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正直者

今日は子どものサッカー体験(親子教室)に付き添いで行く。友達が入っているので親子教室の今日にどうかということだった。はじめて子どもと小学校というものに入る。校庭がある。それだけでなんかぐっとくる。広さと砂の感触がなつかしい。

コーチが簡単なトレーニングメニューを紹介してくれてそれを親子でやる、というものだけど、自由にボールが蹴れると思っていた子どもはテンションが下がっている。わかるぞ、と思う。あーあ、自分に似ちゃってるなと思う。

ほどほどにこなしたあと、子どもチームと親チームに分かれての試合がはじまった。「怪我はしないように! 本当に怪我しちゃう人多いので(笑)」と一人のお父さん(コーチ?)が他のお父さん達に声がけをする。自分もついにこっち側にきたのか・・・ と思う。妻が見ているので、全然活躍しないのもなんか気まずいし、かといって本気でやりすぎてもおかしいので、力の出し加減がむずかしい。いかに適切に親子サッカーの親の方の役割を演じられるか、という高度な演劇が親たちのあいだでは繰り広げられている。僕はほどほどにやったと思う。

3試合くらいあったが、子どもは途中からはゴール付近でお兄さんたちと駄弁ったりもしていた。親バカというか、思い過ごしかもしれないけど、本当に似てしまっている。わかるぞ、としか思えない。僕もサッカーを習ったり、野球を習ったり、ピアノを習ったりしたけど、教わる、とか、決まりがある、という立場になったとたんに、あんなに楽しそうに見えていた世界が急に色あせてしまった。基本は勝手にやりたいし、勝手にやるために必要なことは自然と自分からつかみにいくものだ。それでも僕は当時、無理してでもしばらく続ける、ということをしていたけど、いま、子どもの態度はまだ正直者である。子どもを見ることで自分を思い出していく。

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