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ラルの星 8月333日
ラルは音楽を聴いていた。
お気に入りは、
最近、売れっ子の惑星アイドルバンドグループ
「ネビュラ星雲エクスプレス伝説」だ。
ボーカルの絶対神(ゼウス)
ギターの海神(ポセイドン)
ベースの冥府の神(ハーデス)
ドラムの女神(アテナ)
彼らの奏でる惑星音楽波動は破壊力が凄まじい。
新曲「浮遊力100億Gで今日もハッキング」は
リリースと同時に、絶滅危惧種が1種類減った。
ラルもこの曲で心の一つ
ラルの星 7月5A日
友達のエモルが、ラルの家に遊びの誘いに来た。
エモルとは、今ではお互いの家を行き来する程の
仲の良い友達だが、最初、友達になるのは大変だった。
最初、エモルに声を掛けた時、ラルは本気で食べられ
そうになったからだ。
ラルは何度も「あなたと友達になりたい」と言った。
エモルの鋭いキバが、ラルの喉元に食い込む寸前まで
何度も叫び続けた。
そしてラルの叫びはエモルの耳に届き、なんとか
二人は友達にな
ラルの星 6月20日
ラルたちは雲の上に家や道路、建物などの
文明を築いて住んでいる。
雲は土台を作るのに、硬すぎず、柔らかすぎず
丁度よい。
そのはるか上空に、さらに雲が浮かんでいる。
風の影響を受けながら、ゆっくり、ゆっくりと
進む雲の上の雲。
そのラルたちの住む雲のはるか下には、大地と
いう、一度落ちたら這い上がれない硬い土地と、
海という塩が交じっている水の塊が存在する。
ラルは雲の切れ目から、下の世界
ラルの星 6月1.5日
「黄色いちゃん、またね!」
ラルは電話を切り、受話器を頭に戻した。
黄色いちゃんは、バックアップ友達だ。
2年前、黄色いちゃんは事故で自分を失った。
ただ、魂だけはバックアップを取っていたので
バックアップを使って、現在もロビロ・センター
で生きている。
裕福な家庭は、そのバックアップをロボットに
インストールして、姿かたちは変われど、普段の
生活を送れるようになる。もちろん、バックアップ