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今年見る映画 https://boxd.it/eEnZe

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マガジン

  • 映画への恋文

    好きな映画監督、好きな作品についての愛を垂れ流します。 時々テーマに沿ってオススメもしちゃおうかしら。

  • 紀行文

    日本語に触れなきゃやってらんね

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    小説です

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固定された記事

愛縁歌

Ⅰ風に吹かれながら揺れる白い花が見える。 あんなに強く吹かれて抜けないのだろうか。 荷物を下ろしコートを椅子に掛けてから、僕は思った。 家から一番近いこの喫茶店…

d__jiro
3年前
19

神様の街

先日「依存症と人類」という本を読み終わった。とにかく分厚い単行本で(実際読めるところは350pくらいだけど)なんだかんだ読み終わるのに1ヶ月くらいかかってしまった。 …

d__jiro
1か月前
4

嫌いなもの

焦った時に仕事ができなくなる人、途中から入ってきて話をややこしくする人、すぐ早とちりする人。みんな嫌いだ。 中高大とずっと寮にいたからか無意識に人に気を使う。相…

d__jiro
1か月前
4

堆肥臭えんだよ

父親から定期的に手紙が来る。こんなことやあんなことがあって…みたいな近況報告から始まり、最後は「最近知り合いで亡くなる人が多いから、いつまでも生きてられると思わ…

d__jiro
2か月前
5

ご年

今年の初めに五年日記を買った。去年も数回買おうか迷った時期はあったが重い腰が上がらず断念。本屋に併設されてた文房具屋に行った時良い具合の分厚い日記があったので、…

d__jiro
4か月前
5

哀れなる現実主義者たち

ランティモスの新作を見た エログロ満載で相変わらずタブーに触れまくる彼の世界観に浸った 自分は現実主義が好きだ もっと言えば作品の中に意図しなかった形で入ってくる…

d__jiro
4か月前
6

ナルシストな凡人よ手を動かし続けなさい

音楽作ってる時、特にミキシングしてる時、「少しでも良い曲を作りたい」って気持ちより「自分たちのポテンシャルの100パーを聴いてもらいたい」みたいな気持ちの方が大き…

d__jiro
5か月前
7

いつから

人はいつから自分の生き方に制限を設けるようになるんだろう やらなきゃいけないことなんて何一つないのに

d__jiro
7か月前
3

承認欲求の塊 僕はそうだ 音楽を作っている ただ「凄いね」って言われるために ほんとにただそのために作ってる 詳しい理由は色々言えるかも 音が合った時気持ちい 上手…

d__jiro
7か月前
3

8 1/2

8 1/2を観た。 今このタイミングで観たのには大きな意味があるのではと思うほど、素晴らしい映画だった。 最近、職場の人、友達、家族。誰かと話してる時に、「こいつ何言…

d__jiro
8か月前
3

最近

可視光調光レンズの眼鏡を買った。どうやら思ってた以上に感度が良いみたいで、雨の日でもやんちゃなお兄さんになってしまう。仕事につけていくつもりだったけど、少し考え…

d__jiro
9か月前
5

やみつき

何時間もパソコンに向き合ったのに何も生めないことがよくある。作っては消してを繰り返して結局何も残らないみたいな。これだったら別のことすればよかったなみたいに後か…

d__jiro
1年前
3

1ヶ月半

北海道に来て1ヶ月半が経過した。もう少しかも。 毎日思わずにんまりしてしまうような絶景を見ながらドライブして、自分はここに来てよかったのかなぁと考える。多分違う…

d__jiro
1年前
6

コンペイ党宣言

岡本太郎の本『私の現代芸術』に「コンペイ党宣言」という章がある。 丸くなるな。金平糖のように尖り続けろ。そんな彼の人生論が綴られている。 人は誰でも大人になるに…

d__jiro
1年前
8

写真について

3月31日までに投稿すれば○ヶ月連続! noteからの必死の訴えを横目に過ごしているとあっという間にもう4月。 別に連続が続いてたわけではないけど、また振り出しに戻ったと…

d__jiro
1年前
7

孤独を手放さないで

映画にこんなセリフが出てきた。 大好きな言い回し方だなぁとしみじみ。 孤独を知る人は強いなんてよく耳にするが、その意味は未だによくわからない。 辛い過去を経験した…

d__jiro
1年前
8
愛縁歌

愛縁歌

Ⅰ風に吹かれながら揺れる白い花が見える。

あんなに強く吹かれて抜けないのだろうか。
荷物を下ろしコートを椅子に掛けてから、僕は思った。

家から一番近いこの喫茶店にはよく足を運ぶ。静かで落ち着いていて、椅子の座り心地が良いこの店は、牛乳瓶の底の様なレンズの眼鏡をかけたお爺さんが大抵一人で切り盛りしており、時々彼の娘であろう気さくな女性が店を手伝っている。
店内は暖色に包まれたとても素敵な空間だが

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神様の街

神様の街

先日「依存症と人類」という本を読み終わった。とにかく分厚い単行本で(実際読めるところは350pくらいだけど)なんだかんだ読み終わるのに1ヶ月くらいかかってしまった。
主にアメリカ、あと17〜18世紀くらいのヨーロッパを中心に、人間と嗜好品の付き合い方の歴史が記されてる。それに並行して、実際極度のアルコール&薬物依存症だった著者の回復までの記録も描かれる(こっちの方が面白い)。
大麻、オピオイド(コ

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嫌いなもの

焦った時に仕事ができなくなる人、途中から入ってきて話をややこしくする人、すぐ早とちりする人。みんな嫌いだ。

中高大とずっと寮にいたからか無意識に人に気を使う。相手が口にしてないことを汲み取ったり、周りの空気感を察知して動いたり。そういうのが完全に体に染み付いてる。だからなのか、そういうことができない人(人で決めつけたら申し訳ないからそういう場面と言おうか)に遭遇した時に、たとえ自分に関係なくても

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堆肥臭えんだよ

堆肥臭えんだよ

父親から定期的に手紙が来る。こんなことやあんなことがあって…みたいな近況報告から始まり、最後は「最近知り合いで亡くなる人が多いから、いつまでも生きてられると思わず楽しもう」みたいな感じで締まるのがお決まりの形だ。毎度なかなか長文で(父はワードで手紙を書く)来るので、朝仕事に行く前のちょうど良い読み物になってる。この前は写真も貼ってあってなんだかほっこり。
突然返信とかしたら面白いかなと思って、1月

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ご年

ご年

今年の初めに五年日記を買った。去年も数回買おうか迷った時期はあったが重い腰が上がらず断念。本屋に併設されてた文房具屋に行った時良い具合の分厚い日記があったので、そのタイミングで買った。どうやら僕は分厚いものに弱いみたいだ。

日記は案外続いている。数日酔っ払っていたせいで忘れたけど、その次の昼に「忘れた」と書き空白だけは埋めている。日記を書く前は、別に書くほどのことは毎日起きないだろうなんて思って

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哀れなる現実主義者たち

哀れなる現実主義者たち

ランティモスの新作を見た
エログロ満載で相変わらずタブーに触れまくる彼の世界観に浸った

自分は現実主義が好きだ
もっと言えば作品の中に意図しなかった形で入ってくる現実が好きだ
若干のノイズだったりカメラの影だったり、そういうのが作品に入ってる方が愛着が湧く

映画、音楽のトレンドも直近数年はそんな感じだったのかなと思う(多分僕がそのトレンドに流れてるだけ)
ハイクオリティすぎてはダメで、なんとな

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ナルシストな凡人よ手を動かし続けなさい

ナルシストな凡人よ手を動かし続けなさい

音楽作ってる時、特にミキシングしてる時、「少しでも良い曲を作りたい」って気持ちより「自分たちのポテンシャルの100パーを聴いてもらいたい」みたいな気持ちの方が大きい。

曲を出すたびに(去年は全然出せなかったけど)、まだまだこれは本気じゃないんで…!みたいな気持ちがあって、それって相当なナルシシズムでほんと自信過剰だなと感じる。

デモを作れば作るほど、もっと良いのが絶対できる…と自分をディスりつ

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いつから

いつから

人はいつから自分の生き方に制限を設けるようになるんだろう

やらなきゃいけないことなんて何一つないのに

塊

承認欲求の塊
僕はそうだ

音楽を作っている
ただ「凄いね」って言われるために
ほんとにただそのために作ってる

詳しい理由は色々言えるかも
音が合った時気持ちい
上手くいったミックスを聴いて欲しい
案外良い感じに歌えた
とかとか

でも結局は「凄いじゃん!」って言ってほしくて
だから何時間もプラグインと睨めっこする

頑張ってところで数人しか聞いてくれないかもけど
友達の友達の友達が聞いてくれる

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8 1/2

8 1/2

8 1/2を観た。
今このタイミングで観たのには大きな意味があるのではと思うほど、素晴らしい映画だった。

最近、職場の人、友達、家族。誰かと話してる時に、「こいつ何言ってんだ?」って自分自身に対して思うことがよくある。なんというか、意識はふわふわ宙に浮いてて、口だけ動いてる感じ。別に適当に嘘を並べてるわけではないんだけど、会話が終わって振り返った時に、なんか自分の思ってることと違うこと言っちゃっ

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最近

最近

可視光調光レンズの眼鏡を買った。どうやら思ってた以上に感度が良いみたいで、雨の日でもやんちゃなお兄さんになってしまう。仕事につけていくつもりだったけど、少し考えよう。

南極料理人を見た。良かった。ご飯を食べるときの人間は潔い。どんなに悪い人も、ご飯を食べる時は目の前のことしか考えてないのかと思うと人間全員可愛く見える。

ご飯を作ると幸せな物質が脳に広がるらしい。その物質が何かは知らないけど。イ

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やみつき

やみつき

何時間もパソコンに向き合ったのに何も生めないことがよくある。作っては消してを繰り返して結局何も残らないみたいな。これだったら別のことすればよかったなみたいに後から思う。

好きなアーティストがインタビューで「最初は作りたいものが全く作れなくて辛かったけど、段々と理想に近づけるようになるとそれにやみつきになる」って言ってた。成功者のありきたりなセリフだと思う反面、自分も早くそのやみつきのフェーズに行

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1ヶ月半

1ヶ月半

北海道に来て1ヶ月半が経過した。もう少しかも。

毎日思わずにんまりしてしまうような絶景を見ながらドライブして、自分はここに来てよかったのかなぁと考える。多分違う生活をしてても同じようなことを考えてただろう。

全く知らない土地に行って段々と地域の人と仲良くなる過程は結構好きだ。人脈の広がりはもちろん、徐々に確立してくルーティーンも好き。火曜と金曜に銭湯に行ってコーラを飲み、日曜に大きいスーパーで

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コンペイ党宣言

コンペイ党宣言

岡本太郎の本『私の現代芸術』に「コンペイ党宣言」という章がある。
丸くなるな。金平糖のように尖り続けろ。そんな彼の人生論が綴られている。

人は誰でも大人になるにつれて物事の要領を掴み始める。
日常生活の動作一つにしても、職場の人との会話にしても、なんとなくうまい具合の返しだったり、アクションを学ぶ。岡本太郎ほどの奇才であってしても、彼の本業である絵画においてその要領の良さは出てしまうらしい。筆の

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写真について

写真について

3月31日までに投稿すれば○ヶ月連続!
noteからの必死の訴えを横目に過ごしているとあっという間にもう4月。
別に連続が続いてたわけではないけど、また振り出しに戻ったと思うと少し悲しい。

3月はなんだか流れの速い川のように、なんなら奔流、いや滝のように過ぎ去っていった。押し寄せる酒の波に飲まれぬよう、二本足で踏ん張っていた毎日。少々飲み食いをしすぎたせいか、体重が新たな階級へと上がってしまった

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孤独を手放さないで

孤独を手放さないで

映画にこんなセリフが出てきた。
大好きな言い回し方だなぁとしみじみ。

孤独を知る人は強いなんてよく耳にするが、その意味は未だによくわからない。
辛い過去を経験した人とか、人に言えない何かがある人とか、そんな人たちが所謂一般人より強いってことなのか。それなら所謂一般的な家庭で、そして環境で育った自分は当てはまらないのかもなんて失礼な事を勝手に考えたりしてしまう。

最近、ここ数ヶ月ほどか、自分が肯

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