誕生時間を書き記しておくべきこと

 現代日本においては、よくドラマなどに出てくるシーンに、誰かが亡くなった時、お医者さんが「○時○分、御臨終です」などと言って、亡くなった時間を正確に言う習慣がある。

 しかし、死んだ時間を正確に覚えておいても、その後の年忌などで使った例(ためし)がない。命日(亡くなった日)で十分である。

 逆に生まれた時間は、母子手帳に記されているが、例えば7:00生まれや、13:30生まれなど、切れのよい時間の人が案外と多い。しかし、本当に正確に7:00や13:30にその人が生まれたとは思えない。

きっと、産婦人科の先生がへその緒を切るなどの作業をした後、机に向かい、時計を見て、大体の時間を記したと思われる。

 古代インド占星術では、その人の生まれた年月日時を基にホロスコープを作成する。しかし、仮に生まれた時間が10分ズレていたら、アンタルダシャ(副運気)が数か月ぐらいズレてしまうこともある。

 インドでは、生まれた時間は正確に書き留めておく。なぜならインド人は、生まれた瞬間にその人の一生が定まっているということを知っており、自分のホロスコープを知って、生きる指針とするからである。

 例えば、どんなに愛し合っている恋人でも、ホロスコープの相性が良くなければ、結婚を断念してしまう。最近では九星の配置を記したパンチャーングの未来版が出ている。つまり、現代医学ではある程度、出生日をコントロールできるから、できるだけ星回りの良い日に我が子を産もうとするニーズによって、未来のパンチャーングが発行されているのである。それほどにインド人は生まれた瞬間に定まる命運を信じている。

 そして、このことは全き事実である。だから提唱したい。日本においても生まれた時間を正確に書き留めておくことを習慣とすべきである。死んだ時間など、どうでもよいではないか。もう死んでしまったのだから。生まれた時間こそが大切である。産婦人科の医師・看護師、またご主人や身内の方にはぜひ、赤ちゃんが「オギャー」と産声を上げた瞬間の時刻を正確にメモってほしい。古代インド占星家からのお願いである。

 

 

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