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夏雨は泡沫のように

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2021年8月の記事一覧

ビロードの掟 第8夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の九番目の物語です。 ◆前回の物語 第二章 夜…

ビロードの掟 第7夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の八番目の物語です。 ◆前回の物語 第二章 夜…

ビロードの掟 第6夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の七番目の物語です。 ◆前回の物語 第二章 夜…

ビロードの掟 第5夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の六番目の物語です。 ◆前回の物語 第二章 夜…

ビロードの掟 第4夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の五番目の物語です。 ◆前回の物語 第二章 夜…

ビロードの掟 第3夜

【中編小説】 このお話は、全部で43話ある中の四番目の物語です。 ◆前回の物語 第一章 シ…

ビロードの掟 第2夜

◆前回の物語 第一章 シトラスの名残り(2)  荻原と飲むときには、いつも決まって行く店がある。それが「平成」という個人経営の居酒屋だ。  既に新しい元号に変わって3年の月日が経過していた。いつだったか名前の由来を店長に聞いたことがある。どうやら平成元年生まれだそうで、それにちなんで店の名前をつけたらしい。まさかこんなにも早く元号が変わると思わなかったよ、と苦笑いしていた。凛太郎と荻原は平成3年生まれなので、ほぼ同世代ということになる。 「よお、凛太郎。さすが時間ぴった

ビロードの掟 第1夜

◆前回の物語 第一章 シトラスの名残り(1) ミーンミンミンミン……。  どこからか聞こ…

ビロードの掟 第0夜

序章 面影 彼女は、僕がこの世で二番目に愛した女性の、唯一無二の親友だった。  どこから…

クリィムソーダの記憶 総集編(A面)

【短編】全14,708字の小説となります。 0. 大切な日のこと 私は今このとき、誰が見てもわ…

#8. クリィムソーダの記憶(A面)

【短編小説】 このお話は、全部で9話ある中の最後の物語です。 ◆前回の物語 追伸 結婚式…

#7. クリィムソーダの記憶(A面)

【短編小説】 このお話は、全部で9話ある中の八つ目の物語です。 ◆前回の物語 ホットコー…

#6. クリィムソーダの記憶(A面)

【短編小説】 このお話は、全部で9話ある中の七つ目の物語です。 ◆前回の物語 砂漠 あっ…

#4. クリィムソーダの記憶(A面)

【短編小説】 このお話は、全部で9話ある中の五つ目の物語です。 ◆前回の物語 拝啓、夏目先生 卒業してから4年が経過した。蝉の声が次第に弱々しくなり、秋が近づきつつあるタイミングで、池澤隼人となんてことない道端で出くわした。池澤は、大学の頃に私が所属していた映画サークルで副代表を務めていた人物だ。  お互い軽く近況を話し終えた後、池澤が思い出したような感じでふっと言葉を漏らした。池澤は鈴木とは違って当時から服や語りのセンスが素晴らしく、映画サークル内でも彼目当てに入部し