くないと考えるようになった。勿論、紀行の中で「母国の発展のために」といった大義も持っていたということはあるものの、出発点はシンプルな欲求である「もっと経学を深めたい」という思いが原点で西方への旅という途方もない目標を掲げ・遂行した。ここに私を含めた現代人の悩み・苦しみの答えがあるような気がする。

言うは易しは百も承知だが、考えて行動することも大事である一方、直感で感じる気持ちや衝動というものを真剣に捉え、子供の時のようにシンプルな欲求に逆らわずに動いているのも悪くはないのではと思う。
無論、考えるなといっている訳ではなく、自分と向き合う時間も大切である一方、そこで答えが出る訳ではなく、答えが出ない可能性もある中で自分に溢れ出る欲求を打ち返すような感覚で行動し続けることで気付けば自分の真の欲望にであることがあるのではないかと考えた。

斯く言う私もまだ答えは見つからず、日々悶々と生活をし続けているが
私と同じような状況の人と共に楽しい・幸せと感じる人生を送りたいと願い本コメントを残したいと思う。

私と同じような境遇の方がいればぜひコメントいただけると有難いですし、面白い文献等あれば共有いただけると有難い。

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