生殺与奪の権を自分で握りたい

半導体の生産をめぐり、中国vs資本主義諸国の戦いが繰り広げられている。ただし、資本主義諸国も一枚岩ではない。キオクシア買収をめぐり日米間で綱引きが行われているように、やはり自国のことが一番大切だ。有事の際、自国や自社を優先する姿勢は誰にも責められないだろう。

日米は一蓮托生といえど、地理的には大きな隔たりがあり、なんだかんだ言っても別の国だ。また、海外との往来が制限されたことや、ワクチン一回目接種もまだまだな国がある一方で三回目の接種をしようとしている国もあるという事実もあいまって、自国で生産することの大切さが取りざたされている。

私の勤め先でも、半導体では無いが、とある原材料を外部から購入するのではなく自社生産を強化しようという流れのもと、自社工場の建設案が取締役会で承認された。

個人的にもやはり、困ったときに他者に依存しない体制を保持しておくことは非常に重要だと感じる。例えばワクチン接種、早く受けたいのに受けられない。ワクチンの生産も各地への供給も自分の制御下に無いのがもどかしい。生殺与奪の権を他人に握られている感覚。

半導体の生産は、製造コストが安くつくからという理由で、台湾のTSMCのようなメーカーにお任せする流れが主流だった。つまり、大事なのは経済性だった。しかし、この流れが変わろうとしている。多少のコストダウンより安全保障を。安全が脅かされたことで、多少割高になったとしても、自分で自分の面倒を見られる体制を整えるべきだという機運の高まりを感じる。


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