悪霊、恋に落ちる

読み直したら、面白いと思ってしまったので、お暇なときに
読んでいただけたら

登場人物

喜助 … 兼近大樹(ぷりずん。)
悪霊になったかぐやと出会う。

喜太郎 … 兼近大樹(ぷりずん。)
喜助の子孫。

かぐや … 光永
竹から生まれたといわれる噂のお姫。翁に大事に育てられている。

翁 … 東アトム(サンジェルマン)
かぐやの父親。

太助 … シークエンスはやとも
翁の家の使用人。

村長 … たもつ君

権蔵 … 永長和大(サンジェルマン)

霊媒師 … TOKU

ゴーストバスターズ … 松下しんぺー

町子 … ゆめっち(3時のヒロイン)

シーン1 現在

権蔵がビクビクしながら、歩いている。
村長がその姿を見て声をかける。

村長   おい 権蔵!
権蔵   (ビックリする)
村長   何をそんなにびっくりしてるんだよ。
権蔵   いやーこんなところで、急に声かけられたら、
                  びっくりするでしょ。
村長   なんで?
権蔵   幽霊なのかなって思うでしょ。
村長   思わねえだろ。
権蔵   思いますよ。
村長   思わねぇよ。幽霊なんていないんだから。
権蔵   いないほうがいいですよ。いいですけど、
                 でも、この変な感じが、
村長   変な感じが幽霊ってこと?
権蔵   はい。変な感じするのっておかしいじゃないですか?
村長   そういうこともあるだろ。
権蔵   この辺だけ、草木が枯れてるんですよ。おかしいでしょ
村長   草木は土に栄養がないだけだろ。
                  栄養がさぁ。あと愛がないんだよ。
     雑草だから愛されてないから枯れるんだろ。
権蔵   いやいや。 
村長   権蔵は気にしすぎなんだよ。
権蔵   そうならそうでいいですけど。
村長   なんなら、パワースポット的な場所だけどな。
権蔵   そうなんですか?
村長   ああ。大昔、大きなお屋敷があって、
                  そこには絶世の美女が住んでたんだよ。
権蔵   そうなんですか?
村長   姫じゃないのに、姫って呼ばれるくらい。
                   それは本物の姫よりすごいことだよ。
     その姫を求めて、いろんな男がやってきてな。
                  最終的には、この辺を収めてた殿様まで来て。
権蔵   そんなすごい人が?
村長   それでも、姫は殿様になびかないんだよ。
権蔵   え?
村長   それに怒った城主は屋敷に火をつけて、
                 屋敷にいた人たち、生きたまま燃やしたそうよ。
権蔵   え?
村長   そんなすごい人が住んでたんだから、きっとパワースポットよ。
権蔵   いや、最後。
村長   最後はあれだけど、最後までのほうを取ってよ。
権蔵   いやいやいや、燃やされた人たちの念が、
村長   今の話も大昔の話だよ。実際、本当かどうかもわからないしね。
権蔵   いやー。
村長   つーかさぁ 昨日今日じゃないんだよ。怨みすぎじゃない?
権蔵   え?
村長   大昔のことを、今も怨んでるなら、
                  そいつが悪いよ。器が小さい。性格が悪い。
               そんなやつは、ろくなやつじゃない!

草木が枯れる音。

権蔵   (変な感じに怖がる)
村長   怖がるなよ。仕方ないな、幽霊がいないって証明してやろうか?
権蔵   …どうやって?
村長   実は、そこの裏で、
                  今度の祭りでみんなをびっくりさせるために、
                    胡蝶蘭を育ててるんだよ。まぁこれが綺麗でな。
                   今では育てるのが生き甲斐になってる。
権蔵   なんの関係があるんですか?
村長   そんな綺麗な胡蝶蘭が咲く場所に、霊がいるわけがない!
権蔵   そうですかね?
村長   そういうもん。とにかく綺麗なんだよ。花なのに色気があって、
     感覚的には、愛人?恋人?娘?
権蔵   愛情が溢れてますね。
村長   一人娘だな 可愛くて仕方ない 逢わせてやるよ。
                  誰にも言うなよ(笑)
     自分にこんな感情があったんだって、ビックリしてる 可愛い

村長、権蔵はける。

シーン2 昔

翁がかぐやを探している。

翁    かぐや?かぐや?あ―どこ行ったんだ。おい、喜助、太助! 

喜助と太助が出てくる。

喜助・太助 はい。

翁    かぐや、見なかったか?
太助   いえ、見てないです。
翁    なんで見てないんだよ。
喜助   庭の手入れしてたし。
翁    はぁーばかだな。使用人が庭の手入れをするのは、誰のためだ?
     俺とかかぐやのためだろ?
                 だったら、常に家主のことを意識してないとさぁ。
太助   すいません。
翁    あと、太助!お前は暗い! 
太助   すいません。
喜助   太助兄ちゃんは、暗いんじゃなくてクールなんだよ。
翁    口答えするな!そんな顔されたら、つまらないみたいじゃん。
太助   すいません。
翁    そう言うんだったら、笑えよ。
     (笑顔になる 変な笑顔)こういう風にさぁ。
太助   (うまく笑えないけど、やる)
翁    気持ち悪りいなぁ。
喜助   (馬鹿笑いする)
翁    お前は笑うな!
                 あのな、みなしごのお前らを拾ってやんたんだぞ!
     その感謝を忘れんなよ。
                 その感謝の気持ちがあれば自然と笑顔になるだろ。
太助   すいません。
翁    かぐやを見たら知らせろよ!・
太助   はい。

               翁、かぐやを探しにはけようとする             

      太助、仕事に戻る。

      喜助、馬鹿笑いしながら仕事に戻る。

翁    怖いよ。
喜助   だって、笑顔で仕事しろって。
翁    それ笑顔じゃないだろ!
     笑顔はこうだよ(変な笑顔をする)しっかりやれ!

   翁、はける。

喜助   変な笑い方だな。
太助   仕事するぞ。
喜助   でも、翁の言うとおり、太助兄ちゃんは笑顔が少ない。
太助   別にいいだろ。

かぐや、陰から。

かぐや  本当に笑顔が下手だなー。

喜助、太助、振り返る。
かぐや出てくる。

太助   まだ、隠れてた方が、
かぐや  大丈夫大丈夫!

喜助、翁がはけた方を見に行く。

喜助   大丈夫かな??
かぐや  ほっておけ。どうせ、求婚しに来た男たちの話だろ。
喜助   姫はモテるな。
かぐや  どうでもいい!それより笑顔だ、笑顔。もう一回やってみろ!
太助   え?
かぐや  いいから。
太助   (笑顔をするが上手くできない)
かぐや  はぁー。
喜助   (馬鹿笑い)
かぐや  どっちも全然違う。なんで、笑顔が出来ないんだ。
     笑顔なんて簡単だろう。
喜助   どうやるんだ?
かぐや  え? 簡単だろ。こうだよ(緊張気味の笑顔になる)
太助   おおー。

喜助は見つめてる。
   かぐや、太助のことを叩きながら。

かぐや  (テンション上がって)結構、恥ずかしいな。
      やる直前までは何も思わなかったけどなぁ。
      恥ずかしいなぁ。やらないのも違うしな。変な汗がでるなぁ。
     (喜助をみて)な、何を見てるんだよ。
     うまく笑顔に慣れてただろ。
喜助   (うなずいて)姫は可愛いなぁ、俺は姫を大好きだ。
かぐや  はぁ?
喜助   やっぱり、俺は姫を大好きだ!

かぐや、太助を見る。
太助、気にせず立っている。

かぐや  何を言ってるんだ?
喜助   俺は姫が大好きだ!!

翁出てくる。

翁    使用人がかぐやに告白したらだめだよ!それはだめだよ!
喜助   (振り返って)使用人が姫に恋してもいいでしょ。
     なぁ太助兄ちゃん。
翁    ダメに決まってるだろ!立場を考えろ!立場が違うだろ!
     犬は人間に告白しないだろ?犬だってわかることを、
喜助   犬じゃない!

翁が怒って喜助につめる。

かぐや  いまのは翁が悪い。
     翁は差別する人間じゃないと思ってたけどな。
翁    しないよ。しない。
かぐや  じゃあなんで?
翁    例えだよ、例え。怒らないでよ。 
かぐや  例えでもひどい!みんな同じだろ。
翁    違うよ。伝えたかったのはみんな同じってこと。
かぐや  は?
翁    同じ敷地に住んでる同士の恋愛はやっかいだからな。
     失恋したらしたで、気を遣うし。
     うまくいったらいったで、気を遣うし。
     するなら、ばれないでってこと。
     ほかの恋愛とは、立場が違うってこと。
かぐや  ふーん。
翁    翁、差別しない。翁、かぐやのいいお父さん。
     翁はかぐやが好きなひとならだれでもいい
     誰かいるのか?
喜助   姫、好きな人いるのか?
かぐや  ・・別にいない 
翁    そうか いるならいえよ 
かぐや  わかったわかった。で、なんのようだ?
翁    ああ、きもの屋の御曹司がお前に会いたがっててな。
     家柄もいいし。見た目もいいし。
かぐや  そうか、そんな男と一緒になれば、
     一生綺麗な着物を着れるなぁ。
翁    ああ。
かぐや  (太助の方を気にして)一回くらい会ってみてもいいかもな。
翁    そうかそうか。でも、あれはやめてよ。
かぐや  あれ?
翁    無理難題をいうやつ。
かぐや  無理難題なんていったことない。そんなに性格わるくない。
翁    竜の目玉とか、
     病弱な不死鳥とか、マイクロソフトのアイフォンとか。
     (なんでもいいです) 
     付き合いたいなら、ないものを持って来いっていうのはさぁ。
かぐや  話したこともないやつに求婚する人間なんて
     信じられないからな。
     それくらいはしてもらわないと。
翁    いやいやいや、かぐやの美貌は会話を超える。
     かぐやだって、花が好きだろ?それと一緒!
     見た目ってのはさぁ、
かぐや  知らん!それに、好きだったら無理じゃない。
     好きな人間に好かれるより
     難しいことなんてないんだから、無理じゃない。
翁    おっしゃる通り、おっしゃる通りです。
     だけど、断り方としてさぁ、ほかの断り方。
     あれ、すごい傷つくからさぁ。
     
かぐや、無視してはける。

翁    ほとんどのお父さんは、娘の下僕なんでしょうねぇ。

翁、追いかける。
太助   喜助!
喜助   なに?
太助   おれたちは使用人なんだぞ!
喜助   ・・・わかってるよ。わかったうえでだ。
 
シーン 夜

  かぐやが月を見ている。

  喜助がくる。

喜助   姫、何してるんだ?
かぐや  喜助。別に、なにもしてない。

  喜助、隣に座る。
  かぐや、少し離れる(本当に微妙な距離)

喜助   空に何かあるのか?
かぐや  ・・・・人は死んだら、星になるってきいたことがある。
喜助   何、当たり前のことを言ってるんだ?それがどうした?
かぐや  私は死んだら、星じゃなくて月になりたいな。
喜助   ・・・月?
かぐや  月になりたい。星は小さいから、きっと一人ぼっちだろ。
     月くらい大きければ、誰かと居れるだろ。
     だから、月になりたいな。
喜助   やっぱり、竹から生まれた人間の感性は違うな。
かぐや  はぁ?
喜助   月になりたいなんて、
     考えたこともなかったからな。やっぱり違うな。
かぐや  本当に馬鹿だな。人間が竹から生まれるわけないだろ。
喜助   もっぱらの噂だぞ。
かぐや  それは、竹から生まれたぐらい美しいって例えだ。
喜助   どういう例えだ?
かぐや  私が一番困ってる。
喜助   美しいは美しいけど、
     竹から生まれたってのがしっくりこないな。
かぐや  姫じゃないのに、姫って呼ばれるのもしっくりこない
     何もかもしっくりこない
喜助   俺に好かれるのも
かぐや  そういう冗談はいい
喜助   ・・・俺は姫が好きだ。そして、いつか、姫は俺を好きになる。
かぐや  はぁ?
喜助   そして、俺に振られるんだ(笑)
かぐや  わたしが、喜助に振られる?
喜助   ああ。恋愛ってのは好かれた方の負けだ。
かぐや  好いた方の負けだろ。
喜助   いや、恋愛は好かれた方の負けだ。
かぐや  ふーん。で、なんで私が喜助に振られるんだ?
喜助   そりゃ、俺が好きじゃなくなるからだろうな。なぁ悲しいか?
     悲しいなら、ずっと好きでいてもいいぞ。
かぐや  悲しくない。私は喜助を好きにならない。
喜助   最初はみんなそういう
かぐや  絶対ならないから、振られない。
喜助   俺が姫を好きじゃなくなるのは、悲しくないのか?
     他の女を好きになるのは。悔しくないのか?
かぐや  は?好かれてるのに迷惑だからな。早くそうなってほしい。
喜助   そうか。迷惑か。
かぐや  ああ、迷惑だ。
喜助   好きのうちの9割は、
     姫のおっぱいを見たいって気持ちが占めている。
     だから、おっぱいを見せれば、
     俺の願望は満たされ、好きって気持ちも成仏すると思う。 
かぐや  何を言ってるんだ?
喜助   迷惑なら、おっぱいを見せてみてはどうだ?
     男の恋心ってのは、おっぱいを見たら、成仏する生き物だ。
     迷惑なら、見せるしかない 
かぐや  馬鹿なことを言うな!
喜助   馬鹿だから仕方ない。おっぱいを見て、
     俺が満足しなかったら姫の勝ちだ!
かぐや  勝ちってなんだ?見せるわけないだろ!
喜助   見せないってことは、好きでいていいってことか?
かぐや  全然違う!
喜助   おっぱいは見せない。
     好きでいられるのは迷惑って、おかしくないか?
     女を正論で追いつめるのは性にあわん 
     許すから、おっぱいをみせてくれ おかしいこといってるのは
     自分でわかってるだろ
かぐや  おかしいのは喜助だ!
喜助   わかった!(強めに)どうしたら、おっぱい見せてくれる? 
     どうしたら好きになってくれる? どうしたらいい?
 
 かぐや、一瞬おされる。

かぐや え・・?
喜助   立場は理解している。でも、姫が好きだ!俺はどうしたらいい?
かぐや  (つい出ちゃった感じ)月夜に輝く太陽がみたい! 
     そしたら、なんでもいうことを聞いてやる!
喜助    え?月夜に輝く太陽?
かぐや  (ぶつぶつ言う感じ)あ・・ごめん。
     いや、その、喜助の気持ちはありがたいけど。
     私は好きな人がいて。
喜助   そんなもんでいいのか? そうかそうか。
かぐや  そんなもん?
喜助   太陽を沈めなければいいだけだからな。どうにかなるだろ。
     月夜に輝く太陽か、俺も見てみたい。
かぐや  いや・・・
喜助   姫は俺に話すように、誰にでもいいたいことをいったらいい

  喜助はける。かぐや、追いかけてはける。

シーン  現在

   村長、怒って出てくる。
   権蔵、ソワソワしてる。
   権蔵、取り繕うが、うまくできない。

村長   なんで枯れてるんだ?枯れてるんだ?おい!
権蔵   いやー。
村長   さっきまで、全開で咲いてたんだよ。なめやがってよ。
権蔵   霊の仕業?
村長   知ってたのか?
権蔵   いやいやいや。
村長   悪霊かなんだか知らないけどよ。なめやがってよ。
     こっちは元ヤクザだぞ!仇とってやるよ! 
     全国の霊媒師を調べて、全員呼べ!
権蔵   なんで僕が?
村長   あ?
権蔵   すいません、でも、無理ですよ。
村長   無理じゃねぇんだよ。やれよ!殺すぞ! 

権蔵はける。

村長  絶対許さない!

シーン  翁

   喜助が翁と話している。
  
翁    やめて、月夜に輝く太陽をみせる?
喜助   はい。姫との約束なので。 
翁    本当に馬鹿だな。
喜助   馬鹿なんです。
翁    あのね、月夜に輝く太陽を見せることが出来たとしても
     できるまでに、かぐやは結婚してると思うぞ
喜助   そんなのわかんないじゃないですか。
翁    お殿様がさぁ、かぐやに興味持っててな。
     今度来るかもれしれないんだよ。
喜助   姫は気に入りますかね?
翁    お殿様だぞ!かぐやだって、気にいるだろ。
   
  翁はける。

シーン 霊媒師

霊媒師 (雰囲気を出し)本当に怖いのは、悪霊でもなく、人間でもなく
     戻ることのできない過去なのかもしれません。
     悪霊は私が除霊しますし、人間はお上がさばきます。
     ただ、過去だけは自分一人で向き合うしかありません。
      
シーン 喜助と太助

  喜助が出て行こうとする。太助が見ている。

喜助   太助兄ちゃん。行くわ。
太助   なんで?
喜助   馬鹿だから。
太助   お前は馬鹿じゃないよ。
喜助   俺は馬鹿だ。馬鹿だから、行くしかない。
太助   ・・・・。
喜助   馬鹿だから、姫を好きになってしまった
     親を殺した翁への恨みを忘れてしまった
     好きになりたくはなかったな
     でも、でも、でも、姫は俺を全く見てない。
     姫が見てるのは。
太助   ・・・・・
喜助   ここにいたら、自分を嫌いになる。
     俺は、姫を好きだし、太助兄ちゃんの事も好きだ。
     どっちの気持ちもなくならない。だから、行くしかないんだ!

  喜助、はけ際。

喜助   太助兄ちゃんも姫も、もっと馬鹿になればいい。
     二人とも、言いたい事を言えないからうまく笑えないんだ。
    
喜助、馬鹿笑いしながら、はける。

シーン
   村長出てくる。
   権蔵、疲れて出てくる。

村長   霊媒師はどうなってるんだよ。
権蔵   なかなかいなくて。
村長   いなくてじゃなくてさぁ、お前がやるって言ったんだろ!
権蔵   え?
村長   できないんだったら、最初から断れよ。
     男なら一回引き受けた事を最後までやれよ!
 
シーン かぐやと太助

  太助のところへ、かぐや
  かぐや、しばらく見ている。

太助   どうしたんですか?
かぐや  いや・・・喜助が出て行って半年も経つな。
太助   まぁそういう男です。きっと、見つけるまで戻ってこないでしょ。
かぐや   ・・・ごめんな。 
太助   え?姫が謝ることはありません。
かぐや  全部ごめん。
太助   全部?
かぐや  はぁー殿様も来るしなぁ。さすがに、殿様が来たら、断れない。 
太助   断れない?
かぐや  さすがに今までとは違うかなら。
     変な態度をとれば、みんなどうなるか分からない。
     下手したら、全員打ち首じゃ。
太助   うーん。どうですかね?
かぐや  (溜息)何一つ不自由はなく生活してきたけど、
     できれば、もっと自由に暮らしたいな。 
     私の人生は誰かの人生なのかもな。
太助   ・・・・。
かぐや  贅沢な悩みなのは分かってるけど、悩みは悩みだからな。
太助   そうですね。
かぐや  はぁー私は噂ほどの美貌は持ってないぞ。
     よく見たら(自分の見た目をいじって)
太助   (無言で見てる)
かぐや  否定しろ! 
太助   え?
かぐや  否定しろ!そんな事ないですって言え! 
     言い過ぎなくらい悪く言った事を
     受け入れられたら不安になるだろ。
太助   すいません。
かぐや  (不安そうに)そんなことないだろ そう見えてないだろ
太助    はい 見えてないです
かぐや  太助は本当に感情が分からないな。
太助   そうですか?
かぐや  なんなんだお前は?
太助   なんなんでしょ? 姫も分からないですよ。
かぐや  私は、贅沢な暮らしなんて望んでないぞ。
     城になんて行きたくないぞ。 
太助   俺に言われても、
かぐや  別に、太助に言ったわけではない。一人言だ。

   かぐやはける。
翁出てきて。

翁   かぐや、機嫌悪くないか?
太助   そうですねぇ。
翁    はぁー何でだろうな。
太助   殿様が来るのが嫌みたいですねぇ。
翁    チャンスとは思わないのかね?
太助   寂しさもあるんじゃないですか?
翁    寂しさ?
太助   はい。この家からいなくなる寂しさ。
     いなくなる事を寂しく思われてない、寂しさ?
翁    はぁーこんなに愛してるのが、伝わってないって事?
     かぐやのためにしか生きてないよ。
太助   分かってると思いますけど、それでもねぇ。
     心が乱れることはありますし。
翁    うーん、どうしたらいいかな。
太助   まぁ殿様を追い返すとか。
翁    え?そんなことしたらさぁ。
太助   もちろん。そうですけど。そんな事したらって事をすれば、
     伝わるかもしれないですよね?
翁    うーん、そうだな やるか
太助   え?
翁    かぐやは、私の全てだからな。 
太助   (睨む)
翁    どうした?

シーン 殿様

かぐや、部屋で一人。
   外の様子を気にしてる。
   
外で翁。

翁    殿様か何か知らんが、大人数で押しかけるのは失礼だろ。
     かぐやに会いたいなら、一人で来い!
     親が娘を思う気持ちの前では、どんな男もただの男だ!

かぐや  声震えてるじゃん!
     はぁー、諦めてもらえないもんかなぁ。

   かぐや、おっぱい出せば城主が満足するか考える。
太助が来る。

太助   何してるんですか?
かぐや  別に何もしてない。翁は大丈夫か?
太助   大丈夫だと思いますよ! 
かぐや  はぁ、
太助   親が子供を思う気持ちって、あんなに強いんですね。
かぐや  ・・・翁が心配だな。どうしたら、諦めてくれるかな。
     おっぱい見せるしかないか。恥ずかしいな。
太助   え?
かぐや  いや。

   太助、外の様子を見る。
   かぐや、太助の手を握ろうとするが握れない。

太助   翁のあんな姿をを見せられたら、答えを出されてしまいました。
     真面目がゆえに、熱く熱く燃え、時空を切り取り、
     何年前のことが一秒前にかんじます。喜助にはなれない。
かぐや  何を言ってるんだ?
太助   あ・・独り言です。
かぐや  怖い独り言だぞ。
太助   かぐや、
かぐや  え?

   太助、かぐやの手をとり抱き寄せる感じで、刀で差す。
   かぐや、刺されて倒れる。

かぐや  何で?
 
  太助、何も言わず見ている。
   翁、入ってきて、

翁   私の愛の強さを感じて、殿様が帰ってくれた。
    今度、一人で来るそうじゃ。 

  翁、かぐやを見て、

翁    え? なんで?

シーン 喜助

喜助、出てくる。

喜助   月夜に輝く太陽なんて無理だ。どうにもならん。
     はぁーでも、姫を諦める方がもっと無理だ。
     仕方ない。

 喜助、はける。

シーン 現在 霊媒師

怪しげな空気感。
  村長と権蔵が話を聞いている。

霊媒師  霊と呼ばれる類の念は、とても悲しい念なのです。
     成仏できず、彷徨う悲しい念。
     なので、退治という概念は捨てて下さい。
     寄り添うのです。寄り添うことが唯一の方法です。
村長   なるほど。
霊媒師  霊を寄り添うというのは、とてもとても繊細な作業です。
     万全の態勢で寄り添わないと、食われてしまいます。
村長   そうですか。
霊媒師  なので、最高級の食事と寝床をご用意下さい。
村長   は?
霊媒師  そこで、一週間、身を清め 除霊に入りましょう。

  霊媒師、はける。

村長   おい、大丈夫なんだろうな?
権蔵   はい。大丈夫です。

シーン 翁と太助
   かぐやはいない
   翁、太助に詰め寄る。翁、刀持っている
   太助、笑ってる(うまくは笑えない)

翁    なんで?なんで?なんで?
太助   親の愛って強いんですよ。
翁    はぁ?
太助   同時に、子供が親を思う気持ちってのも強いんですよ。
     俺たちの親を殺しておいて、なんで?って事はしないでしょ。
翁    殺してない。殺してない!
太助   まぁそう言うしかないよね。
翁    そう思うのだったら、俺でいいだろ!かぐやは関係ないだろ!
太助   姫は関係ないんですよ。親の仇であれば、翁を殺せばいい。
     親を殺された自分の仇って場合は、かぐやを殺すしかない。
     正しい復讐は、翁を殺す事じゃない。
     翁の一番大切なものを、一番良い時期に全て奪う事。
翁    俺は、殺してない!
太助   大きな屋敷に住むまで、何をしてきた?
     農民だったあんたが、
     どうやって大きな屋敷に住めるようになったんだよ?
翁    俺は金を貸してくれって言われたから、
     貸す前に金利だって伝えて。
太助   その金をどうやって作ったんだよ?
     なぁ、どうやって作ったんだ?
翁    いや・・・。
太助   盗んだ金だろ?金に困らして、金を貸すってどうなの?
翁    ・・・。
太助   親を追い込んで追い込んで自殺させておいて、
     殺してないって心の底から言えるのか?
翁    違う!殺してない!誤解だ!
     現にお前らを食べさせてやってるだろ?
太助   食べさせてやってる? 罪滅ぼししたいだけだろ!
翁    違う!
太助   じゃあ、なんでうまく笑えないんだよ!
     やましい事がなければ笑えるだろ!
翁    え?
太助   罪を誰からも咎められず、怖かったんじゃないのか?
     今、少し安心してるんじゃないのか?
翁    ふざけるな!
太助   (うまく笑えない)
翁    お前だってうまく笑えてないだろ!
太助   ・・・・・(はける)
翁    あーーーーーーーーー。
   (ぶつぶつ言いながら)違う 違う 違う
  
   翁、呆然とした後に追いかける。
  ※翁、ここから、客席を彷徨う。お化け屋敷的に客を脅かす。
    暗い中、客席前を通ったりとか 客が少しでも怖くなれば
シーン 現在 除霊

  霊媒師が除霊の準備。
  村長が、伺って見ている。
  権蔵、心配そうに見ている。

権蔵   どんな感じですか?
霊媒師  非常に強い悪霊の念を感じます。 
村長   悪霊?
霊媒師  あついよー。あついよー。
     ここはハワイか?あついよーという鳴き声が聞こえます。
     恨みの中で、燃えて亡くなったんでしょう。
村長   ハワイ?
霊媒師  ・・・はい。ハワイに行きたいけど、
     ハワイに行って喜んでるタイプには
     見られたくないよ。でも、行きたいよって言ってます
     (なんでもいいです)

※ ほかには等で遊んでもいいです
村長   いやーハワイって言うかな?
霊媒師  言いますよ。
     ハワイは、あなたが生まれる前からあるんですから。
権蔵   そうですよね。
村長   そうじゃなくて、家が燃えてるときに,熱さを例えるかな?
権蔵   ・・確かに。
霊媒師  人間とは、例える生き物です。。
     一説には、
      霊というのは例えるところからきているというの説もあります
     嫌ならやらなくてもいいですよ
村長   いや、

霊媒師、除霊の儀式
(なんか動きのあるネタでも、歌でも、ダンスでも)
 村長は嫌なところで止める遊びあって

霊媒師  完全に除霊しました。 ただ、今わたしの体の中に悪霊の念が
     残っています。この念の処理のために、
     最高の食事と寝床と女性を用意して下さい。
     そうしないと、
     またこの念が大きくなり同じことのくりかえしになります

 霊媒師はける。
 権蔵、村長付いて行く。

シーン 夜

幽霊のかぐや(真っ白の衣装)

  かぐや、たたづんでいる。
  可能なら、太助の手をつかもうとした感じの腕の状態を、キープ。
  無理なら、要所要所で印象づけてくれれば。
  かぐや、草木を触る。
  草木が枯れる。

  喜太郎がくる。

喜太郎   あー遅かったか。はぁー。幽霊の死骸とかないのかな。

かぐや、喜太郎を見て驚く。

かぐや  ・・・・。
喜太郎  喜太郎と言います。怪しいものではありません。
     安心してください。
かぐや  え?
喜太郎  ただ、悪霊を探しに来ただけです。ここにすごい悪霊がいるから
     全国から霊媒師を募集してるってきいてきたんですけど
     さっき、除霊が終わったみたいでダメ元で、来てみたんです。
かぐや  ・・・。
喜太郎  でも、遅かったみたいですねぇ。俺はいつも遅い。
     俺はいつも遅いんだ。気が付いた時には遅い。
     はぁー時間が憎い。
かぐや  ・・・・・。
喜太郎  悪霊なら、霊媒師に負けるなよ!何してるんだよ!
     悪霊を名乗る覚悟がないよな。何やってるんだよ!
     この嫌な気持ちが、悪霊の仕業かな?とんだ悪霊だな!
かぐや  私は悪霊ではない!!

  草木、枯れる。

喜太郎 (草木みて驚く)一瞬で枯れた。
かぐや (睨む)
喜太郎  ・・・脱毛もできますか?
かぐや  は?
喜太郎  いや、違うんです。脱毛もできるのかと思って。
かぐや  何も違くないぞ。
喜太郎  いや違うんです。何か怒ってる感じがして。
かぐや  ・・・・。
喜太郎  すいません。

  喜太郎、はけようとする。

喜太郎  あの、悪霊見ませんでたか?
かぐや  なぜ私が悪なんだ?

  草木、枯れる。

喜太郎  (草木みて驚く)え?
かぐや  (睨む)
喜太郎  え? あの・・脱毛できますか?
かぐや  は?
喜太郎  いや、違うんです 脱毛もできるのかと思って
かぐや  なにも違くないぞ。
喜太郎  いや、違うんです。何か怒ってる感じがして。
かぐや  ・・・・。
喜太郎  すいません。

  喜太郎、はけようとする。

喜太郎  悪霊ですか?
かぐや  なぜ、私が悪と呼ばれるんだ?

   草木、枯れる。

喜太郎  (草木をみて驚く)え?

かぐや  なぜ、私を悪とよぶ?私が何かしたか?

   草木、枯れ続ける。
   喜太郎、草木が枯れるのを見てから 
   自分のズボンの中を見る。

喜太郎  毛って草木とは違うんだな。
かぐや  (すごく睨む)
喜太郎  すごい勢いで草木が枯れたんで、
     その流れで脱毛もいけるかなと思って。
かぐや  はぁ、
喜太郎  聞いてください!
     マナーの基準をあげられると、庶民はお金を払う
     仕組みを作られてるんです。
     マナーがない人は、馬鹿にしていい、という暗黙の了解が
     ありますから。ぼくたちはマナーにお金を搾取され続けます。
かぐや  何が言いたいんだ?
喜太郎  ・・・。
かぐや  何が言いたいんだ?
喜太郎  知的に思われたくて話し出したものの、
     途中から何を言ってるのか自分でも分からなくなって。
かぐや  お前は馬鹿なのか? 
喜太郎  どうでしょう?自分ではわかりません
かぐや  ・・・・。
喜太郎  あの、お願いがあります?
かぐや  脱毛はしない。
喜太郎  脱毛はいいんで、殺してください!
かぐや  はぁ?
喜太郎  殺してください。お願いします。殺してください。

   喜太郎、かぐやの腕を掴もうとする。
   かぐや、振り払う。

かぐや  触るな!

草木が枯れて、喜太郎は叫び声をあげる。

喜太郎  あーーーーーーーー。

   喜太郎、膝に手をつき、ゆっくりゆっくり倒れる。

かぐや、喜太郎を睨み、はける。

シーン  町子

   町子出てくる。

町子  そんなところで、寝てたら風邪ひくぞ!

喜助、起きて、

喜助   歩き疲れて寝てしまった。起こしてくれてありがとう。
町子   何をしてるんだ?
喜助   月夜に輝く太陽を探してるんだ。
町子   そんなものあるわけないだろ。
喜助   わかってる。でも、探すんだ。
町子   なんで?
喜助   好きな女が見たがってるからだ
町子   ・・・・馬鹿だな。
喜助   馬鹿だ。

   喜助、腹が鳴る。

町子   探す前に、飯は食ってるのか?
喜助   いや、
町子   飯を食わしてやる。来い!
喜助   良いのか? 
町子   良い。後、風呂入って、布団に入って寝ろ。
     元気じゃなきゃ探せないだろ。
喜助   助かる。俺は喜助。名前は?
町子   町子。 

   町子に導かれ喜助が移動。

   喜助。横になる。

町子   風呂にも入らず寝てしまった。
     よっぽど、疲れてたんだろうな。
     こんなバカな男もいるんだな
  

  町子。はける。

シーン  看病

   権蔵が、寝込んでいる喜太郎を看病している。

喜太郎  (うなされている)

  村長が来る。

権蔵   村長。
村長   どう?
権蔵   変わらず、ずっとうなされています。
村長   そうか。
権蔵   除霊をしようとしかたら、悪霊が怒ったんですよ。
     草木の枯れてる範囲も急に広がりましたし。
村長   あいつマジで。
権蔵   どうしましょう?
村長   こいつの家族は?
権蔵   この辺の村のものではないようです。
村長   うーん。

  霊媒師、くる。

霊媒師  どうされましたか?
村長   これ見ろ。
霊媒師  ・・・・。
村長   どういうことだ?
霊媒師  昼過ぎまで寝てるダメなやつがいますねぇ。
村長   お前が、除霊した場所で倒れてたんだよ。
     全然、除霊できてないじゃねぇかよ。
霊媒師  除霊が済んだから、安心してお酒を飲んで寝てただけでしょ。
     あそこは、酔いつぶれる程飲める場所になったという事で。
村長   事でじゃないよ!除霊できてないな。
霊媒師  できてます!完璧にできてます!
権蔵   あの周りの草木が前より枯れているんです。
霊媒師  草木はいつか枯れます、それは自然の摂理です。
村長   そういうのいいから、なおせ。
霊媒師  除霊以外のことは。
村長   生きてる人間の怖さを教えてやろうか?

   霊媒師、ビビッて喜太郎の様子を見る。

霊媒師  (喜太郎に話しかける)おい おい おい
喜太郎  (うなされながら)水、水。
霊媒師  早く、水を用意しろ!
村長   早くしろ!

   権蔵、水を取りにはける。

霊媒師  大丈夫か?大丈夫か?
村長   大丈夫か?

  権蔵、水を取ってくる。

喜太郎  (うなされながら)毛布、毛布。
霊媒師  毛布 毛布を用意しろ!
村長   早くしろ!

  権蔵、毛布を取りにはける。

霊媒師  今、用意するからな!
喜太郎  (うなされながら)ギャグ、ギャグ。
霊媒師  ギャグを早く!
村長   早くしろ!

  権蔵、戻ってこない。

村長   早くしろ!

  権蔵、戻ってこない。

村長   早くしろ!!
  権蔵、戻ってきて
権蔵  毛布がなくて
村長  そんなのいい ギャグだ ギャグ
喜太郎  (ひどくうなされる)
霊媒師  早くギャグ!
権蔵 (ギャグを仕方なくやる)
喜太郎  (長めに大笑いする)
権蔵  きぶんいいですねぇ やってみるもんですね
喜太郎 もっともっと
霊媒師 俺、いこうかな

  霊媒師、ギャグやる

喜太郎  (笑いながら)笑いすぎて死んじゃう。やめて。やめて。

  村長、ギャグやる。

喜太郎  ・・・・・・う(死亡する感じ)
村長  おい!!!!
霊媒師 滑り殺しですね
村長  面白かっただろ

 霊媒師、村長 喧嘩

  喜太郎、目を覚ます。

喜太郎  ここは?

喜太郎  なんだ?なんだ?ここはどこだ?
権蔵   覚えてないんですか?
喜太郎  ああ
権蔵   外で倒れてたんですよ。
     家に運んでからは、ずっとうなされてて。
喜太郎  え?
村長   お前が倒れてた場所には、悪霊がいて。
喜太郎  悪霊? え?あ・・あーーー。
村長   もっとしっかりした霊媒師を探さないとな。
喜太郎  いや、悪霊が退治されたっていうから、
     あそこで酒を飲んでたんだ。
     そしたら、飲みすぎて寝てしまったんだ。
村長   え?酒であんなことになるか?
喜太郎  酒は怖いぞ。酒ってのは本当に怖い
霊媒師  そうだな
喜太郎  いやー助かった。ありがとう。 
権蔵   本当にお酒ですかね?
村長   そうだな お前はどこから来たんだ
喜太郎  ああ、ずっと南から来た喜太郎と言う
村長   意識がなくなるまえに、変な感じとかなかったのか
喜太郎  いやー全然 霊はいないと思いますよ。
村長   いやいやいや悪霊がな。
喜太郎  悪霊はいませんよ。 

 喜太郎、はける

霊媒師  完全退治したんですから、悪霊なんていませんよ
村長   いるな
霊媒師  なんで
村長   俺のギャグで笑わなかった それは人間なら笑うはずだ
     あいつに悪霊がとりついてるんだ
霊媒師  それは違う
村長   権蔵 外資系の霊媒師に連絡しろ
霊媒師  外資系はだめです  あいつらは、心がない
     あいつらこそ人間じゃない
村長  うるさい

シーン 夜

かぐや、たたずんでいる。
   喜太郎が出てくる。

喜太郎  なんで殺してくれなかった?
      もう少しで死ねそうだったのに。
かぐや  ・・・。
喜太郎  死にそうってのは、苦しいぞ。
     今も体調が戻らない。どうしてくれるんだ?
かぐや  知らん。
喜太郎  しっかり殺してくれ
かぐや  知らん。
喜太郎  殺せないなら殺せないけどいいけど頼みがある。
かぐや  脱毛はしない。
喜太郎  いや、脱毛もいい。おっぱいを見せてくれ!
かぐや  ・・・・。
喜太郎  あ・・おっぱいが分からないか?おっぱいというのは、
かぐや  おっぱいは知ってる。
喜太郎  そうか。じゃあ話は早い。
かぐや  見せるわけがないだろ!
喜太郎  正式には、見せてくれではない。返してくれなんだ。
かぐや  はぁ?
喜太郎  冷静に考えてほしいんだけど、あんたは一回死んでいるんだ。
     で、念なわけだ。だから、ほとんどの人には見えない。
     もしかしたら、世界で見えるのは俺だけなのもかしれない。
かぐや  はぁ?
喜太郎  ということは、俺が作り出した姿という可能性もあるし。
     作詞作曲俺、歌い手あなたというのと同じパターンだ。
     あなたはあなたの歌だというかもしれないけど、
      権利は俺にある。
     わかるな?自分の歌がどうなってるか心配だから、
     一回見せてくれ。
かぐや  ・・・・。
喜太郎  正論をふりかざして。女をつめるのは性に合わない。
     もういい。率直に言う、おっぱいを見せてくれ。

  かぐや、はけようとする。

喜太郎  泥棒!!! 泥棒!!

  かぐや、振り返る。

かぐや  泥棒ではない。
喜太郎  泥棒だろ 歌は作詞作曲した人のもんだろ
かぐや  歌とおっぱいは違うだろ
喜太郎  一緒だ どっちも素晴らしい!!


  草木、少し枯れる。
権蔵が走って出てくる。

権蔵   泥棒?
喜太郎  え?ああ、俺はこっちを探すから、あっちを探してくれ。
権蔵   わ・・わかった。

権蔵はける。

喜太郎  なぁ。 
かぐや  お前のものではない。私は盗んでない。
喜太郎  俺の勘違いだった。申し訳ない。おっぱいは歌ではない
かぐや  ん?
喜太郎  俺のものではない。みんなのものだ。 
かぐや  はぁ?
喜太郎  念は空気だ。空気はみんなのものだ。
     空気を吸うときに、断らないだろ。
     それは、みんなのものだからな。断りをいれるのも断るのも
     おかしな話だった(満面の笑み)
かぐや  ・・なんだその顔は?
喜太郎  笑顔というやつだ。空気を自分のものだといえるか
     空気を自分のものだというやつをどう思う?
     最低だろ 俺は、あんたに最低になってほしくない

 喜太郎、満面の笑み。
  かぐや、しばらく見ている。

かぐや  あ・・そういう事か。
喜太郎  やっと理解できたか。
かぐや  お前、私を怒らせて殺させようとしているんだな?
喜太郎  ああ・・一刻も早く殺してほしい。 
かぐや  やっぱり
喜太郎  ただ、おっぱいを見た後にしてくれ。
かぐや  はぁ?
喜太郎  見たいおっぱいに出会えたんだ。
     見る前に死んだら死んでも死に切れん。
かぐや  ・・・・・・。
喜太郎  俺、そんなわがままな事言ってるかな?
かぐや  本気で言ってるなら、気が狂ってるぞ。

  かぐや、はける。
   喜太郎、追いかける。

かぐや  (袖で)付いて来るな!

シーン

かぐやに付いていく、喜太郎。
   (ナンパとか遊んでください)

  その姿を見ている権蔵。
   権蔵はける。
   何度か通り過ぎたところで
   かぐや、止まり、

かぐや  いつまで付いてくるんだ!
喜太郎  いつまでって言われてもなぁ。 
     今日、話かけて無視されたら諦めようと思ってたけど。
かぐや  クソが。

   権蔵、村長が出てくる。

権蔵   ねぇ見てくださいよ。
村長   一人でぶつぶつ話してるな。
権蔵   気持ち悪いです。
村長   何をしてるんだ?
喜太郎  え?(遊びの下りにかぶせて、断ったりとか)
村長   そうじゃなくて、何してるんだ?一人でぶつぶつ気持ち悪いな。
喜太郎  別にいいでしょ。
権蔵   悪霊に取り憑かれているんですよ。
喜太郎  何にも取り憑かれてない。むしろ追いかけてるんだ。
村長   悪霊を追いかけてる?
喜太郎  悪霊なんていない。霊を追いかけてるだけだ。
村長   何を言ってるんだ?
喜太郎  余計なことをするな。

村長、権蔵はける。

かぐや  お前はなんで死にたいんだ?
喜太郎  いや・・先祖の教えの通り生きてきたんだが、
     うまくいかなくてな。毎回、好きになった女の肉親は
     病気になり、金を渡しててな。看病しに里帰りしたら、
     戻ってこなくてな。借金が返せない額まで膨らんで
     先祖代々つづく、綺麗な庭園を手放さなくてはならない。
     それに、死ねば助けるやつもいる。
かぐや  助ける?
喜太郎  見てられないからな。助けてやりたいし。
     死にたい理由なんて2つもあれば十分だろ
かぐや  なんだそれ。
喜助   教えが間違ってるんじゃないかと疑うけどな。
     俺の親もじいちゃんもばあちゃんもそれでやってきて
     楽しそうだったしな。はぁー、俺が馬鹿だからな。
かぐや  どんな教えだ?
喜助   愛を信じろって教え。 
かぐや  ・・・。
喜助   あんたはなんで霊になったんだ?
かぐや  ・・・。

(N)太助  かぐや。 (さす音)

草木枯れる。

喜助   すまん。
かぐや  愛など信じてるから、死ぬしかなくなるんだ。
喜助   もう一個ある。人助けもしたいし。
かぐや  知らん。
喜助   あんたはなんで霊になったんだ?生きてた時に何があったんだ?

   かぐや無視してはける。

シーン ゴースト

   村長に言い寄る霊媒師。

霊媒師  外資系は絶対だめです。
村長   除霊できなかった奴は何もしゃべるな。
霊媒師  後悔しますよ
村長   霊をどうしようが、勝手だろ。しゃべるな。
霊媒師  はぁーー。寄り添うって気持ちが。
村長   うるさいな!お前にもう用はない!

  権蔵入ってくる。

権蔵   お連れしました。
村長   ご苦労ご苦労。
霊媒師  ダメですよ。

  ゴーストバスターズ(複数人)入ってくる。

権蔵   こちらが、うちの村の村長です。
      こちらが外資系霊媒師の
     ゴーストバスターのダイソン田中さんです
村長   ・・ハロー。
ゴースト 日本語話せるんで、大丈夫ですよ 悪霊だろうがなんだろうが
     過去なんですよ 過去が今、未来に勝てるわけがないんです
村長   なんだろう。。。すごい違和感 嘘をついてるのに、自覚がない
     感じというか なんだろう 頭悪いのに。すべてを見透かしてる
     と思い込んでる感じというか なんだろう 違和感
権蔵   たぶん、霊と退治するうちに、
     内面のけがをおってるんじゃないですか
村長   確かにな
ゴースト (権蔵)あ?
村長   一文字でこの違和感 これは信用できる 霊を退治してください
ゴースト 霊に得意な事をさせてあげなければ、彼らは消えません。
村長   得意なこと?
ゴースト 霊はなんで霊になったと思いますか?
村長   ・・・(答えで遊ぶなら遊んで)死んだから。
ゴースト 正解!わたしたちは、彼らを殺してあげるのです。
村長   殺す?
ゴースト はい。迷惑をかけた分、苦しんで死んでもらいます。
権蔵   きっと、すごい恨みを持っているから。
ゴースト 気持ちなんて言うのは、技術に負けるのです。
     早速、準備にかかりましょう

  ゴースト、はける
  ゴースト、はけ際  霊媒師をにらんで 冷笑してさる
  村長、権蔵おいかける

霊媒師  どうしよう。。。 逃げるか・・

霊媒師はける

シーン  町子

町子  少しは休まないのか?
喜助  もうちょっと、もうちょっとだけ
町子  はぁー
喜助  つーか、いつまでついてくるんだ?
町子  一人で探すより、二人で探すほうが見つかりやすいから
    いいだろ
喜助  ありがたいけど、なんで探してくれるの?
町子  私は遊郭で働いてたからな、男が嫌いなんだ
喜助  嫌いになるものか
町子  二年だぞ二年 二年いて、誰にも買われなかったんだぞ
喜助  買われなかったなら、良かったんじゃないの?
町子  逆だ、 欲望の目より、興味がない目の方が恐ろしい
喜助  なるほど
町子  だから、一途に探す姿をみていると、心の傷が少しづつ
    癒えるんだ 月夜に輝く太陽をみつけてくれたらな
    私ももう一度、男を好きになれるきがするんだ
喜助  そうか それだったら・・・

 喜助、話しながらねてします

町子  話してる途中にねるな はぁ 喜助、好きだぞ
    喜助が上手くいったら、私は失恋だけど失恋だけど
    とっても素敵な失恋が出来る
    頑張れよ

 町子はける

シーン 拷問

   喜太郎が寝ている
   ゴーストバスターズ殴る
   喜太郎、意識を取り戻す

   ゴーストバスターズに殴られ、腕を縛られる。

喜太郎   何するんだよ?
ゴースト  何でもするんだよ。悪霊に取り憑かれた人間は人間ではない。
喜太郎   取り憑かれてないよ。
ゴースト  それはこっちが決めるから。悪霊に取り憑かれた。
喜太郎   悪霊って呼ぶな!
ゴースト  悪霊側に立って話すな!

   ゴースト、殴り続ける。途中、顔を掃除機で吸い込んだり、
 
喜太郎   やめろよ。
ゴースト  うーん、取り憑いてないな。
喜太郎   最初から言ってるだろ。   
ゴースト  じゃあなんで、悪霊側にたって話したんだ?
喜太郎   悪かどうかなんてわかんねぇだろ。
ゴースト  はあl。

   ゴースト、喜太郎を殴り続ける。
ゴースト  いくぞ。

   ゴーストはける。

喜太郎 (腕の縄をほどこうとする。ほどけず、そのまま追いかける)

シーン  かぐや(回想)

かぐや、おっぱい出せば城主が満足するか考える
   太助が来る。

太助   何してるんですか?
かぐや  別に何もしてない。翁は大丈夫か?
太助   大丈夫だと思いますよ。 
かぐや  はぁ。
太助   親が子供を思う気持ちって、あんなに強いんですね。
かぐや  ・・・翁が心配だな。どうしたら、諦めててくれるかな?
     おっぱい見せるしかないか。恥ずかしいな。

   太助、外の様子を見る。
   かぐや、太助の手を握ろうとするが握れない。
   かぐや、何度か手を握ろうとするが握れない
   かぐや、 もどかしくなって、太助の背中を押す

かぐや もう
太助  はける

かぐや はぁー

シーン 退治

   太助がはけた場所から、ゴーストバスターズ出てくる。
(サングラスをかけている)

ゴースト ぼんやりとしてるねぇ。女か子供か。
かぐや  なんだ?
ゴースト まぁどっちにしても悪霊か。
かぐや  悪ではない!

   草木枯れる。

ゴースト  おー念が強いねぇ。

ゴースト、ダンス。 
かぐや、逃げ回るが追いつめられる。
  ゴースト、かぐやを捕まえる。
  ゴースト、かぐやを掃除機で吸う。

かぐや  やめろー!

  草木が枯れる。

ゴースト さぁ仕上げといこう!

 ゴースト、両手に8×4を持って
  かぐやの脇に吹きかけようとする。

かぐや  失礼だぞ!失礼だぞ!あーーーーー。

  かぐや、弱る。
  喜太郎が、腕をしばられたままゴーストにぶつかる。
  ゴースト、かぐやを離す。
  かぐや、倒れる。

喜太郎  大丈夫か?
かぐや  (弱ってる)
ゴースト 殺して霊にして、もう一回殺してやるよ。
喜太郎  え?殺してくれるの?
ゴースト はぁ?
喜太郎  殺していただけるのは、ありがたいんですが。
ゴースト 何を言ってるんだ?
喜太郎  殺していただくのは、お前らをぶん殴った後だ!
ゴースト まじで何を言ってるんだ?
喜太郎  あんた。

 喜太郎、かぐやに腕の縄を触らせて、縄を枯らして粉々にする。

喜太郎  俺、全部うまくできないけど、喧嘩だけ強いんだ!

喜太郎が、ゴーストバスターたちと戦う。
   ゴースト倒れる。
   倒れてるゴースト、8×4を噴射する。
   かぐやはその空気につつまれより弱る。
   喜太郎、かぐやを見て ゴーストを倒してから、かぐやを背負い
   ゴーストが追いかけようとする。
   その場をはける。

シーン 会話

   喜太郎、かぐやを背負い歩いている。
※ かぐやよくタイミングで、目を覚ます またを目をつぶる

喜太郎  もう大丈夫かな。うーん。
かぐや  (うなされている)
喜太郎  かわいそうだな。

  村から逃げようとしてる霊媒師と出会う

霊媒師  あんた、あいつらを殴ったって本当か?
喜太郎  ああ。
霊媒師  なんで?
喜太郎  好きじゃない。ただ、それだけだ。
霊媒師  霊媒師を代表してお礼を言う。ありがとうな。
喜太郎  え? 
霊媒師  あいつらは、霊をゴミとかと同じように扱う。
喜太郎  うん。
霊媒師  霊も元々は、人間だってことを忘れてる。
喜太郎  確かに。
霊媒師  俺は、霊感が全くないし除霊なんて一切できない。
喜太郎  霊媒師なのにか?
霊媒師  ああ。
喜太郎  なんで?
霊媒師  俺の親は早くに死んでな。
     きっと、俺を残して死んでいったことを
     悔やんでいると思うんだ。だから、会って感謝を伝えたいんだ。
喜太郎  霊感ないのにか?
霊媒師  ああ、霊感はない。
     ただ、霊の近くにいなきゃ奇跡の起きようがないだろ。
     近くにいなきゃ伝えられないだろ。
喜太郎  近くにいなきゃ伝えられないか。
霊媒師  ああ、近くにいなきゃ伝えられない
喜太郎  そういうもんか。
霊媒師  ああ、
     霊感のない霊媒師の事を世間では何というか知っているか?
喜太郎  インチキ?恥知らず?サム?時代遅れ?ダサい?不潔?
     口の周りが柴犬の肛門みたい?
霊媒師  やめろ!!俺の見た目言うな!
喜太郎  当てろって言うから。
霊媒師  正解は、霊感のない霊媒師の事を世間では、犯罪者と言うんだ。
喜太郎  なんで?
霊媒師  ああ、結構な金を貰ってるからな。 
喜太郎  貰わなきゃいいだろ。
霊媒師  こんな楽な仕事をしたらやめれない。わかるか?
喜太郎  わからない。
霊媒師  親に会いたいだけなのに、
     親に一番見られたくない姿になってしまったんだ。
喜太郎  やめたらいいだろ。
霊媒師  罪悪感もなくなってきてるからな。無理だ。
喜太郎  何を言いたいんだ?
霊媒師  あいつらを殴ってくれたお礼に、
     人間は矛盾を抱えて生きる生き物だと教えたくてな。
喜太郎  犯罪者が語るな!
霊媒師  ああ、犯罪者だから語るんだ。説得力がないから語るんだ。
     これも矛盾、抱えて生きるしかないんだ。
喜太郎  あんたは矛盾を抱えなくていいぞ!
     金を貰わなければいいだけだ。
霊媒師  それは無理だ!来月も除霊の仕事でぱんぱんだ。 
     別荘のローンもあるしな。続けるしかない。

  霊媒師はける。

かぐや  なんだあいつは? 
喜太郎  意識が戻ったか。
かぐや  ずっと前に戻っている。
喜太郎  そうか。
かぐや  近くにいたって伝えられない。
喜太郎  うん・・・伝えようと思わないと伝わらないんだな。
かぐや  そういう・・

  喜太郎、歩き出す。
   かぐや、うつむき黙って乗っている。

シーン

   喜太郎がかぐやを背負っている。
   かぐやと喜太郎が話している。
  
喜太郎  うちの庭は今が一番いい時期だ。
     花がこれでもかってくらい咲いている。見に来ないか?
かぐや  ・・・いや、 
喜太郎  花を嫌いか?
かぐや  うーん。(枯れことを思い出して)嫌いだ。
喜太郎  そうか。そういう人もいるな。
かぐや  なぁ、お前は本当に死にたいのか?
喜太郎  え?・・借金は苦しいしなぁ、
     あと、ほっておけない霊がいるしな。
かぐや  ほっておけない?
喜太郎  何を言っても聞かないからな。
      霊になれば聞いてくれるかもしれない。
     なれるかも分からないし、
     なっても聞いてくれるかは分からないけど、
     死なないことには始まらない。
かぐや  そんな考え方してたら、何もうまくいかないぞ。
喜太郎  (馬鹿笑いする)うすうす気が付いてたけど、仕方ない。
かぐや  そいつに会わせろ。
喜太郎  え? なんで?
かぐや  なんでって、・・・・気まぐれだ。
喜太郎  そうか。そいつは、ずっと家の近くにいるから。
     そいつに会ったついでに、花を見ないか?
かぐや  花は見ない。

 草木、少しかれる

シーン 太助

  太助、かぐやを刺そうとして、思いとどまり自分を刺す。
   痛がり苦しむの繰り返し。
  
  喜太郎とかぐや出てくる。

喜太郎  ずっと、自分を刺して苦しんでを繰り返しているんだ。
     話は聞かないし、うめき声しかあげない。
かぐや  ・・・・・・・・
喜太郎  どうにかしてあげたいんだけどなぁ。
かぐや  太助!!!!!!!!!!!!

草木が枯れ果て、喜太郎は倒れる。

シーン
 太助は繰り返してる。かぐやは、ただ見ている。喜太郎は倒れる。

村長と権蔵

村長   南の方の村で、村中の草木が枯れて何人も倒れてるらしいな。
権蔵   そうみたです。この一週間で周りの村の草木も壊滅したらしいですよ。

ゴーストバスター出てくる。

ゴースト それはどこだ?
村長   え?
ゴースト ここにいた悪霊が移動したんだろう?ほら。
村長   あ・・胡蝶蘭がが元気になってる。
権蔵   移動することもあるんですね。
ゴースト ない。初めてだ。なめやがって!

   ゴーストはける。

シーン  太助 
 
(N)  祟りだ!逃げろ!
     世界中から霊媒師を呼べ!もう二週間もこんな状態だ!

太助は繰り返してる。かぐやは、ただ見ている。喜太郎は倒れる。

町子出てくる。
   町子、喜太郎に話しかける。
   町子とのシーンでは、喜太郎は喜助。

町子   喜助、喜助。 
喜助   また、外で寝てた。
町子   何度いってるだぞ 意識なくなるまで、探すな。
喜助   それでも、見つけられないんだから仕方ない。
町子   うーん。姫っていうのは、そこまでの女か?
喜助   ああ。
町子   じゃあ、なぜ太助は好きにならん?
喜助   きっと、好きだ。
町子   じゃあ、なぜ言わん? 
喜助   俺らの親はな、姫の翁に殺されたから。
町子   え?
喜助   殺されたって直接的ではないけどな。
町子   そうか。
喜助   みなしごになった俺らを拾って育てたのも翁だ。
     翁に復讐するために、受け入れた。
      でもな、姫に恋をした。
     俺は馬鹿だから、恨みより恋をとった。
     太助は頭がいいから、恨みと恋がずっと戦っている
町子   苦しいな。
喜助   たぶんな。
町子   愛が勝ったら?
喜助   姫と生きていくんじゃないか?
町子   恨みが勝ったら?
喜助   どうだろうな?考えたくないな。
町子   喜助はいいのか? 
喜助   うーん、姫のことは好きだ。
     でも、その気持ちが叶わなくても幸せがある事も
     知っている。だから、俺は矛盾だらけだ(馬鹿笑い)
町子   私は喜助の一途さが大好きだぞ。
喜助   町子、ありがとうな。
町子   分かった!月夜に輝く太陽とは喜助の事だ!
喜助   え?
町子   そんな矛盾したものはあるわけないんだ。
      あるとしたら矛盾した中で輝く喜助の気持ちだ!
喜助   そうか。俺か!
町子   そうだ!喜助だ!
喜助   じゃあ、姫に月夜に輝く太陽とは俺だって言って来ようかな。 
町子   行って来い。
喜助   そしたら、どうなるかな?

喜助、町子  探すのを諦めたと思われる(2人馬鹿笑い)

喜助   探してくるって、出て行って、手ぶらで帰ってくるんだもんな。
町子   それは無理よ。馬鹿にしてるとさえ思われるな。
喜助   だから、探すしかない!

喜助、町子はける。

  翁でてくる。

翁    かぐや、かぐや、なぁ。(マッチに火をつけなげる)
 
  屋敷に火が付く

翁    かぐや、必ず仕返ししてやるからな。

翁はける。
かぐや  なんで? なんで?

   太助はかぐやの方を見るが、繰り返す。

喜助、落ち込んでててくる。
町子でてくる。
喜助  やっと、見つけたのに 見つけたのに
町子   ずいぶん、昔にお屋敷は火事でもえたみたい。
     みんな亡くなったって噂。あくまで、噂。
喜助   そうか、死んだらどうなるんだろうな。
町子   お星さまになる。
喜助   あ・・・・・姫は月になりたいって言ってたな。
町子   月。
喜助   月は大きいから、一人じゃ寂しいだろうな 

   喜助、町子はける。

かぐや  なんで?なんで?なんで?

翁、太助を探し歩き続ける。

  霊媒師、逮捕されて歩いている。

  喜助と町子でてくる。

町子   なぁ喜助。
喜助   ん?
町子   姫のこと好きでいい。そんな喜助にひかれている。
     だけど、一回だけ抱いてくれないか?
喜助   え?
町子   抱いてくれ?
喜助   ・・・姫のことが好きだ。
     町子のことは、姫への気持ちとは違うけど、
     好きだ。ただな、抱くって事はおっぱいを見ることだろ?
     男はおっぱいをみると気持ちが冷めるんだ。
     見たいのに冷める。矛盾だよな。

町子   喜助、おまえは、おっぱいを勘違いしているぞ。
     おっぱいはそんなもんじゃない。 
     おっぱいの前では矛盾に正論、どんな理屈も赤子と同じよ!

 喜助、町子はける。

かぐや  もうやめろ。やめろ。もういい、もういい。
     許すからやめろ。やめろ。やめろ。 
     やめろ。やめろ・・・・ごめんなさい。
     ごめんなさい ごめんなさい
     やめてくれ。私が悪かったから、自分を責めるな。
     翁がしたことは、薄々気が付いていた。
     重たい現実から目を背けた。
     向き合えなかった私が原因だ。
     だから、自分を責めるな。
     私が悪いんだ。 
     向き合ったら、太助がいなくなりそうで怖かった。
     自分を責めるな。

  太助、動き止まり、かぐやを見る。
  翁、彷徨っている感じで歩いてくる。
  翁、太助を見つける。

かぐや  翁。
翁    あ。ああああ(言葉は話せない)

翁が太助の方に行こうとする。

翁   (急に倒れる 立ち上がり、太助にむかう)

ゴーストバスターズ出てくる。
  前回より強い装備。

ゴースト 幽霊が怨んで死んだら、何になるんでしょうか?
     そんなことを夏休みの自由研究にするのもいいかも。

ゴースト 除霊をはじめる
翁は太助を刺すか殴るかしている
太助は反抗せず、やられている
かぐやはゴーストから逃げうとする
かぐや 捕まる
かぐや、激しく抵抗する
かぐやピンチになる
太助、翁をしりぞけかぐやのほうへ
かぐやのピンチを太助、翁がかばう

喜太郎、出てきて

喜太郎  恥ずかしいけど、俺にも殺意があった。

  喜太郎、ゴーストを倒す
  喜太郎、かっこいい殺陣的なことを出来たら

ゴーストはける

喜太郎  大丈夫か?
かぐや  太助、自分を責めるな。 
喜太郎  ん?
かぐや  好きって言えてれば、変わってたかな?
     ごめんな。気持ちを伝えるべきだった、ごめん。
 太助、首を振りながら、笑顔

かぐや  翁、太助を憎むな。翁がしたことは消えない、変わらない。
     同時に、翁が私を愛した日々も消えない。ありがとう。 
     
 太助、翁 成仏する。

喜太郎  お前、(太助)いい笑顔してるな。知り合いだったのか?
かぐや  まあな
喜太郎  本当にありがとうな あいつ、笑顔で成仏できた
かぐや  ・・・・すまん。
喜太郎  なにが?
かぐや  長いこと意識失わせて。
喜太郎  長いこと意識を失ってた。 本当に死ぬんだと思ったらさ
     死にたくないもんだな
かぐや  当たり前だ
  
  かぐや、周りをみわたし

かぐや  すまん。お前の所の花も枯れてしまったな。すまん。
喜太郎  ありがとうだ。
かぐや   え?
喜太郎  周りは枯れてるのに、うちの庭の花は枯れてないんだ。
     それで、みんなが売ってくれってすごくてな。
     売っても売っても売ってもなくならないくらい咲いてるからな。      
かぐや  そうか。
喜太郎  すごい綺麗だから、見てくれ。

シーン  ひまわり

喜太郎  なあ、綺麗だろ?
かぐや  ああ、見たことないくらい綺麗だ。なんという花だ?
喜太郎  うちの先祖が、南の南の南の方から、持ってきた。
     一般的にはひまわりと呼ばれる花だ。
かぐや  ひまわり?綺麗だな。一般的にはってどういうことだ?
喜太郎  うちでは、先祖代々月夜に輝く太陽って呼んでる。
かぐや  え? 月夜に輝く太陽
喜太郎  長いけどな。そう呼んでる。
かぐや  喜助、
喜太郎  なんでうちの先祖の名前を知ってるんだ?知り合いか?
かぐや  知り合いもなにも。そうか、見つけてきたのか。 

 かぐや、ひまわりを見ている。
   喜太郎、かぐやの姿を見ている。
   町子でてくる。

町子   喜助。
喜助   え?
町子   抱いてくれたのは、ありがたいけど。
     抱いた後にどっかにいかれると、とても寂しいぞ。
喜助   すまん、ビックリしてな。
町子   ビックリ?
喜助   ああ、おっぱい見たら、さめるとおもってたけど。
     今もドキドキしっぱなしだ。
町子  (笑)当たり前だ 
     喜助はおっぱいを見たとおもってるかもしれないけど
     私は、おっぱいを見せたんじゃない。心を見せてるんだ
喜助   心を見せる
町子   女の心はなぁ、嫉妬して、泣いて泣いて、
      いじわるで優しくて優しくて、
     強くて弱くて弱くて、強がって強がって強がって、
     自分に強がって、
     愛されたくて愛されたくて、愛して愛して愛して愛して、
     素直が何かわからなくなって、
     強がって、めちゃくちゃだけど、とっても素敵なんだ。
     そんな心を見たらドキドキするにきまってる。
喜助   そうか、女ってのは素敵だな。
町子   素敵だ。
喜助   男はだめだな。
町子   ううん、女は心を開ける男に出会えたら、
     世界一幸せだと思えるんだ。
     そう思わせるんだから、男も素敵だ。
喜助   そうかそうか、(月にむかって)姫、姫の事は好きだけど。
     好きだけど、町子の事を、もっともっと好きになりそうだ。
     言った通り、姫を振る事になった。ごめんな。
町子   作戦通りだな。
喜助   え?
町子   女ってのはしたたかなんだ。もう寝よう。
喜助   ああ、(月見て)姫も誰かにおっぱいを
     見せれたらよかったなぁ。
町子   ねぇ、なんでおっぱいみたら冷めると信じてたの?
喜助   子供の頃、姫の風呂をのぞこうとしたら太助に言われたんだ。
    
 町子はける。

かぐや  (ひまわりを幸せそうに見ながら)そうかそうか、そうか。
     約束を守ってくれたのか。そうか、そうか(喜太郎をみて)
     お前がいるってことは、そうか そうか、
     他の誰かを愛したんだな。
     言った通り、振られたのかもな。それでもいい。
     本当にきれいだな。
喜太郎  なぁ?
かぐや  どうした?
喜太郎  どんどん見えなくなってきてる。
かぐや  え?

かぐや、自分の体を見て。

かぐや  ああ・・成仏ってやつかな?
喜太郎  え? だったら早く殺してくれ
かぐや  もう必要ないだろ。
喜太郎  霊にならないと。一緒にいれないだろ。
かぐや  え?
喜太郎  一緒にいられないなら、生きてる意味ないだろ。成仏するな。
かぐや  無理を言うな。
喜太郎  成仏するな。
かぐや   無理を言うな
喜太郎  ブス・・ブス・・ブス
かぐや  やめろ お前に怒る気にならない
喜太郎  成仏するなよ
かぐや  あ・・・おっぱいを見せてやる。
     男っていうのは、おっぱいを見たら
     気持ちが冷めるそうだ。それでいいだろ? 
喜太郎  見たい見たい見たい。でも、でもでも、
かぐや  なんだ?
喜太郎  成仏するなら、見たくない。
かぐや  はぁ?おっぱい見てさめろ。 
喜太郎  逆だ。おっぱいを見ると好きになり過ぎちゃうから。
     こいつだって決めた女のおっぱいしか見ないようにとの教えがある。
かぐや  え? 冷めるんじゃないのか
喜太郎  見たいのに、冷めるって そんな悲しくできてない
かぐや  じゃあ、なんで最初におっぱいを見せてくれって言ったんだ。
喜太郎  こいつだって決めたにきまってるだろ。
かぐや  なんで?
喜太郎  決めるのに、理由なんてあるわけないだろ
かぐや  私は死んでるんだぞ。
喜太郎  それくらい、乗り越えられると思ってる。
かぐや  (笑顔)
喜太郎  (かぐやのことをよりみえなくなってる)あ・・・・
かぐや  喜助なのか、喜太郎なのか、自分でもわかないけど、
     恋に落ちたまま成仏できそうだ。 
喜太郎  あーーーおっぱい見たいな、見たい。
かぐや  どうするんだ?
喜太郎  逢えなくなるしなぁ、つらいなぁ、どうしようかな。
かぐや  もうそれだけ悩むなら、見せたいよ。 

  かぐや、はしゃぐ感じでおっぱいを見せよする。

かぐや  おっぱい見て、会えない私を一生愛せ
喜太郎  うん、見る。逢えなくても一生好きでいる。見せてくれ!
かぐや  馬鹿!

 かぐや、喜太郎に抱きつく。

かぐや  生きてるおなごを、好きになれ。月から見てるからな。ありがとう。

暗転

シーン 最後 

 喜助、一人で抱きしめた状態。

喜助  (月見て、素敵に微笑む)

おしまい

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