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仕組み化大全

事業の成長のためには、仕組み化が不可欠です。この記事では、仕組み化の方法について解説いたします。

●仕組み化とは

仕組み化とは、マニュアル、教育、評価などの整備により、誰がいつどうやっても同じ成果が出せるようにすることです。

①「能力が低いからできない」
②「やる気がないからできない」
③「すぐ忘れるからできない」

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この3つの「ない」をなくし、誰でもできるようにしていくことが仕組み化となります。

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●仕組み化のメリットは?

なぜ仕組み化する必要があるのでしょうか?

仕組み化のメリットは、以下のとおりです。

①チーム全体で大きな成果を出すことができるため
②戦力の分散ができるため
③時間がない方、未経験の方を戦力化でき、採用難易度が下がる
④働く人にとってもスキルアップがしやすくなる

まず、チーム全体で大きな成果を出すためです。

例えば、営業チームAには、チームメンバーが成約を取れる仕組みがありません。1日5件の申し込みが取れる超エース級メンバー1名と、全く申し込みが取れないメンバーが4名いるとします。

その場合、営業成績は5件が限界となります。

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一方で、営業チームBには、営業メンバーが成果を出せる仕組みがあります。営業チームAと比較すると、えりすぐりのスタープレイヤーはいませんが、1日2件取れるメンバーが5名いるとします。

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チームAとチームBでは、1日に取れる申し込み件数が、5件と10件で、2倍近く差が生まれます。

少数の天才がいるよりも、多数のそこそこの秀才がたくさんいるチームの方が、成果を出しやすいのです。

次に、戦力の分散を行うことができるので、主戦力が欠けた場合のリスクが少なくなるからです。

個人のスタープレーヤーに組織が依存すると、その人が抜けた時のダメージが大きくなり、組織運営が困難になります。

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一方で仕組み化された組織では、個人の能力が均一化するため、このような問題は起きにくくなります。

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また、仕組み化を行うことで、以下のような人も即戦力化することができます。

・業務未経験の人
・時間的リソースが限られている人

例えば、仕組みが存在しなければ、週5フルタイムで稼働していなければ身につかないような業務オペレーションになっているとします。その場合、採用可能な人としては、週5フルタイムインターンで長期間育成前提で働ける人のみになってしまいます。その結果、採用可能な母集団としては、非常に少なくなってしまいます。

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もし、この業務オペレーションを仕組み化を行うことで効率化できた場合、週3で未経験でもはたらくことができ、採用可能な母集団としては非常に大きくなります。

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従業員目線で考えると、教育体制が整っているので、短期でスキルをつけ市場価値を上げやすくなります。

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●仕組み化の基本思想

「誰がどう見ても同じように成果を出す」を実現するために、必要な考え方は以下の通りです。この考え方が前提にないと仕組み化はうまくいかないので気をつけておきましょう。

①個々の才能に頼らない

個人の能力の個体差によって、業務が遂行できない場合はよい仕組みとは言えません。個々人の能力が足りなくても仕組みで成果が出るように仕組みを作りましょう。

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NGパターン:なんでこんなことが他の人にはできないんだろう。できるべきだ!→仕組みを作る側の人は、他の人よりもできることが当たり前です。ほとんどの人は自分よりも仕事ができないことを前提にオペレーションを組みましょう。

②やる気に頼らない

ある業務を行う際に、個々人のやる気に左右されないように仕組みを設計しましょう。例えば、優先度の高い仕事をやりたい!と思っていても出来ない場合があります。

NGパターン:「あいつは、やる気が足りないからできないんだ!」→仕事にあなた以上にやる気があるのは稀です。やる気がなくても成立するように仕事を組むのが仕組み化です。

③記憶に頼らない

業務を遂行するのを忘れていた!とならないような仕組みを作りましょう。なんで忘れるの?というフィードバックをしている場合は、記憶に頼るオペレーションになっているケースがほとんどです。

人間の記憶に頼らないように、チェックシートや確認体制などを整えるようにしましょう。

NGパターン:「なんで忘れるの?1回行ったら覚えてよ!」→記憶に頼っているから失敗します。やる気に頼らないように

④判断させない

マニュアル通りに進めても、この場合はどうしたらいいんだろう?と読み手に考えさせないようにしましょう。判断させるプロセスが仕組みに含まれると、期待される成果物とは異なる成果が生まれてしまいます。

誰がどうみても同じ判断、同じ手順で成果物が生まれるようにすることが、完全なマニュアル化になります。

NGパターン:「それくらい、自分で考えれば分かるでしょう!」とフィードバックしている場合は、判断させるオペレーションになっているため、注意が必要です。

●仕組み化のステップ(WIP)

それでは、仕組み化を以下のように進めていけば良いのでしょうか。以下のステップで進めると良いでしょう。

・成果の出る仕事の型化
・マニュアル化
・マニュアルを見る仕組みの構築
  ・Trigger タイミングの設計
  ・Evaluation 評価の設計
  ・Searchable: 検索
・見つかるマニュアルの工夫
  ・検索しやすさ
  ・参照しやすさ

成果の出る仕事の型化

まず、どのような仕事であれ、うまく行っている業務の再現性を上げていく必要があります。そのため、まずは成果の出るオペレーションを構築します。

NGパターン:まだ業務フローが固まっていないのにマニュアル化を始める。マニュアルにできるのは、すでに固まった業務フローのみなので、まずは業務の型を決め切りましょう。

マニュアル化

次に、その作業を全てテキストに落とし込みます。重要なのは、誰がどうみても同じ理解ができる点です。

マニュアルを見るタイミングの設計


マニュアルは読まれなければ意味がありません。そのため、マニュアルが読まれるように設計していきます。

基本的にマニュアルを見るタイミングは、

・その業務を始めるとき
・その業務を始めて問題にぶち当たったとき

が多いです。そのため、そのタイミングでマニュアルにリーチできるようにします。

例えば、新卒研修の最初に必ず受ける、もしくはこの業務が完了したタイミング、通知が来たタイミングなど、誰がいつ読んでいいのか分かるように設計しましょう。

NGパターン:マニュアルが作られても、誰にも読まれないケースです。存在するのか理解されていなかったり、困ったときに見つからなかったりと、マニュアル自体が使われないことを避けましょう。


●マニュアル化(WIP)

マニュアルを作る際のコツです。

・作業には目的も加える:あとで修正されることも加味して、業務目的も記載しておきましょう。
・作業を洗い出す
・作業が完了したのかのチェックシート
・判断が自動でできるダイアグラム
・作業が完了したことのダブルチェック
・最低限の階層構造にする

最低限の階層構造にする(WIP) 

例えば、階層構造が3つあるWikiを作成したとします。

読み手としては、最初にアクセスする場合、1階層目にあるとします。

そして目当ての情報が3階層目にあるとします。

その場合、その情報にたどり着くためには、2階層目を虱潰しに調べていくか、検索を利用しなければ情報にたどり着くことができません。

そのため、Wikiの階層設計は、なるべく2階層までに留めておくことがお勧めです。多少分量があってもよいので、1ページになるべく情報がリッチにまとまっていることが理想的です。

●マニュアルを作るタイミング(WIP)

こちらは書き途中です。

・動画で作業工程を説明してnotionに貼り付け
・見る人が自分の理解のためにマニュアルに落とし込む
・解説した人が理解できているかダブルチェックする

●仕組み化のアンチパターン(WIP)

こちらも書き途中です。

・成果の出ない仕事の仕組み化
・Triggerが存在せず、マニュアルが読まれるタイミングが存在しない
・Evaluationが存在せず、マニュアル通りに実行されない
・入出力に重複が存在する
・Todoの抽象度が高い
・マニュアルが更新されていないので、古い情報を参照してしまう→マニュアルにステータスと最終更新日を振る
・マニュアルが必要なタイミングで見つからない

仕組み化とキャリアについて(WIP)

仕組み化における経営者のメリット

・分業化→全工程を知り独立されるリスクの軽減
・分業化→比較的安価に採用できる

よくある仕組み化の意図

・独立させないように全工程は触れさせない

従業員側の仕組み化によるリスク

・分業化→全体の業務の一部に最適化されるので、転職市場に出たときに互換性が生まれない可能性が増え、人生における選択肢が減る
・分業化すると能力的には代替可能性が上がるので、年収が下がる(というか上がらない)

仕組みは、最短でそこそこの技術や文化を吸収する分にはいいのですが、仕組みに依存しすぎると個人の価値が下がる(代替可能性が上がる、会社の歯車に成り果てる)ので、どこかで仕組みから外れた成果を出せるようになった方がよいでしょう。

もちろん仕組みの上で、最低限の努力で安定したお給料が欲しい!という方は別ですが、今後仕組みもデジタル化される傾向があるので、そのリスクも理解した上で、歯車になる選択肢は検討した方がよいでしょう。

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※2022年7月31日追記

成果が出る仕組みのゼロイチが完了していないタイミングで仕組みを作ると負債になる

仕組み化は、基本的には「めちゃくちゃうまくいった、再現性のある施策を、誰でもそれなりにうまくいくようにする」ためにあります。

そのため、前提として再現性のある成功事例があることが前提になります。

よくやってしまうのが、その成功事例を言語化しないまま仕組みを回そうとしてしまうことです。これは避けましょう。

もしこれが持続する場合、まったく成果の出ない施策を働いている人全員にやってもらうことになるため、成果は出ないことももちろん、働く人も成果を出しづらいためモチベーションが落ちます。

仕組みを作る人は、成果がまだない状態では、まず仕組み化よりも先にゼロイチで成果を作ることを優先してください。

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