食べましたけども


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焼きあごラーメン たかはし上野店さんの夏季限定「しじみ貝の冷たい昆布水つけ麺」と「明太しらす丼」。ラーメンには造形の深いオタク絡みでのお知り合いが(開発的に)作ったってことで、気にはなってはいたものの自粛生活と時間のズレがありなかなか行く機会がなかったが最終日にやっと。

ひとまずの感想は「美味しい」。最終的には「足し算と引き算のしっかり出来たつけ麺」ってところか。

しっかりしじみと煮干しの出汁が取れている。貝の旨味や香りも出ている。しかし殻から出るクドさも少し感じるがこの辺りは個人差だろう。つけ汁のしょっぱさもあった。ここからが加減算の本領発揮だ。味の濃さは麺を持ち上げると絡みつく昆布水が和らげていき、クドさには柚子や白髪葱、三つ葉やピンクペッパーが渾然と立ち向かい、よいバランスをとっている。ピンクペッパーに至ってはホールなので噛んだ時の飛び道具感は良かった。そして食べ進めていくと昆布水とつけ汁の割合が変わっていきちょうど良くなってくる。まさに足し算と引き算。冷やした麺の噛みごたえと優しさを湛えはじめるスープの心地よさが夏の暑さを和らげてくれる、そんなラーメンだった。

店舗で勧めている食べ方として麺を食べたあとの明太しらす丼との出汁茶漬けを推奨していたのでこちらも。

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正直ありきたりな取り合わせの丼モノ。明太子は外しても良かったかな。塩分が一気に戻ってしまうのと淡くなったスープとしらす、香り付け程度の薬味が全て吹き飛んでしまうのが勿体なかった。最後の着地点を淡くいくならってところだけど固定のメニューだから仕方ないところか。テーブルに海苔の混ざったぶぶあられ、わさびなどがあったのでこちらを添えて食べ進める。ワサビは粗めに擦った辛味強め味も強め香り控えめなもの。ワサビ巻きに入れられると思ったレベルなので多量に使うとこちらも全てをひっくり返すものになるものだった。

正攻法は明太子を先に食べる、ワサビは思うより少なめといったところか。


閑話休題。筆者はつけ麺が正直あまり好きでは無い。食べるけど。

というのはつけ麺によくあるこれ見よがしの使いすぎた魚粉が好ましくないのだ。割りスープを前提としたつけ汁の味は濃い、魚粉の味が単騎逃げの競走馬の如く前に出てくるファーストインパクト、食べ進めていくとひたすらぬるくなるつけ汁、ゴムのように太くて硬い麺を食べごたえという風潮。それらがジャンク感を醸し出しているのに値段の割り合わなさ。全てが筆者からつけ麺を拒否させた。食べるけども。よく名前を聞く店、有名な店、紹介される店どこへ行っても。

そんな俺が今回のようなつけ麺だったら食べてもいいかな、と思ったので壁を壊したことに賛辞を送りたいつけ麺だった。

俺ならつけ汁の濃さをもう少し薄く仕上げて、薬味としてのかんずりを少量(柚子胡椒でも)添える。丼モノの明太子を別添え、板海苔は塊のアオサ海苔にして完成とするかな。

長々と書いたが「おいしかった」。

そんなこんなで閑話休題のノート。

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