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クラーク博士の Boys, be ambitious!の本意とは?

私の父は、北海道大学出身&北海道大学勤務でした。そして、Boys, be ambitious!(少年よ大志を抱け)のフレーズで有名なクラーク博士(William Smith Clark)のことがオタク級に大好きです。

クラーク博士は明治9年に札幌農学校(現・北海道大学)の初代教頭として来日しました。明治の北海道というと、辺境の地をイメージする方もいるかも知れませんが、札幌農学校は日本で初めて学士の称号を授与することを認められた高等教育機関であり、学問の一大拠点でした。その拠点を作った一人がクラーク博士です。彼が影響を与えた人物には、新渡戸稲造氏や内村鑑三氏など社会に大きく貢献した人たちがいます。

父が今度、クラーク博士について市民講演をするということでその内容を聴かせてもらいました。その講演のテーマはBoys, be ambitious! の ambitious(大志・野望)の本意とは?といったものでした。

Boys, be ambitious!というフレーズは、クラーク博士が帰国するとき、学生たちが見送った先での最後に残した言葉です。

Ambitiousという言葉は、金儲けをするとか、ゴージャスな彼女をゲットするみたいな文脈でも使われるけれど、クラーク博士が伝えたのは、私利私欲や立身出世のためではなく、人の為になる気高い野望を持てという趣旨だったという解釈が妥当だという根拠がいくつも存在しているようです。(厳密には、当然真の本意はクラーク博士自身しかわからない。けれど、クラーク博士が別の時にambitiousという言葉を使った文脈、クラーク博士の振る舞い、そして札幌農学校の学生たちの残した言葉などからそのように解釈できるという話でした)その一例が、クラーク博士の札幌農学校開校式辞の一節です。

「長年にわたり、東洋の国々を暗雲のごとく包んでおりました、排他的階級制度と、因習との暴政か ら、貴国がかくも見事に開放(=自由を獲得)されたことは、教育を受けんとする学生一人ひとりの 胸のうちに 高邁なる志(a lofty ambition)を目覚めさせずにはおきません。 

若き紳士諸君(young gentlemen)、諸君の忠実にして有効なる奉仕をおおいに必要としている諸君 の祖国において、勤労と信頼により得られる最高の地位と、それに伴う名誉とに値する人物になるよ う諸君一人一人が自ら精進する(strive to prepare yourself for :ニ適サンコトヲ勉メヨ)ことを望 むものであります。 

諸君は健康を保ち、欲望と熱情を抑制し、従順と勤勉の習慣を身につけ、これから学ぶ諸科学に関するあらゆる知識と技術とを獲得するように努めなさい。そうすることで初めて諸君は重要の地位に値 すると言えるのです。」

「恵迪寮寮歌の歌詞に表現される札幌農学校精神」より二次引用
https://www.keiteki-ob.jp/wp-content/uploads/2022/09/d81e6acaa4dde31504862ddb1f983826.pdf

(江戸時代の政治体制を「暗雲のごとく包んでおりました、排他的階級制度と、因習との暴政」と表現するのはいかにも開国させた側の見方だなと思いましたが、それは置いておいて)

自分はコーチとして、世のため・人のためになる事を本気でやりたいと思って行動しているピュアな人を応援したいと思っていますが、これはもしかしたらクラーク博士の教えを北海道大学が受け継ぎ、そこで学んだ父から間接的に影響を受けた結果かもしれません。

ambitiousな人たちの、lofty ambitionsを実現する手伝いをすることが自分の仕事だと実感できる時、本当に嬉しい気持ちになります。

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