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思わず引き込まれた話のまとめ

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ついつい語り口に引き込まれて最後まで読んで感服した話のまとめ。
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2021年6月の記事一覧

贈り主のいないベッドを捨てる、一番ええとこをもらう

25年間も使っていた実家のベッドを、ついに捨てた。 セミシングルというサイズは、大人が寝るには狭く、家族で一番身体の小さな母が、しゃあなし使っていた。腰から下が麻痺している母は、床ずれをふせぐマットを手放せないのだが、マットはシングルサイズしかなく、いつもちょっとベッドからはみ出していたので、ずれてずれて不便だった。 母が二ヶ月入院することになったので、新調に踏み切ったというわけだ。 捨てよう、捨てようと思っていた腰が地面にへばりついてなかなか上がらなかったのには、ふた

落語の、“陰”に咲く“陽”を観たい。

世の中は、“陰”と“陽”でできている。 陰陽のコントラストの狭間には、大きなエネルギーが満ち溢れている。 そして、その狭間に私たちは生きている。 落語は“陰”の文化だと思う。 誤解なきよう断りを入れておくが、陰陽間に優劣は無い。 太陽が優れていて、月が劣っているなんてことはない。 男性が優れていて、女性が劣っているなんてこともない。 陰陽が共に備わることが、万物の構成要素である。平塚らいてう女史とはこのあたりでの価値観が擦り合うようで、もしかすると、そうでないか