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2021/10/13【支持率低下が深刻!】バイデン政権の対中政策が変わる?【世界情勢】#22

今回は、引き続き、アメリカのバイデン政権が支持率をこれ以上落としていくケースに於いて、対中政策がどのように変化する可能性があるか、についてお話をしたいと思います。

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直近のバイデン大統領の支持率は、リアルクリアポリティクスのデータですと、10月第一週で43.3%まで下落しています。これが、ますます元々異なった意見を持つ議員達の主義主張が噴出し、その結果、足並みが揃わず迷走する、そして、バイデン大統領がその最大公約数を上手く取ろうとしてもブレている印象が拭えず、ますます支持率が下がるという悪循環を生み出す可能性があります。

そこで、今日本が気をつければならないのが、前回お話の通り、安全保障問題です。
以前からくすぶっていた民主党の中国融和路線を一部御紹介しておくと、急進左派のバーニーサンダース氏は、6月にForeign Affairesという雑誌で、現在のバイデン政権の「冷戦思考」を批判しています。具体的になんと言っているかというと、
・米中対立を「ゼロサム(一方が得をしたら他方がそのままの損になる)」といった経済・軍事に於ける争いとみる国内や同盟国同士の同意の形成(これが冷戦思考)はきわめて危険」
・世界が直面する課題として「気候変動、コロナ、核拡散、経済格差拡大、テロ、腐敗、専制」をあげ、「これらの難問は中国の協力抜きに解決できない」
といった内容ですが、これに同調する意見が民主党内にあるのも事実です。

今回の動画はこちら↓

確かに、融和を模索し続けることは重要なのですが、一方で、バイデン政権は明確に、中国に対する見方として、アメリカや他の民主主義国が支持する世界秩序を中国が本気で受け入れることはあり得ず、中国の利害は米国の利害と対立している、という政権独自の分析(トランプ政権の政策を引き継いでいる訳では決してない)があり、皆さんよくご存じの通り、中国の軍事的脅威に対抗し、中国包囲網を同盟国と構築する方針でここまで来ました。

ただそんな中で、国家安全保障会議の中のカートキャンベル、インド太平洋調整官、このポストは、バイデン政権で新設されたのですが、彼が7月に、台湾との関係について「強力で非公式な関係を支持しているが、台湾の独立は支持しない」と発言しています。これは明らかに中国を刺激したくないとの意識であって、基本的には対話と圧力、アメとムチを使い分けながら軍事紛争が起こるまで追い詰めないギリギリを狙う戦略は理解しますが、もしバイデン政権が、公約数を取る手法を外交でも使用し、これ以上、過度に中国に甘い顔をするならば、日本の軍事紛争時の危機は高まりますので、そろそろ、万が一アメリカが、今の強硬姿勢を変更するリスクに備えねばならない時期が来ている気がします。


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