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【フロッキン狭小壁】設計マニュアル

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「フロッキン狭小壁」の設計に関する記事を集めました。 採用事例はこちらのマガジンから!https://note.com/daidohant_8700/m/m0c530829020b
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#狭小住宅

24.施工方法-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁の施工方法をご紹介します。 ※基礎打設済という前提で、柱脚金物を設置する工程からのフロッキン狭小壁の施工方法の説明となります。 アンカーボルト設置の芯‐芯距離 350ミリ、基礎天端からの出幅 55ミリ~65ミリを確認してください。 ■手順Ⅰ 基礎の上に専用柱脚金物をじかに置き、丸座金を二枚設置します。      その後、丸座金を介して六角ナットを締め付け、ダブルナットで締め付けます。 この工程で、注意点が2点あります。 ① 柱脚金物の直下には基礎パッキン

22.柱材の積層方向とスリット方向、FHD金物設置方向-「フロッキン狭小壁」

柱材のラミナ積層方向とスリット方向、FHD金物の設置方向についてご説明致します。 ラミナ積層方向・スリット方向・FHD-50の羽根方向は施工ミスが起こりやすいため、ご注意いただきたいポイントです。 フロッキン狭小壁は、面材張り方向と柱材のラミナ積層方向、柱の柱頭柱脚のスリット方向が同方向になります。専用柱脚金物のFHD-50の羽根方向も同方向です。 下の図をご確認いただくと分かりやすいと思います。 なお、直交梁勝ち納まりの柱頭部のみ、右端の図の様に専用柱頭金物のスリット

23.直行梁勝ち納まりと、通し柱納まり時の梁受金物-「フロッキン狭小壁」

直交梁勝ち納まりと、通し柱納まり時の梁受金物についてご説明します。 フロッキン狭小壁が直交梁勝ち納まり、又は通し柱納まり時の梁仕口には、必ずフロッキン金物FB-180またはFB-240を使って下さい。 梁仕口が在来仕口であったり他の金物工法であったりすると所定の壁の耐力がでません。 また梁成が大きい場合、梁受け金物の二個使いも可能です。 公式サイトもご利用下さい!⇒ https://frog-king.jp/wall/

1.狭小住宅の設計自由度を高める 「フロッキン狭小壁」とは?

「フロッキン狭小壁」は、柱芯-芯350㎜で壁倍率7倍相当と高い耐力を実現する木構造の耐力壁です。耐力が高いのに構造計算も施工も簡単な商品を目指して開発しました。そんな「フロッキン狭小壁」の特徴をご紹介します。 <ディティール>フロッキン狭小壁は、専用の柱頭金物(FP-25)・柱脚金物(FHD-50)・専用アンカーボルト・専用面材・専用ビスから構成される、柱芯-芯350㎜の耐力壁です。 柱芯-芯350mm限定となり、柱長さは2200~3000mmの範囲に対応しています。 納

6.開発への思い-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁は、当社製品である「フロッキン金物構法(https://frog-king.jp/)」の柱頭柱脚金物を利用した耐力壁商品です。 「フロッキン金物構法」は、”施工が楽で在来工法の良さを活かした金物”をコンセプトに開発しました。 具体的には、次の4点の実現を目指しました。 ①ドリフトピンだけで施工可能!ボルト締め不要! ドリフトピンを打つだけで簡単に設置できる金物を作りたい!  写真の様に金物の固定もドリフトピンで出来るようにしました。これはもちろん工場での

7.狭小ビルトインガレージへの組み込み事例-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁の設計への組み込み方の例を一つご紹介します。 建物巾が芯-芯3,185mmの物件の事例です。 一般的な構造用合板等の耐力面材を使う場合、車庫の巾が芯-芯2,585mmとなります。 フロッキン狭小壁を使うと、下図のように250mm広い芯々巾2835mmを確保することが出来ます。 車庫巾において250mm広くなるというのは非常に効果が高いと言えます。 例えば、軽自動車しか置けなかった車庫にMサイズのミニバンを置くことが出来るようになったり、コンパクトカーし

8.壁としての特徴-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁は一般的な壁と比較して幅が狭いため、変形しやすく、耐力壁の耐力を決める指標の中で、特定変形角(1/120rad)時の耐力で決まっています。これは電車などで脚を広げて立つ場合と、そうで無い場合に、揺れに対して回転や変形のしやすさをイメージして頂ければ分かりやすいと思います。 以上の事により、フロッキン狭小壁は比較的変形しやすい木ずり壁や、土壁などと同じせん断剛性として評価されています。 フロッキン狭小壁の初期剛性は低いですが、専用の柱頭柱脚金物の粘り強さを活か

12.使用部材と、木材の部材制限-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁の使用部材と、部材制限についてご紹介します。 ■使用部材 フロッキン狭小壁は、下の画像の部材を使用します。 ①柱頭金物と②柱脚金物は専用の金物となります。 この金物が、フロッキン狭小壁の粘り強さを確保しています。 ③梁受金物は、直交梁勝ち納まりや、通し柱納まりなどの際に、フロッキン狭小壁直上の梁仕口において使用します(直交梁勝ち納まりと通し柱納まりはこちらの梁受け金物にて耐力壁の試験を行っています)。 他に、高強度鋼材を使った専用アンカーボルトM16、

14.46条第2項ルート(壁量計算除外ルート)の注意点-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁は国土交通大臣の認定を受けたものでは無い為、令第46条の壁量計算に用いる事はできませんが、許容応力度計算に用いることができます。 その為、平屋でも2階建てでもフロッキン狭小壁を使用する場合は構造計算が必要になります。 原則、当該鉛直構面を用いる場合は、施行令第46条2項ルートで計算します。 施行令第46条2項ルート(壁量計算を満たさなくて良い許容応力度計算ルート)で設計する場合は、以下の3点についてご注意ください。 ① 柱・土台・梁・桁など構造耐力上主要な

15.専用金物の耐力-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁に用いる専用金物の耐力についてご紹介します。 ■柱頭金物(FP-25) フロッキン狭小壁の柱頭に付く金物です。 短期引張り耐力が、隅柱で15.4kN、中柱で28.4kNとなっています。 ■柱脚金物(FDH-50) フロッキン狭小壁の柱脚に付く金物です。 短期引張り耐力が59.6kNと非常に高耐力なボックス金物です。 M16の専用アンカーボルトを使用します。 ■梁受け金物(FB-180、FB-240) FB-180は梁成180以上、FB-240は梁成240

20.上階耐力壁との納まり-「フロッキン狭小壁」

フロッキン狭小壁の柱頭と上階耐力壁の納まりについては、以下のような納まりが可能です。 ■通常の納まり フロッキン狭小壁の専用柱頭金物FP-25と同じ金物を反転して取り付ける形が通常の納まりです。 ■FP-25のみで耐力が不足する場合 ホールダウン金物を両引きで追加して頂き、引抜力はホールダウンで負担、壁のせん断力はFP-25で負担させる納まりが可能です。 また、2階柱の柱脚は在来ホゾでホールダウン金物で両引きとする方法も可能です。 ■上階の柱位置がずれる場合 二階柱の

21.専用柱脚金物と専用アンカ―ボルトの配置-「フロッキン狭小壁」

専用アンカーボルトは、通り芯直下に設置してください。 専用柱脚金物FHD-50は金物中心より半径10mmまでのアンカーズレに対応しています。アンカー設置位置は細心の注意を払って頂きたい箇所です。 アンカーボルトの出寸法は、基礎天端+55mm~65mmで施工してください。 短すぎるとダブルナット締めが出来なくなり、長すぎるとボックス金物の空間内にアンカーが納まらなくなります。 座金は厚い座金と薄い座金の二枚設置です。六角ナットはダブルナット締めとなっています。 専用アンカ