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専門性は「包丁さばき」ではなく、「料理」で評価される

最近、「くいっぱぐれないためにIT業界で専門的なスキルが欲しい」という人の話を聞く。

そこで、「専門性とはなんなんだろう?」と改めて言語化してみた。

専門性は「包丁さばき」ではなく、「料理」で評価される

専門性とは、結局「その技術でどれだけ再現性を持って成果を出せるか」ということなのではないかと思う。

そして専門性は「包丁さばき」ではなく、「料理」で評価されるのだ。

包丁さばきだけで、料理人の専門性を評価できる?

例えば、料理人で包丁さばきがめちゃくちゃすごい人がいるとする。

その人は、玉ねぎをみじん切りで、完璧なまでの細かさで、早く切ることができるとする。

しかし、料理自体は全くおいしくない。

無題のプレゼンテーション (1)


その人は、「料理の専門家」と言えないだろう。料理の専門家とは、料理をおいしく作れる人のことだ。「マッハみじん切り」は、そのための技術に過ぎない。

無題のプレゼンテーション

料理を再現性を持って、おいしく作ることができること、これが本当の意味で「専門性がある」ということであり、「技術」(=早く包丁を使える)は、成果のための手段にすぎない。

技術を証明できるのは、成果の再現性だけ

未来が不安定で、継続年数とかそういう努力を保証してくれない時代に、こういう分かりやすい「包丁さばき」みたいな技術についついすがりたくなる。ぱっとみ「すげぇ!」ってなるから。

無題のプレゼンテーション (2)

ぱっとみ「みじん切りの早さ」って料理できそう感ある...

だから、料理のうまさよりも、みじん切りのスピードを上げようとしてしまいがちだ。

自分自身もそういう風に最初のキャリアを選んでいた(し、ゼネラリストだから今でも分かりやすい専門性を持っているエンジニアには憧れがある)

しかし、やっぱり歳をとるにつれて、そういう「技術」単体で評価してもらおうとしても厳しくなる。

いくらたいそうな肩書と職種があっても、結局は料理(=成果)でしか評価してもらえなくなるからぼろが出る。(これ、自分のことです)

無題のプレゼンテーション (3)

お客と上司は「包丁さばき」なんて見てくれないのである....orz

例えば、「マネジメントスキルがあります」と言いながら、部下が成果を出せていないなど。。。どんなに「シリコンバレー流・コーチングスキル」を知っていようが、それはマネジメントスキルがあるとは言えないのだ(う~耳が痛い)

だからそのスキルの先にある、「どんな料理を作れるの?」ってところまでフォーカスしたい。

スキルを証明できるのは、どんな環境でも継続的に結果を出すことであり、スキルをスキル単体で評価することはできないからだ。

分かりやすい「技術」をどんなに習得しても、それが成果につながらなければ、「専門家」としては評価されなくなってしまう。

無題のプレゼンテーション (4)

料理がまずくても「みじん切りめっちゃ速いから、満足」とはならない

※余談だが、IT業界はこの技術のアップデートが早すぎるので、専門家であり続けるのが超難しい。SEOコンサルタントを名乗っていた人が、2020年5月のGoogleのアップデートで落ちて戻ってこれなかったら、廃業である。Facebookページ集客コンサルタントが、Facebookの仕様変更で今までの技術が使えなくなった瞬間に廃業である。

成果とセットで技術開発に挑む

だから、「専門的な技術を身に付ける」ことによって「クライアント(自社・他社)にどんなメリットをもたらせるか」を考えて、技術をつけていくことが、大局観を持って専門家として成長できるのではないかと思う。

ポイント
・専門的なスキルとは、料理でいう「包丁さばき」ではなく、「料理自体のおいしさをどれだけ再現性を持って担保できるか」
・いくら包丁さばきがうまくても、料理がまずかったら、その技術自体が意味を持たない
・「専門的なスキル」のその先にある、「成果」と「再現性」が重要になる


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