令和の時代こそ「フルタイムでハードワーク」しないときびしい理由
時代と逆行してかなり過激なタイトルによるのですが、以下の人は関係ないと思ってください。
年収300万円未満で、生涯やっていこうと思っている人。
親の遺産などで食っていける人。東京など地価が以上に高い地域に住んでおらず、固定費が少ない人。
身体的・精神的障害がある人
ライフイベントの優先順位で一時的に休職せざるを得ない人
なんらかの事情で働く必要がない人
それ以外の人向けに、個人的な見解について書いていきます。
書いているおまえは誰?
アラサーのおじさんです。
マーケター・プログラマーです。
既婚者子持ちです。昨年第一子生まれました。
家事・育児も妻と喧嘩にならないくらい程度にはちゃんとやっています。
先に結論
人生のどこかでハードワークを経験しないと、「人より機械の方が安い時代」において、そもそも「生活に余裕を産むための就業経験」すら得られなくなる
一時的にワークライフ、もしくは完全にライフな生活を送ることについては完全に同意(自分もそうだったため)
基本的に「ワークライフ尊重」ができるのは30歳前半で「生活の余裕を生むための就業経験」を経て、短時間でも成果を出せる人がやるべきもの。
前提:今年ぐらいから 「機械より人の方が安い時代」から「人より機械の方が安い時代」になった
つい前までは、業務を管理する人が、業務を自分のリソース以外に任せる時に、「プログラミングで実装する」より、「オペレーションを雑に用意して、クラウドソーシングに投げる」方が、安く済んだ。これが「機械より人が安い時代」
なので、「自動化する工数」 > 「雑にオペレーションを用意して、人に依頼する工数」という時代だった。なので、「自動化すれば原価もっと落とせるのになぁ。」と思っても、なかなかその業務を自動化するインセンティブがなかった。
ところが、ChatGPTをはじめとする、生成AIが生まれてから、「そもそもプログラミングで実装する」コストも、「オペレーションを雑に用意する」コストもほとんどなく、24時間AIが働いてくれるようになった。頭に思い浮べたら、24時間以内に実装が完了する時代になった。
このように、「オペレーションを作る」「人を指示する」「人の成果物をチェックする」コストより、圧倒的に「生成AIに指示して実装してもらう」方が安い時代に来てしまった。
その結果、業務を管理する人が、ほぼ指示するだけで、納品が終わるようになってしまった結果、人に任せるインセンティブが少なくなった。
前提: ジュニアに回す「がくしゅうそうち」的な仕事がジュニアではなく、AIに回るようになった
上の話にも通ずるが、要は「業務経験が少ない人に、マニュアル通りの定型的なお仕事」を発注し、確認し、管理するコストを、AIは全て1円未満で完了してくれるようになった。(しかも納期遅れたりしないし、24時間働ける)
なので、仕事のうち、「ささっと手を動かせばOK」みたいな仕事は指示する工数など含めると馬鹿にならないので、ほとんどAIに任せるようになった。
開発の例)
今まで、ソースコードに雑にコメントを書いて、仕事をアサインしていたが、Github Copilotによってコメントから8割ぐらいの成果物出してくれるようになったので、ジュニアにアサインする前に、PRが完成してしまう
そうすると、残っている仕事はより上流の「戦略」や「人の管理」などが残るようになった。
しかし、上記の上流経験を積むためには、AIに任せているような仕事を一通り経験しないとできるようにならない。
よって、ジュニアが成長する機械が、AIによって減った。
前提: フルコミット・オフィス勤務の人の価値が爆上がりした
上記のように「人よりも機械の方が安い時代」において、中間管理職の役割も変わってきた。
今までは、「課題を分析し、TODOに落とし込んで、実装できるレベルに落とし込み、チームにアサインし、進捗管理し、ジュニアを育成し…」という状態だった。
これは、今まで「機械より人の方が安い」時代だったから、経済合理性があった。
ところが、「人よりも機械の方が安い時代」において、中間管理職は人に仕事を振らずに、AIに仕事を触ればOKになった
例えば開発であれば、要件定義して、docstringに仕様を書いて、単体テスト書いて、パスすることをチェックすればOKになった
人の育成や管理コストは、1人の人間に対してかなりリソースの制限がある(例えばメンタルの管理、one on oneなどの必要性)が、AIの場合、人にかけていた今までのこういう人的コストがほとんどないので、一人の中間管理職にたいして体感3倍くらいパフォーマンスを出せるようになった。
また、ビジネスの要件など変わりゆくなかで、特定の業務を切り出されたものを実行する人と違って、要件を把握しないといけない場合、日々リアルタイムで業務を確認し、コミュニケーションが取れたりする方が圧倒的に成果が出しやすい。
リモートの人間に仕事を分割している工数で、自分たちで要件定義して実装した方が圧倒的に速くなってしまった。
つまり、超優秀で、マネジメントや設計ができるような人が1人いる方が、何人もジュニアを雇って採用するよりも、生産性が上がるようになってしまった。
前提: 令和的な働き方によって「がくしゅうそうち」を放棄する若者が増えた
このように、「簡単に経験が得づらい社会」にあるのにもかかわらず、ポストコロナでも「リモートワーク」「週3-4稼働」「フルフレックス」など、働き方の自由が声高く主張されている
特に2019年ころに就職した世代は、リモートが前提になっている世の中なので、一度甘い蜜を吸ってしまうと、そう簡単にはハードワークできない状態になってしまった。日本企業の臨時ボーナスである「リモート勤務」という麻薬に毒されてしまった。
しかしこれは、逆にいうと「AIに仕事を奪われやすい」、いやもっと厳密にいうと、「成長の機械をAIに取られやすい」環境に、無自覚に置かれるようになっているジュニアが増えた。
じゃあ偉そうに言うけどお前はどう思ってるの?
一生ハードワークはする必要はないと思ってる。
でも、その一生のうち、「どの時点で余裕のある生活を得たいのか?」はちゃんと計画しないといけないと思っている。本当に余裕のある生活をしたいのであれば。その余裕のある生活を得るために、一つの手段としてハードワークは必要だと思う。
もちろん、他にも「石油王と結婚する」とか、「賭博でラッキー狙う」とか、「出費を極力減らして資産を運用する」とか、「体をうる」とか「人に奢られてて生計を立てる」とか、あとブラックなやつだと「特殊詐欺する」とか「臓器売買する」とかいろいろあるけど、一番リスクが少なくて実現性が高くてプライド的にもやりやすいのは30代前半までのハードワークかな。(違ったらすいません)
そもそも「余裕のある生活」を希望していない人は、今から毎日ネットフリックス三昧で、健康で文化的な生活を送ればいいと思う。
あと、「余裕のある生活」を送るのがそもそもハードワークしたところで難しい人も同様。
20代前半で余裕のある生活してもいいと思うけど、30代前半で「経験を積む仕事」というのは、「機械の方が安い時代」になかなか得づらい。非常にコスパが悪い働き方になる。
あと30代になると、先輩のおっさんおばはんが話してよくわからなかった「結婚」・「子育て」・「介護」みたいなものが、超リアルな現実として目の前に現れて、そのタイミングでキャリアも一緒に考えることになる。その時に気づいてもなかなか不可逆。その時までちゃんと計算して、20代でゆるふわリモートワークをやっているのか?というのは考慮した上で人生設計したほうがいい気がしている。いつか親は死ぬ。いつか3日飲み歩いていても大丈夫だったのに、知らん間に体力も落ちる。
「生活に余裕を産むための就業経験」は、昔以上に誰にとっても等しく保証されるものではなくなること、これに自覚的になる必要があるなとは思う。
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