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情報1:授業で文書生成AIを扱ってみる(1)授業設計

こんにちは。高校で情報の先生をしていますTakitoです。
ご高覧いただきありがとうございます。
今回は文書生成AIの取り扱いについて授業を実施したので記しておきます。長くなりそうなので、今回は授業設計に関して。

授業全体における生成AIの位置づけ

今年の授業では、生成AIを授業中に生徒が自らの判断で利用してもよいツールにひとつとして位置付けることにしました。そのため、年度最初に生成AIを学び使えるようにする授業を行うことにしました。取り扱う生成AIは世間的にも有名で、利用もしやすいChatGPT無料版にしました。

生成AI不同意書

まず、生成AI利用の準備で考慮したことは「保護者同意」でした。
ChatGPTなどの一部の生成AIでは18歳未満は保護者同意が必要です。しかし同意書を全員分集めるとなると書類管理が大変です。
そこで、大多数の保護者の方は、AIの必要性を感じてもらえるだろうという予想と、他校の事例を参考に、同意できない方が提出する「生成AI不同意書」を配布することにしました。また、AIを学ぶことの必要性、授業での扱いを記した説明文書も一緒に配布しました。
配布して1週間経ちましたが、予想通り今のところ提出数は0枚です。

授業の方向性

単元スケジュールの都合で、生成AIにそれほど多くの時間を使うことができません。そこで学習内容を、伝えたい気持ちの強さで3つに分けました。

グループ討論で学んでほしいこと
(自分で考えて絶対に心に刻んでほしい)

  • 生成AIの回答は必ずしも正しいとは限らない

  • 生成AIの回答はそのまま使うのではなく、参考にして個々でチューニングするのが大切

教師が講義をして教えてしまうこと
(伝えておきたいから聞いててほしい)

  • 個人情報や機密情報は入力しない

  • 著作権に留意する

  • AI利用時は明示する

オープンエンドに問いかけて終わらせること
(興味があればぜひ調べてほしい)

  • ChatGPTのしくみ

  • AI画像生成について

授業の流れ

ChatGPTの特徴は学んでほしいですが、最終的に使う使わないの判断は、生徒個々で考えて決めるべきだと思い、「こうやって使いましょう」「こんな使い方はダメです」とは言わず、自分で考える授業にしました。

各生徒にChatGPTの使い方を考えさせ、答えをクラスシェア

今やChatGPTは様々な所で紹介されているので、生徒はどんなものかは分かっているはず。きっと「わからない言葉を聞く」や「読書感想文を書かせる」という答えが出てくることを予想しました。

実際に使ってみて、利用価値をグループ討論してクラスシェア

生徒から提案された使い方で私がChatGPT使います。その後、各使い方に関して、「現状で十分使えるのか」「問題を改善すると使える(思いつけば改善方法も)」「まったく使えない」をグループ討論して、再度クラスでシェアします。

もう一度使い道を考えてみる

様々な意見を基に、生徒個々で再度使い方を考えて文章化させます。


授業実践の結果は次回にします。


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