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情報1:ICTレポート「BeRealの今後」を考える授業

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
今回は授業でICTレポートという活動をしているので、その活動について記しておこうと思います。

ICTレポートとは

ICTレポートは、生徒に情報科に関連していそうな最近のテーマを紹介し、問いかけに対して自分の考えを作文するという活動です。いままで下記のようなテーマで活動をしました。

  • 生成AIは積極的に使うべきか、使わないほうが良いか(2023年4月)

  • 折りたたみスマホ今後の主流になるか、ならないか(2023年5月)

  • マイナンバーカードは必要か、いらないか(2023年9月)

  • 人気ゲームを合法的に模倣して作ったゲームは良いか悪いか(2023年12月)

  • 仮想空間の人を固有の人として受け入れられるか、無理か(2024年1月)

  • セルフレジは今後増えていくのか、減っていくのか(2024年5月)

生徒への問いかけは「どう思うか?」のような自由な主張ができる形式ではなく、「良いか悪いか」のような二項対立の形にするようにしています。この形にしたのは、真反対の意見がでやすいようして、生徒が自分自身と異なる意見に出会いやすくするためです。生徒の文章は全体でシェアをして、他の人の意見も見られるようにしています。
当初は月1回程度を考えていましたが、授業時間の関係上、現状は2・3ヵ月に1回程度の実施になっています。大型連休や定期試験前後の時間調整で実施することが多いです。

授業の方向性

ICTレポートは一昨年前、他校の授業見学会で見た授業を参考にしています。その時に授業された先生は、授業の最初5分を使って、情報に関連するニュースを生徒に紹介されていました。
その授業された先生は授業解説で、「情報社会の進歩は目まぐるしく、数年前の技術でも時代遅れになることも珍しくありません。そんな世の中で生きる生徒には、教科書の内容だけでなく、流行にも触れ、興味を持ってほしいと思いやっている」とお話しされていました。私はその話に深く共感し、自分もやってみようと思いました。
自分で実施する際には、ちょっと欲張って、生徒が考え、表現する活動も追加し、ICTレポートが出来上がりました。

学んでほしいこと

  • 情報科に関わる最近の事柄や出来事を知り、興味を持ってほしい。

  • 自分の考えを整理し、文章化できるようになってほしい。

  • 他人の意見を見て、いろいろな意見があることを感じてほしい。

今回の授業の流れ

(2024年7月)のテーマ「BeRealの今後」

今回のテーマは、最近、高校生の間で流行っているSNS「BeReal」を題材にすることにしました。「BeReal」は写真を共有するSNSです。このSNSの特徴は、ユーザーに1日のランダムな時間に通知が届き、通知が来てから2分以内に写真を撮影してシェアしなければならないことです。また、写真に加工はできないという特徴もあります。
正直私は、「BeReal」は機能が限定されており、時間などの制約もあるので、物珍しさで1回やってみるが、その後は続かないタイプのアプリだと思いました。実際に同じ事を話す高校生もいました。しかし、先日「BeReal」をフランスのゲーム会社Voodooが買収したというニュースがありました。買収したということはそれだけの価値があると判断したということ。
これは授業で扱って意見を聞いてみようと思いました。

話の流れ

  • BeRealの特徴や利用者数を紹介

  • Voodoo買収のニュースを紹介

  • メジャーになっているSNS(Facebook等)の特徴や利用者数を紹介

  • マイナーになっているSNS(Clubhouse等)の特徴や利用者数をを紹介

  • 問いかけ「BeRealは今後メジャーSNSになるか、マイナーSNSになるか」

授業結果と振り返り

生徒の意見

  • BeRealは2分の縛りがあるので好きな写真が撮れないから廃れると思う

  • 時間制限のせいで、基本平日は過疎化しているのでマイナーSNSになる

  • 撮影する時は焦って撮るため、マナーや個人情報を考える余裕がなく、問題があるからメジャーにはならない

  • 写真の無加工は今までなかった特徴だし、唯一無二なのでメジャーになる

  • 2分制限が逆に「2分でどれだけ映え写真が撮れるか」にもなるので、おもしろいからメジャーになると思う

体感で9割の生徒が「マイナーSNSになる」と考えていました。正直驚きました。また、「2分という制限を楽しむ」という考え方には、なるほどと非常に感心しました。ゲーム会社が買収したことで、ゲーム性を持ったSNSになる可能性はあると思いました。


流行っていて、楽しんでいるのに、今後は廃れると感じていることが、移り変わりの早い、コンテンツを消費していく、非常に現代的な感覚だなと思った。


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