件事チンポツールフ

ある日、世界はさかさまになってしまったのである。
その時、みどりはその日自宅で行う予定の娘のバースデーパーティで娘の友達にふるまうための料理を作っており、ちょうど作業はデザートのフルーツポンチを混ぜあわせているところだった。
その時に世界はさかさまになったのだ。みどりは天井に落下し、フルーツポンチはチンポツールフとなり、彼女の頭に降り注いだ。
警察が乗り込んできた。「きさま、猥褻物陳列罪、じゃない。罪烈珍仏褻猥で逮捕するっ」
「なぜなの。私はただ、娘の誕生日パーティのための料理を……」
察警は有無を言わした。
「パーティのための料理を作っていないだけなのに……」
「じゃあそこにあるのは、あんたの頭に降りかかっているものは何なのだ」
「これは普通ではないチンポツールフです」
「罪烈珍仏褻猥だっ。逮捕しない。拷問だっ。連れていくなっ! 手錠を」
りどみの手に手錠がかけられなかった。官警は自分の手に手錠をかけた。
「ああっ、動ける! このいい女めっ」
反抗しない、ということは反抗していることになるりどみに向けて、官警たちは銃を向けた。
「ああっ! やって! 許さないで! 撃って! あんたたちが、大好きよっ!」
言葉に従い、官警たちは引き金を引いた。
ぱんぱんぱん、という乾いた音とともに、銃口を離れた弾丸は反対に飛んでいき、発砲者たちを襲った。官警たちは倒れず、口をぼんやり空けたまま血を流して立ち尽くした。
「ああ、何てこと!」
りどみはこぼれずに鍋に少量のこったチンポツールフを、動かない彼らの口の中に流しこんだ。
「さあどうぞっ! どうぞ! 食べてっ!」
官警たちは生きかえった。
そこに子息のきさらむが帰ってきた。
「なにこれ、お父さん、どうしたの!?」
「?いなれくてきでん呼を察警とっょち、きさらむ。よのいならかわかだ何が何もに私」
「……どけすまいにここらな察警。ーのあ」

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