Andy,応答せよ

「やあ、andy!そっちはどうだい?こっちは雨だよ!」

そんなメールを送った君はまた純血混血と繰り返す君のバタフライナイフ。鈴木清順のようなスタイルで君は美学を大人たちから切れ切れになるまで守る。そして君は君は痛さと歯痒さと才能を洪水のように溢れさせながらルート33通りを風切り走る。知らないな。知った方がいいよ。言葉は詩になるから。ジャックケルアックで遊ぼう。ビート。ヒント。朝起きて、andyがいないのに気づいた。ボブ・ディランのレコードがなくなっていたから。きっとandyが盗んだんだろう。ドーナツトークの後でandyの元カノとセックスした。ほろ酔いで酔い潰れた君を殴って。ね。お願い。レオスカラックスのサインが書かれたレオスカラックスの研究書。なあ、andy!無視しないで。できるだけそばにいて。逃げないで。追わないで。卒業式、君は君の名前を泣き叫びながら、悔いはないと誓っていた。andy、andy、ザ・ソフトマシーン。壁の向こうに君の名前が刻まれたまた壁がある。無色透明な。その壁。素晴らしい日々なら、満月の夜ならば、この胸なら抱きしめて、君だけにつ・た・え・た・い。andy!andy!とてつもない速さで毎日は過ぎ去るからカタカナと横文字が好きな君の真似をして小説を書くのはやめるから。ランプの文字からお化けを作れ! ベリーキュートなandy! andy! andy! 

「andy!今日は映画に行くよ。渋谷でジョンフォードの特集上映があるんだ」

前のメールに返信がないからまた送ってみたよ。andy…ね、andy。今日、渋谷にいるからもし時間ができたらいつものあの映画館で会おう。そういえば支配人がニコに似ていて美人だったね。大学の授業なんて馬鹿らしくて喫茶店で女の子と話している方がどれくらいためになるか。そうだろう。andy。君がそう言ってたよ。フランス語で君に自己紹介したい。中央線のandy。いつか作家になったらandyのために小説を書くよ。その時は君がひどくネタ切れで追い詰められていると思って。未来はね、案外そばにあるのね。andy…応答せよ。andy、傷つく前に僕を少しだけ嫌いになってね。虹のように。



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