見出し画像

音楽の原風景 〜その3〜

さて、だいじ少年の学生生活を音楽を通して垣間見て来たが恋愛関係の方は?というとイマイチで、いい塩梅にはなるものの決定打が出ず鳴かず飛ばずの毎日を送っていた。しかし恋愛感情というものは起きるものだったが少し曲がっていたように感じる。というのもいい感じに進んでいた修学旅行前日、とある事件(生徒会長の校舎からのダイビング)により修学旅行が一年先延ばしになり、うまくいっていたはずのことが今考えると些細なことで頓挫してしまったのだ。そして修学旅行が改めて敢行される際には関係や感情なんてものは霧散していたのだった。

高3ともなると大学受験への勉強も始まる。ありがたいことにその学年から予備校に通わせてもらっていたものの、帰りは夜遅く、それに伴い就寝時間、起床時間、登校時間も遅くなり(毎日遅刻、ア/ル/コー◯臭を撒き散らしながら教壇に一番前の席に座り居眠りしてはいるものの定期テストでクラス1を取り続ける始末)、生活リズムがズレていったのだった。

そこで出会ったのがアイドルグループ『Mission』である。水曜の深夜に放送されていた「芸能女学館」というアイドル養成番組にまんまとハマり、その番組が輩出したそのグループに熱を上げていく。女優の国仲涼子さんや世界ふしぎ発見のミステリーハンター坂本三佳さんを輩出した番組というと少しは聞こえが良いだろうか。話が飛んだがその当時はメンバーの折田みゆきさんが好きで好きでしょうがなかった。完全にクラスメイトに目を向けることも無かった俺は、青春一大イベントとも言える文化祭をもすっ飛ばして新宿の南口へ握手会に走ったものだった。

画像1

おそらく、いや確実に人生で同じCDを買ったのはMissionが初めてだった。(去年だか一昨年だか話がわかる人がいて少しCDを譲ったが現在もまだこれだけある)

画像2

人生を振り返るに於いて、アイドルとの初接触はMissionであり、未だに折田みゆきさんの写真集にはサインが入ったものを今でも大切に保存している。

そんな少年は受験勉強に明け暮れながらも水曜は芸能女学館、土曜日にはFM FUJIで放送されていたラジオ「ジャングルパラダイス」を見たり聴いたりする生活を送っていた。世はモーニング娘。やSPEEDが隆盛を誇り、J-POPはと言うと小室サウンドが席巻していたように思える。そんな中深夜番組から出てきたアイドルグループを見ていたのだった。しかし色々な事情があったようでMissionはアルバムを発売することなく自然消滅を迎え、それと時を同じくして大学生となっていくのだった。

もちろん、Missionがアルバムを残していたらそれをここで枚挙するはずだったが敢えてここではD&Dの『LOVE IS A MELODY 〜D&D memorial 1st〜』を挙げようと思う。

画像3

後に前述した折田みゆきさんとHipp’sというユニットを組むことになる(夜もヒッパレという土曜に日テレでやっていた音楽番組でフィーチャーされるもののまたも自然消滅)AyaとChikano、そしてソロで大化けする実力派シンガー(しかも可愛い)Oliviaを擁するガールズユニットである。こちらもMissionと同じく数奇な運命を辿るグループだが、当時のガールズポップを聴くにあたり、この二つのグループが一番耳馴染みが良かった。Missionは幅広い音楽性を持っていたが、D&Dは徹頭徹尾ユーロビートと言った感じだった。若干カタコトに聞こえるOliviaのヴォーカルは情熱的で印象深く、機械的なリズムパターンは当時の俺になぜか魅力的で、楽曲もとてもキャッチーに聞こえた。時を同じくしてベースを持ち、リズムに執着を見せていた当時の少年にとってはいい勉強にもなり、このアルバムはCDケースの一端を担っていくことになる。こうしてX漬けの少年に少しずついろいろな音楽のエッセンスが刻み込まれていくのだった。

こうしてX、SOPHIAを中心とするヴィジュアル系にMissionとD&DのCDがひしめき合うケースを毎日持ち歩き、ウォークマンから流れてくる低音に耳を傾けながら青春時代は駆け抜けるだいじ少年は大学に進学する。




しかしMissionは勿体なかったなぁと今でも感じる。


【次回予告】

サークルの勧誘、そしてヘヴィメタルとの出会い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?