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虎屋に行ってきた話

以前のnoteで「老舗の流儀」の読書メモを書いた。

この中で実際に虎屋もエルメスも僕は体験したことがなかったので、実際に虎屋に行ってみた。

虎屋行ったことある人ならわかると思うんだけど、虎屋は”虎屋感”がすごい。
言葉でいうと、古くからの日本の伝統的なハレの日感、という感じだろうか。
和装の結婚式のような、凛として、清潔感がすごいというか。

お店の佇まいはこんな感じ(公式HPより)

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赤坂の中では際立って低いビル。というのが印象。
老舗の流儀の中でも書いてあったが、最初は立て直しに際して高層化することも考えたらしいが、自分たちに必要な領域をを考えた結果、このくらいの高さになったみたい。どういうプロセスで考えるのかすごく気になる。

店に入ると1階が待合場所、2階が販売店、3階が茶寮となっている。

1階の待合場所に虎屋のロゴ入りの円盤?があり、その横にはかぼちゃが。

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ハロウィンだからかぼちゃ飾ってるんですか?と俗っぽいことを聞くと季節のものを飾るようにしてます、という素晴らしく風流な返しをいただく。
また、このかぼちゃとか花の飾り付けは専用の花屋さんがやっているのだそう。

そして、その花屋さんは虎屋さんからお菓子を仕入れているらしく、ローカルで経済が回っている感じ、良いなぁ。などと思う。

2階はこんな感じの売り場フロア(この写真は公式HPより)

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並んでいて、気になった商品をいくつか紹介。

色とりどりの羊羹。羊羹は透明な表面の感じが素晴らしいと思う。

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夜の梅という、竹皮に包まれた羊羹。

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誕生から200年経ってるらしい。

200年?!ってなりますよね。だって1819年から売ってるんでしょ。
もはや幕末ですらない。ちょっと何言ってるのかわからないレベル。こういうポップがサラッとおいてあるところに歴史の厚みを感じる。
(そしてこれを買い忘れたことは地味に後悔している、、、)

そしてその他にも贈答品として包む用の風呂敷とか、

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五輪あやかってる系の羊羹とか、(これはちょっと欲しい)

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無糖小豆茶とか、(これどんな味するんだろう)

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お汁粉用の粉とか、(さらっとお正月にこういうものが出てくる家、いいよね)

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みたいな感じで和のハレの日感を感じるグッズが沢山売ってて非常に楽しい。
日本の祝い事とか良かったことに虎屋のお菓子はよく似合うなぁ。というのが感想。

3階、菓寮。

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営業は11時から。

もちろんキャッシュレスにも対応。

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こんな感じの外光をよく取り込める作りになっていて、外の緑を楽しみながらお菓子や食事をいただける。

今回は7人で行ったので、色々なお菓子をいただけた。

羊羹

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栗粉餅

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栗羊羹とお抹茶

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お抹茶(上空から)

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おわかりだろうか。

器の佇まい感。

羊羹は表面がつるっとしていて、中がザラザラしていることが美しいと思う。
素材の荒々しさを中に隠して、職人の仕事で美しさを表面に出しているから。

負けず劣らず、この器も表面が異常にツルッとしているのだ。
皿を洗って拭いたことがある人ならわかると思うが、皿をきれいに拭くのは結構難しい。しかも黒い皿。毎日使うものなのにここまできれいなものに物作りの手前のところから丁寧な仕事を感じる。

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そしてこうやって菓寮に入る前に製造しているところをちらっと見せてくれる。

言うなれば、虎屋菓寮は虎屋はこうやって食べるんですよ。と教えてくれるような感じなのだ。

虎屋の世界観を外(器、店内の雰囲気)からも中(胃袋)からも楽しめる設計という感じを味わって、和菓子を食べているだけなのに非常に楽しい。特別な日ってこういう感じだよね。と思う。

500年続いているブランドの世界観をすごく気軽に楽しめる、良い日でした。

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あと、この文章を書いていて気づいたのだが、この反射するほどの器や、外光を多く取り込むデザインの店舗、羊羹というお菓子の組み合わせは季節感をすごく感じられる組み合わせなのではないだろうか。

黒い器=無(上品な味集中カウンターとも言いかえられる)
反射する羊羹=本日の催事
外からの光=季節感、周辺環境の記憶。

と、考えると和の文化として季節の変化を取り込む、日本庭園的な体験設計をしているのではないか、という気もしてきた。

季節ならではの風景を職人の手仕事とおもてなしで体験できるのはあまりないかもしれない。

そして、この体験を通じて、誰かに話したくなる、という意味では虎屋は非常に強いブランドだなぁ、と思った。

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今日の学び。

これからのブランドは体験に紐付いていくんだろうなぁ、ということを体験を持って知った。

老舗の流儀の中でブランドは土着のユースケースの中で生まれてきた、ということが書いてあり、ブランドとしてのアイデンティティやストーリーはその土地の特徴や歴史に紐づくイメージがあるのはすごく理解できていた。

ただ、デジタルネイティブな会社が増えていくに連れ、土着のアイデンティティから離れたときに、何をブランドの拠り所とするの?というのは疑問だった。

今回の虎屋のように通底されるブランドテーマ、世界観のようなものを感じると、土着というよりは、世界観とリアルな体験がブランドの拠り所となるんだろうなと感じる。

世界観、となるとコントロールが非常に難しいものでもあるので、ブランド企業はよりコアバリューの深化とコアバリューから出せる新しい価値の発見に集中するべきで、無用な多角化は世界観の崩壊に繋がりうることを覚悟したほうがよいのだなぁ。などと。

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また行こ。

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