宝くじは愚か者に課せられた罰金

師走のこの時期になると、やたら宝くじの広告を目にします。当たると噂の売り場では長蛇の列が並んでいて、目の前を通ると邪魔くせえと思いながら通り過ぎています。

一部の人たちは宝くじのことを愚か者に課せられる罰金と呼びます。なぜなら宝くじの売り上げの半分近くは宝くじを運営している団体の利益として持ってかれるので、残った半分を宝くじを買う愚か者たちで奪い合うことになるからです。期待値でいくと1万円の宝くじを買ったら5000円になってしまいます。圧倒的に損する可能性が高いのに1億円が当たるとか言って情弱を集めているのが宝くじというシステムです。

でも恐ろしいものですよね。だってこの時期になるとCMもそうですけど、テレビのニュースとかでも宝くじの当選発表だとか列に並んでる人を取り上げたりしますからね。全力で情弱を宝くじ売り場に向かわせるために運営は本気を出してきます。心理学にバンドワゴン効果というものがありますが、これは人は行列を見ると自分も並びたくなってしまうという効果です。こうした効果以外にも巧みな戦略で運営は情弱を狩ってきます。そもそもなんで年末にこんなことをやるのかというとボーナスが支給されるからだと思います。財布の紐がゆるゆるになるタイミングを狙ってきてるんですよね。用意周到すぎますね。

宝くじは愚か者に課せられた罰金と言いますが、愚か者にならずに運営からの攻撃に耐えるのもなかなかムズイと思います。愚か者というより哀れな被害者と言った方が良いかもしれません。

ギャンブルのような一発逆転に夢を見てしまうのはそうせざるを得ないくらい追い込まれているからというのもあるでしょう。アメリカの経済学教授と心理学教授が、貧乏になると人は頭が悪くなるという実験結果を発表しています(『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』(センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール/早川書房)。

お金がなくて苦しいからこそ頭が悪くなり、一発逆転を狙ってギャンブルに手を出してさらにまたお金を失うという悪循環にハマってしまいます。こうならないためにはボーナスは使い切らずに貯金することをオススメします。

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