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2022年に組み立てた自作キーボードと携わったイベントについて

1. はじめに

この記事は、”2022年のキーボード #2 Advent Calendar 2022” 12月10日の記事です。12月9日はJunさんの”忘年会2022”でした。

この記事では、2022年における自作キーボードを中心とした私の大きな取り組み二つを紹介します。

まず一つ目は、私が2022年に組み立てた自作キーボード21個を紹介します。
日本にはアイデアに富んだキーボード設計者が多くいて、作品が盛んに生まれてきます。幸せなことにそれらのキットの一部を私のYouTubeチャンネルにて紹介する機会を頂戴しました。私はキーボード設計者をリスペクトしており、彼らの作品がより多くの人たちに認知されることを支援したいと考えています。そこで2022年に私が組み立てた21個のキーボードの魅力と動画を紹介します。

二つ目です。2022年に”キー部”というKeyboard Meetupイベントを東京にて2回開催しました。このイベントの様子を私のYouTubeチャンネルにてLive配信を行いましたので、その件について紹介をします。

おまけとして三つ目に私のYouTubeチャンネルの2022年における状況にも触れます。

また、KBD.NEWS主催の"KBD.NEWS Advent Calendar 2022" から招待いただき、12月10日の記事と連動しています。よかったらそちらもアクセスしてみてくだださい!



2. 2022年に組み立てた自作キーボード

私が組み立てた合計21個の自作キーボードの魅力と動画を紹介します。

a. nowpad

  • カワイイ電卓スタイル
    どこかレトロな電卓の雰囲気を感じさせるフォルム。デスクををオシャレに演出してくれます。

  • 専用LEDディスプレイ
    専用LEDディスプレイは2種類あります。”7セグメントLED”は電卓を想起させる緑の8桁表示、”カラーLEDマトリクス”は8×16のエリアにLEDエフェクトやカスタマイズ可能なドット絵アニメーションの表示が可能です。

  • オシャレな時計表示
    ボタン電池を内蔵し時刻を記憶しているので、ケーブルレスで時刻を表示することができます。

Special thanks : A&N laboratory あんりある  Twitter / BOOTH

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b. ino

  • 一体型分割60%レイアウト
    一体型でありつつも左右に分割したレイアウトを採用しているため、タイピング時の肩の負担を軽減できます。

  • スクロールリング付きトラックボール
    Kensington製のスクロールリング付きトラックボールを採用し、親指部分にはマウスボタンがケースに内臓されています。トラックボールとキーボードをスムーズに行き来できます。

  • 最下行用のオリジナルのキーキャップ
    最下行にはChocスイッチを採用し、緩やかな傾斜をつけた3Dプリント製のオリジナルキーキャップを同梱。打鍵のしやすさへのこだわりを感じます。

Special thanks :  yakshaver     Twitter / BOOTH

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c. Radialex

  • 放射状キーレイアウト
    ホームポジションから最短距離で打鍵することを目指した放射状レイアウトを採用。指を自然に広げた先にキーが配置されている感覚になってくる不思議な魅力があり、特にYキー・Tキーへの運指が楽です。

  • ミニマルでクールなデザイン
    手前の親指エリアのキーがカーブを描きながら整列している美しいデザインを私は気に入っています。

  • シンボルキー
    キーボード中央に配置されたシンボルキーにはお気に入りのArtisanキーキャップを取り付けて楽しむことができます。キーボードの表情を決める重要な1キーです。

Special thanks :  takashicompany     Twitter / BOOTH / Yushakobo

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d. DogTag

  •  コンパクトレイアウト 
    9キーを備え、コンパクトかつユニークなマクロパッドです。

  • 2台接続が可能
    二つのDogTagをTRRSケーブルで接続することで分割型のマクロパッドとしても利用可能です。

  • ロータリーエンコーダやLEDの活用
    ロータリーエンコーダーや Underglow LEDが搭載可能で、小さいながらも楽しめる魅力を備えています。  

Special thanks :  takashicompany  Twitter / BOOTH / Yushakobo

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e. えむごっち

  •  6キーマクロパッド 
    6キーを備え、柔軟なカスタマイズ性を備えたワイヤレスマクロパッドとして活用できます。

  • M5StackCore2
    自作キーボードではまだ活用事例の少ないM5StackCore2をマイコンとして採用し、Bluetooth・タッチパネル機能付き液晶モニタ・バッテリー・スピーカー・Wifi機能等を備え豊富な拡張性を有しています。

  • キュートなデザイン
    たまごを想起させ、いつも身近に置いておきたくなる愛着のあるるキュートなデザインです。

Special thanks :  パレットシステム よっぴ Twitter / BOOTH / Yushakobo

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f. Nomu30

  • 究極のミニマリズム
    Nomu30は、ISOエンターキーを搭載した30%の自作キーボード。日常的に使う最小限のキー配列を追求したキーボード・ミニマリズムです。

  • 洗練されたデザイン
    キー数を30%に絞り、コンパクトかつ美しく洗練されたデザインです

  • ISO Enter
    少ないキー配列の中にISO Enterキーを取り入れ、Nomu30をより強烈なインパクトを残すデザインへと昇華させています。

Special thanks :  遊舎工房    Twitter / Yushakobo

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g. GL516

  •  GH60互換ケースを進化させたケース
    メジャーなGH60互換ケースはレイアウトの自由度や装飾できる柔軟性に乏しいです。その点を解消し、65%サイズのケースを新たに設計したのがGL516です。

  • 設計データのオープン化
    設計データのテンプレートをオープン化しているため、スイッチプレートやPCB等を自分自身で容易に設計し、GL516に搭載することが可能です。これにより多くのユーザが多様なアイデアをもとにGL516互換キットを開発しています。

  • 打鍵感へのこだわり
    アルミ掘削をしたケースを採用し、内部底面にフォームを敷いたり、ガスケットマウント方式にも対応。キーボードとしての汎用性を備えつつも妥協しない打鍵感へのこだわりを持っています。

Special thanks :  サリチル酸 Twitter / BOOTH / Yushakobo

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h. SkeletonNumPad

  • アクリル積層ケース
    透明なアクリルを積層した美しいケースを採用。バックライトLEDにも対応しておりLEDの光を美しく演出するテンキーです。

  • はんだ付けが不要
    はんだ付け作業が不要で簡単な手順で組み立てが可能。手軽に利用を開始できます。

  • 打鍵感へのこだわり
    EVAフォームを採用。心地よく柔らかな打鍵感を実現し、テンキーでありながらも打鍵感へのこだわりを追及しています。

Special thanks : スケルトンキーボード Twitter / SkeletonKeyboard

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i. Spreadwriter

  •  GL516ケースに対応した50%キーボード
    SpreadwriterはそのGL516互換のキーボードの一つです。デコレーションプレートを入れ替えることが可能で、ハイプロファイル仕様にできます。

  • 放射状キーレイアウト
    ホームポジションから最短距離で打鍵することを目指した放射状レイアウトを採用。指を自然に広げた先にキーが配置されている感覚になってくる不思議な魅力があり、特にYキー・Tキーへの運指が楽です。

  • シンボルキー
    キーボード中央に配置されたシンボルキーにはお気に入りのArtisanキーキャップを取り付けて楽しみます。キーボードの表情を決める重要な1キーです。

Special thanks : takashicompany  Twitter / BOOTH

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j. wing touch

  • 48キーを備えた一体型分割キーボード
    一体型でありつつも左右に分割したレイアウトを採用しているため、タイピング時の肩や腕の負担を軽減できます。

  • デザイン性の優れたルックス
    表面実装されたパーツはキーボード中央の余白部分に配置されており、そのパーツ配置は優れたデザイン性を備えています

  • 薄さと携帯性へのこだわり
    表面実装パーツを採用し薄さへのこだわりとコンパクトなデザインは、携帯性に優れています。

Special thanks :  branc  Twitter / BOOTH

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k. miniZone

  •  38キーを備えた一体型ミニマムキーボード
    左右のキーに角度をつけ、分割レイアウトを採用したミニマムキーボードです。

  • 0.8uサイズのキー間隔
    0.8u (16mm)の狭いキー間隔を採用し、指の移動量を最小化してタイピングが可能。また、設計者のtakashicompanyさんはオリジナルの0.8uキーキャップも併せて開発をされました。

  • トラックボールが搭載可能
    オプションでトラックボールが搭載可能。カーソル操作とキー入力をシームレスに行うため、ファームウェアが最適化されています。

Special thanks :  takashicompany  Twitter / BOOTH

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l. AZ-CORE

  •  4キーマクロパッド
    柔軟なカスタマイズ性を備えたワイヤレスマクロパッドとして活用できます。

  • M5 STAMP PICO
    自作キーボードではまだ活用事例の少ないM5 STAMP PICOをマイコンとして採用し、Bluetooth・バッテリー・Wifi機能等を備え豊富な拡張性を有しています。

  • 強力な拡張性
    AZ-COREの真価は強力な拡張性です。対応デバイスと最大8台までTRRSケーブルで接続でき、全てのデバイスの無線化や、キーマップのカスタマイズが容易です。

Special thanks :  パレットシステム よっぴ Twitter / BOOTH

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m. Fudabako & KeyFuda04グリッドパッドセット

  • 手軽に利用開始が可能
    はんだ付け不要で、ファームウェアは書き込み済みの為、購入後に手軽に使い始めることが可能です。

  • アルミケースによる打鍵感へのこだわり
    アルミを削り出したケースは適度な重量があり、タイピングを安定させ、心地よい打鍵感を提供します。

  • 高級感
    アルミ特有の質感は高級感があり所有欲を満たします。また、ミラーアクリルのカバーはオシャレでデスク上で映える存在になります。

Special thanks :  サリチル酸 Twitter / BOOTH / Yushakobo

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n. panda_station

  •  meishi2展への出展
    日本の代表的なキーボードショップ「遊者工房」で開催された名刺サイズキーボードの展示会「meishi2 展」に出展するため、私はオリジナルの名刺サイズのデバイス「panda_station」を開発しました。

  • 最大8台のキーボードを無線化するデバイス
    「panda_station」はTRRSケーブルで接続した最大8台の自作キーボードをまとめて無線化するためのデバイスです。

  • AZ-COREを拡張したマクロパッド
    拡張が容易なAZ-COREをマイコン部分に組み込むことで、私は難しい制御部分に悩むことなく、利便性を向上させるための設計に専念出来ました。

Special thanks :  パレットシステム よっぴ Twitter / BOOTH

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o. SilverBulletRequiem

  •  こだわりが詰まったアルミ削り出しケース
    アルミを削り出したケースは、フォームを内蔵したり、オプションのバランスウエイトを備えることができ、高級メカニカルキーボードと同水準の打鍵感を味わうことができます。

  • 美しく光るキーボード
    アルミ特有の輝きとBacklight LEDが相まって、キーボード全体が美しく光り、ユーザを魅了します。

  • 大型OLEDディスプレイ
    自作キーボードの分野では採用事例が少ない64x128サイズの大型OLEDディスプレイを採用。レイヤー状態等を表示し、利便性を高めます。

Special thanks :  迅雷の魔王 Twitter / Royal Keyboard works in Darkness

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p. Mikeneko65

  •  Bakeneko65からのフォーク
    Mikeneko65はオープンソースキーボードBakeneko65(v3)からフォークした65%サイズのカスタムメカニカルキーボードです。

  • 徹底した打鍵音へのこだわり
    4つのフォームでケース内部に生じる不快な反響音を減らし、打鍵音を向上させています。

  • タイピングし続けたくなる打鍵感
    柔らかめのOリングとポリカーボネート製のプレートを採用し、私がこれまで体験したことのないソフトで心地よい打鍵感を提供してくれました。

Special thanks :  たきしむ工房 Twitter / Takishimukobo

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q. Skeleton68

  •  Alice Layout キーボード
    68キーを備え、Alice Layoutを採用。打鍵のしやすいレイアウトでかつ、とても魅力的なルックスをしています。また、 はんだ付けが不要で組み立て難易度が低いです。

  • 美しいアクリル積層ケース
    透明なアクリルを積層することでケースを構成しています。積み重なるアクリルは側面からの見た目が美しく、またUnderglow LEDの光をより効果的に演出します。

  • 心地よい打鍵音
    EVAフォームを採用し、心地よい打鍵感を実現しています。また、アクリルで密閉したケースはマイルドな打鍵音を味わうことができます。

Special thanks : スケルトンキーボード Twitter / SkeletonKeyboard

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r. Keyball44

  •  トラックボール内蔵
    34mmのトラックボールを内蔵した分割キーボードです。トラックボールを備えたキーボードは数が少なく、多くのユーザを魅了しています。

  • 秀逸なデザインのボールケース
    ボールケースは滑らかにボールを転がすことが可能です。逆さにして振ってもボールは落ちませんが、気軽に指でボールを取り外すことができメンテナンスが容易です。このボールケースのクリアランスが秀悦でこのキーボードの使いやすさの中核を担っています。

  • 豊富なラインナップ
    Keyball44に加え、Keyball39やKeyball61がラインナップに含まれます。Keyballは様々なニーズに答えることが可能です。

Special thanks : 白銀ラボ Yowkees Twitter / Shirogane Lab & Fab

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s. GOAT51

  •  放射状のキーレイアウト
    51キーを備えた50%キーボードで、放射状のキーレイアウトを採用。Spreadwriterと似たレイアウトですが、小指列の間隔が詰まっているので横移動が苦手な小指の負担をより軽減する配置になっています。

  • シンボルキー
    キーボード中央に配置されたシンボルキーにはお気に入りのArtisanキーキャップを取り付けて楽しみます。キーボードの表情を決める重要な1キーです。

  • 多様なキースイッチに対応
    MX互換とChocの両方のキースイッチに対応しているため、多くのキースイッチを選択肢に含めることが可能です。

Special thanks : takashicompany Twitter / BOOTH

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t. meishi Trackball Module

  •  コンパクトな名刺サイズ
    名刺サイズの中に 34mmのトラックボールと2つのキースイッチと一つのロータリーエンコーダーを搭載可能

  • 精巧なトラックボールケース
    取り外しが容易でかつ、逆さにしても落ちにくい秀逸トラックボールケースが同梱しており小さいながらも頼もしい存在です。

  • 再利用性
    トラックボール部分の基板が再利用可能な設計になっており、知識があれば他のキーボードにこの基板を用いてトラックボールを搭載することが可能です。

Special thanks : aki27 Twitter / BOOTH

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u. HOOK69

  •  液晶タブレット向けのキーボード
    アニメーターさんの声から企画・開発された液晶タブレット向けのキーボードです。液晶タブレットの上部に設置することを想定したデザインで、23列、3行のレイアウトを採用し、手元のスペースを大きく確保します。

  • 多様なキースイッチに対応
    MX互換とChocの両方のキースイッチに対応しているため、多くのキースイッチを選択肢に含めることが可能です。

  • オプション
    ロータリーエンコーダーやOLED等のオプションに対応し、作業効率や操作性をさらに向上させることが可能です。

Special thanks : くしま 8「九嶋 八」 Twitter / Yushakobo




3. 2022年に開催したキーボードイベント

ここ数年キーボードイベントの開催は見送られていましたが、主催であるサリチル酸さんゆかりさん、サポートの荒涼さんyoheさんnextbeat Co., Ltdの皆様の尽力により、Keyboard Meetup ”キー部 1%”が2022年7月11日、”キー部 2%”が2022年9月26日に開催されました。
参加者がキーボードを持ち寄ってお互いのキーボードの打鍵感を味わったり、作品の魅力を披露したり、Lightning Talkでは登壇者がキーボードにまつわる知見を披露してくれました。
とても活況で参加者からは高い評価を得たイベントでした。その時の会場の様子は私のYouTubeチャンネルにてLive配信を行いました。多くのキーボードが登場し見ごたえがあるので、雰囲気だけでも見てください。

配信設備が不十分であったり、当日に予期しないトラブルがあったりしましたが、段階的に改善し、今後はよりよい配信にしていきます。



4. YouTubeチャンネルについて

2022年年初のチャンネル登録者数は約3,200名でした。その後2022年12月9日時点で5,234名となり、約2,034名の増加となりました。過去にないハイペースな伸びでとても嬉しく思っています。
紹介したキーボードによっては動画公開をきっかけに販売数が増えだしたというお話も聞くようになり、微力ながらキーボードの認知度を上げることに貢献できるようになってきました。
まだチャンネル登録をされていない方は是非チャンネル登録をして今後の動画をチェックしてください。




5. さいごに

日本にはユニークで奇抜でアイデアに富んだキーボードが多くあります。次々と生まれてくる魅力的なキーボードに出会えることに私はいつも胸を躍らせています。作品の魅力や組み立てる喜びをより多くの人たちに知ってもらいたいと考えており、今後も動画を通じて自作キーボードの魅力を発信していきます。

<設計者のみなさまへ>
今後も積極的に自作キーボードを紹介したいと考えています。みなさんが設計した作品を私のチャンネルで紹介させてください。TwitterのDMにてご連絡をお待ちしております!

この記事は自分で設計した狭ピッチの分割キーボードで書きました。
明日は機嫌を損ねたシェフさんの記事です。


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