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【ワークシートの紹介】がんばる理由とがんばれない理由、自分で確かめよう

モチベーションってなんだろう?

今日はモチベーションについて解説します。
モチベーションとは、誰かがどこからか持ってきた宣言のことではありません。うその理由をつけて活動に取り組んではいけません。本当のモチベーションは自分の行動を支えてくれて、いつもそこからふと意欲が出て来ては自分を後押ししてくれるようなものです。自分でも気づかないうちに作用しているかもしれません。
表面上は責任感が支えになっていたり、自分で立てた目標が支えになっていたりすることもあるでしょうが、心の深い所では誰かにほめてもらいたくてがんばっている人もいるかもしれません。または、楽しいからがんばれるという態度を見せていても、実際は負けず嫌いの性格が発動していて、ライバルの存在が張り合いになっているからがんばれる人もいるかもしれません。

がんばれなくなる時期

新年度が始まったこの時期、仕事や学校がつらくなってきたという人がさっそく相談に来ています。毎年のことなので、相談に乗る私(鈴木)のほうはその対応に慣れているのですが、本人たちは苦しいはずです。
そのような人は、もしかしてがんばる理由が見当たらなくなってしまった可能性があります。最初はそれがあったのに途中からなくなってしまった人もいますし、元からそのような理由などなかったと言う人もいます。
残念ながら、続けたい理由がなくなってしまうと、それまでモチベーションとして作用していた理由が、今度は「続けなければならないプレッシャー」に変わり、習慣と忍耐だけで何かを続けなければならなくなります。
社会人であればだんだん仕事に行けなくなり、そのまま退職してしまう人もいます。高校生であれば欠席が続き、年度の中盤に退学になってしまう人も出てくるでしょう。大学生は一定期間休学した後に退学した人を何度も見てきました。小中学生の場合、学校に行き続ける子と、学校に行かなくなる子に分かれますが、いずれの場合もプレッシャーで精神的に疲れやすくなってしまうかもしれません。
自分でモチベーションを設定できず、周囲もそれをうまく助けてあげられない状態が続くようだと、環境を変えても根本的にはあまり変わりません。たまたまうまくいって喜ぶか、やっぱりうまういかずに引き下がるか、という捉え方になりがちで、いずれ自分の目標を設定し直す時期が来るでしょう。
「正しい期待」の記事でもそのことは書きましたが、誰かに生き方を教わる必要があります。単に「強い人」「弱い人」などとレッテルを張られないよう、がんばり方やかわし方、休み方や続け方などについて習得していく機会を持ちましょう。

どうしてがんばれたの?

どうしてがんばれなくなったのかと尋ねても、本人や家族からははっきりとした回答が返ってこないケースが目立ちます。そんな時は、逆に「どうして今までがんばってこれたの?」と尋ねるようにしています。
これもまた、うまく答えられないことが多いのですが、少なくとも、本人が過去を真剣に振り返る機会にはなりますから、この言葉から自分の支えが何なのかを突き止めていけると良いでしょう。

※私の関わる人(子)で多い回答は以下のとおりです。
・家族に言われてがんばり始めたので、自分の意欲は特にないまま来てしまった。
・最初は楽しかったが、その後は特に理由もなくがんばっていた。
・将来なりたい職業をそのまま「夢」として語りつづけ、見直さずにいた。
・みんなと同じようにやっていただけで、特に目標は作らなかった。
・がんばっていることを評価してもらえず、なんだか虚しくなってきた。

周囲の人は、彼らが「がんばってこれた理由」を突き止め、そこにヒントを見出してあげてください。
数十年前とは異なり、対価や競争心だけがモチベーションの中心に置かれた時代は過ぎ去り、「誰かのためにがんばりたい」「誰かが喜ぶからがんばれる」という意識が支えになる子どもや大人が増えてきたことに注意を払いましょう。
「対価」や「勝敗」ならだれの目にも明らかで、一緒に喜んだり残念がったりすることができますが、「誰かの喜び」は目に見えづらく、本人の手応えになりづらいのです。
繊細な彼らが失望しないよう、周囲は「当たり前の日常」を喜び、感謝し合うことです。無意味な人生にならないよう、いかに日常が貴重であったかを皆で言葉にしましょう。すると、不思議と明日の面倒を上手に乗り越える力を身につけられるかもしれません。

「どうして今日までがんばってこれたのか?」

誰もがこの言葉で自問自答したり皆で確認し合ったりすれば、うまくいきますよ!

「がんばり始めた理由」と「がんばり続ける理由」

自分のがんばれる理由を自覚できていれば、それを自身に突きつけたり、周囲に示したりして自分を磨いていくことができます。
がんばる理由は時期とともに変化しますから、モチベーションがどのように変化していくかを自分でチェックすると良いでしょう。最初は楽しくてやり始めたことでも、ライバルに負けたくないというモチベーションに変わり、最後には誰かを喜ばせたいという動機に変わっていくかもしれません。
自分をその行動に突き動かすものは何か。これを自覚しているかどうかで人生設計に大きく影響しますから、ぜひセルフチェックしてみて下さい。

※前回同様、高校生向けのチェックシートをアップしておきます。
言葉を少し変えれば小中学生から社会人まで、どなたでも活用できます。
自己チェック、家族会議、学校でのグループワークなどで、気軽にお使いください。

(今回もWord版とPDF版の両方を上げておきますので、必要に応じてワードのほうで使いやすいように編集してください)

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