見出し画像

2021/10/8【バイデン政権の現状】民主党の党内対立が酷い!?【世界情勢】#20

今回は、前回に引き続き、「民主党の党内対立」についてお話をしていきたいと思います。

スクリーンショット 2021-10-11 9.10.48

今回、今年度の予算案が昨年度内に通らず、政府閉鎖やデフォルトの危機にまで発展しているのは、民主党内の対立にある、と前回申し上げました。
そもそも、民主党という党は「一枚岩」ではなく、党内結束が弱いという欠点があります。
民主党が掲げる「リベラル」の定義は幅広く、右派、中道派、左派、さらに、リベラルに傾倒し極端な思想や革新的な政策を支持する「急進左派」があります。

今回の動画はこちら↓


皆さんも記憶がおありかもしれませんが、2020年の民主党の大統領予備選挙の際、民主社会主義を掲げ、弱者救済、格差是正の革命を掲げたバーニーサンダース氏が、バイデン候補と激戦を繰り広げました。彼がまさに急進左派の代表で、社会主義的な独自の政策で、昨今リベラル化していると言われている若者たちの圧倒的な支持を元に、終盤まで指名争いのトップを走っていました。
最終的には、このままサンダースが勝つと無党派層や民主党の中道派層を遠ざけてしまい、肝心のトランプ共和党に負けてしまう、と、中道派の候補たちが中道派重鎮のバイデン支持で結束した結果バイデン氏が勝利しましたが、今でも急進左派は民主党内で大きな力を持ち、穏健派の党内対立は無くなっているわけでは全くありません。
そういった意味では、バイデン大統領は、2段階の融和が政治的に求められていて、共和党との激しさを増す対立以前に、民主党内での急進左派との対立を融和し一つに纏める必要があり、それが上手くいっていないことを露呈したのが今回の問題、ということです。

目下、難航している決議案とは、1兆ドル規模のインフラ投資法案と3.5兆ドルの気候変動対策・社会保障関連歳出歳入案についてです。3.5兆ドル歳出歳入法案に急進左派寄りの施策が詰まっている訳ですが、これをこのまま議会で可決まで持っていける可能性は殆どありません。ここに拘って、デフォルト等のリスクを抱えるよりも、規模を縮小して団結しようと中道派が訴えているにも関わらず、急進左派と言われる一部の議員たちが激しく反対している、と言った状況です。しかも本当は既に合意がなされている筈の1兆ドルのインフラ法案さえ急進左派は3.5兆ドルが同時に可決すべきだ、と言いだし、両方の法案が通らない、という事態に陥っています。

バイデン大統領は、大統領自らが議会に足を運んでまで議員説得に動いていますが、歳出規模縮小の方向で急進左派を説得出来なければ、来年の中間選挙での敗北は必至と言われている中で、安定した政権運営が出来るかどうか、この1-2週間が一つの大きな山場です。注目したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?