犬のはなし２

犬は、写真をみていただいたらわかるが、ソフトバンクのCMのお父さんにそっくりだった。お父さん犬がCMに突然現れた時は驚いた。おとうさん犬の正体は北海道犬で、白い柴犬ではない。でもそっくり。

しかもあのCMは息が長かった。シリーズ化され、お父さんはかなりの間テレビに出続けた。

なので、散歩の時には「あ、おとうさん」と呼びかけられるようになった。だいたいガン見され、呼びかけられ、柴犬で人に懐かないにも関わらず、近所での有名犬になった。田舎町に引っ越してきたばかりで近所に知り合いのいなかった母だが、一瞬で犬友達を作りまくった。

大五郎はよく逃げる犬だったが、逃げた時には、飼い主が気づいていなくても、近所の人がやってきて教えてくれるようになった。「おたくの白い犬、道路を走ってましたよ。」慌てて捕まえに行き、犬は何度か命拾いした。

母とよく言っていたのは、人間でいえば、私らの世代だったら「キムタクそっくりな人」みたいな感じかなあ、って。ソフトバンクのお父さん犬はそのくらい、犬業界のスターだったから、おかげでみんなに声をかけてもらえて、本当にありがたかった。

お父さんといえば。母娘二人で暮らしていた私たちだが、普通に父親ができたようでもあった。

母との２ショットは老夫婦のようだ。

私が今の夫を連れてきた時は、父は反対するかと思ったら、一瞬で懐いた。もう、びっくりするほど懐いた。飛びついていって、ずっとあとをついていっていた。男同士だからだろうか。よく二人で１時間くらい、散歩に行っていた。

家族旅行にも行った。