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楠栞桜は自作自演なんてやってない

「いじめ」という言葉には問題がある。
昨年10月に発生した神戸教員いじめ事件で、ニュースを知った多くの人が「それって、いじめじゃなくて『暴行』とか『恐喝』だろ?」と思ったように、いじめという言葉はなんとなく問題をふんわりと矮小化し、明らかな犯罪を些細なことであるかのように錯覚させてしまう。

noteではIPアドレスが外部から確認可能な状態にあったことが発覚し、原因や対策、再発防止策が発表された。

この事件によって、Vtuberの楠栞桜が、匿名掲示板「5ch」で自作自演を行っていたのではないか、という話題がネットの一部を騒がせている。

5chではどんなことが行われていたのか

note株式会社が発表している通り、IPアドレスは必ずしもそれ自体が直接個人を特定するものではない。
今回noteから流出した楠栞桜のIPアドレスと、同一のIPアドレスを利用した人物は、以下のような行為を行っていたとされている。

・楠栞桜と共演したVtuberなどに対する誹謗中傷
・以前所属していた企業の社員の個人情報を流出させる
・以前同じグループで活動していたメンバー(現在も活動を継続中)の個人情報を流出させる
・取引先企業の未公開情報を流出させる

これらは誹謗中傷、個人情報流出、名誉棄損、機密漏洩だ。

場合によっては犯罪であると判断される可能性のある行為であって、決して「自作自演」などではない。
「自作自演」と呼んでいいのは『赤の他人のフリをして自分のことをほめる』レベルまで、だろう。
(最近ではそれも、場合によってはステマとして罪に問われる可能性がある)

以前所属していたグループからの脱退に関する疑惑

楠栞桜は過去、夜桜たま名義で大手Vtuberグループに所属していた。
約1年ほど精力的に活動してライブやプロ雀士との対局、書籍やイラストを発売するなどしたが、グループへの不満を表明して活動停止、その後グループを脱退し、現在はフリーで活動を再開している。

今回、5chでの誹謗中傷や個人情報流出が疑われる中で、このグループ脱退の経緯にも疑惑が向けられている。
楠栞桜(夜桜たま)のグループ脱退については、グループの運営企業から具体的な理由や経緯が発表されることはなかった。
この出来事は、運営企業からの情報開示がなかったこと、楠栞桜(夜桜たま)が運営企業を批判していたこと、「大手Vtuberグループへ叛旗を翻した」というニュースの話題性なども手伝って一部で大きな話題になった。
その影響を受けてか、何人かのメンバーと関係者が活動を休止し、Youtubeのチャンネル登録者数や視聴者数は激減した。
この時期に開催されるはずだったイベントが中止になったり、内容変更を余儀なくされたのではないか、という推測もあった。
グループ脱退の原因は運営企業にあるとされて、このとき脱退せず活動を継続した他メンバーに対しては壮絶な批判と誹謗中傷が寄せられた。

これらの出来事と、現在話題になっている5chの書き込みとの間に直接的な因果関係はない。
しかし、運営企業やメンバーを狙った個人情報流出が発生していることから、楠栞桜(夜桜たま)グループ脱退にまつわる一連の騒動も、本人が何らかのトラブルを起こしていたのではないか、と疑う声が一部であがっている。

一連の事件の中で、noteの公式発表以外には、誰かが責任をもって発信した明確な情報は存在していない。
誰かが漏らした曖昧で一面的な情報か、匿名掲示板での推測だけが飛び交っている。あとから「そういうつもりじゃないから誤解しないでね」とか「自分が書き込んだわけじゃない」など、何とでも言える、無責任な内容ばかりだ。

そんな状態で、ファンは一体何を信じるべきなのか。

そして、曖昧なネットニュースや、まとめサイトの「自演発覚」みたいなタイトルを安易に信じる人が少しでも減ると嬉しいなあ。
とか思ってる。