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木との時間

昨日渋谷に行ったときに、国際卓球という卓球用品のお店の前を通った。店舗は違うが、卓球部だった中学生時代に、最初にラケットを買いに行ったお店だ。昨日は素通りしてしまったけど、夜、ふと気になってお店のサイトを見てみた。ずらりとラケットが並んだ商品一覧ページを見ていたら、そうだ、自分はこの「木とコルクとラバー」があわさった物体、一本のラケットとともに、中学校の3年間を過ごしたんだと、急にいまのジャグリングの視点から、当時のことを思い返した。スポーツとして卓球をやっていたのだけど、ジャグリング的にみると、僕は毎日「木を握っていた・振っていた・打っていた」ともいえる。使っていたのは閃光10というペンホルダーのヒノキの単板のラケットだったが、卓球というスポーツを通して、その1枚板の質感・特徴をいろんな角度から感じて、それと自分との関わりを調整していたともいえる。その練習だったともいえる。

ますます木が買いたくなってきて、今日は近所の島忠に木材をみにいった。イメージとしては青木くんと行った伊東屋で見たこけしみたいな置物をつくってみるかと思っていたけど、ぴったりとくる安めの木材はなかった。うーん、と思っていたら「端材(詰め放題)」と書かれた500円のコーナーを発見。これだ、と思って30個くらい詰めて帰ってきた。

とりあえずスマホバッテリーみたいな形のやつを適当に彫刻刀で彫りはじめる。気持ちがいい。この前はゴム板を彫ったけど、やっぱり木のほうがいい。特に行き着く先はなく、ジャグラーっぽく握ったときの心地よさを目指して彫っていたが(最終的には小判みたいにするのがいいかなとは思っていた)、一辺は絞った感じにして、立たせたらなんかそれっぽかったので写真を撮ったらさらにそれっぽかった。この「それっぽい」というのは作業からも感じていて、たぶんジャグリング道具をつくる光景よりも、彫刻刀で木を彫る光景のほうがそれっぽいんだろうなと思った。できたものも、なんかそれっぽい。でもこのそれっぽいというのが、自分のテンションも上げてくれて、驚きもあって、要は楽しいということでもある。

あとは「身体に悪くなさそう」というのがいい。ジャグリングの道具づくりはプラスチックの粉が出たり、接着剤で部屋の空気が悪くなったり、ビーンバッグづくりでさえもホコリに気をつかったりするが、木という素材には(たぶん)そんなに不安がない。これも心地よさにつながる。ついでに木のにおいもいい。

つくりながら青木くんとLINEをしていたらどんどんアドバイスをくれて、積み木とか、ジオラマとかが、今後のヒントになりそうな感じ。急に大きな展開にはならないと思うけど、単純にエクササイズとしてもいいものだと思う。

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