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2021/10/6 【ガバメント・シャットダウン】アメリカ民主党が党内対立でピンチ?【世界情勢】#19

今回は、前回お話したアメリカ国内問題の中で、今アメリカが陥っている史上初のデフォルト、という危機に発展しかねない状況にありますが、その要因となっている、「民主党内の党内対立」の問題についてお話をしていきたいと思います。

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日本では、8月にアメリカの話題と言えばアフガン撤退でしたが、アメリカ国内では深刻な問題が発生していました。2022年度(2021年10月以降)の予算案の決議が難航している結果、政府閉鎖(ガバメントシャットダウン)と債務不履行(デフォルト)といった問題が、夏以降毎日の様に報道されています。いったいなぜこういった問題が今アメリカで起こるのか、という根本原因が、この「民主党の党内対立」という問題です。

ガバメントシャットダウンとデフォルトについて説明すると、ガバメントシャットダウンは、「議会で予算案決議が難航して期限切れとなった場合に政府機関が閉鎖されること」ですが、今回は、アメリカ議会は年度末ギリギリの9月30日に、12月3日までの連邦政府の支出を賄うつなぎ予算案を賛成多数で可決し、バイデン大統領が署名/成立したことから、当面回避されることになりました。

今回の動画はこちら↓

デフォルトについては、アメリカでは財政悪化に歯止めをかけるため政府が国債を発行して借金できる上限が定められていますが、現在この上限を超えるギリギリという中で、借り入れ上限を引き上げるかまたは上限を無効にしなければ政府の資金が10月18日にも枯渇し、アメリカ史上初のデフォルトに陥る可能性がある、という問題です。

本当にデフォルトになるかどうかについては、議会で法案を成立させる以外にも、回避手段は幾つか存在していますので(一時的な上限の適用停止、一定期間は通常の国債発行を認める暫定延長、財務省による特例措置など)、現実的にそれほど大きな心配は無い(まず起こり得ない)と思われますが、問題は、こういったことが何故今アメリカで起こるのか、ということです。

表向きは、バイデン民主党政権の大きすぎる予算案に対して、共和党が反対している、という単純な図式に見えますが、小さい政府を目指す共和党が大きな増税ありきの大きすぎる歳出案に反対するのはある意味当然であって、今回の最大の問題は、過度に大きな歳出案を党内で妥協若しくは調整しきれない、民主党内の対立にあります。

特に今、急進左派と呼ばれるグループと、中道派と呼ばれるグループでの意見の相違が大きく、これが、共和党と妥結出来る、超党案を作れない最大の要因となっているのです。


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