学生時代、非モテに全力疾走していた芋男が、気づけば、夜の順番待ちされるまでになっていた話をしようか~その6

先輩の言葉を聞いているうちに、さすがの僕も理解した。


あぁ、女の子が名前も覚えていない僕と、30分も話してたのは、先輩が居たからなんだと。


そもそも、僕の存在なんて、女の子からしたらどうでも良くて、本当の目的は僕の先輩と一緒にいる事だったんだ。


そんな事にも気が付かなったなんて…
情けないという感情と共に、なんとも言えない感覚に陥った。


その日の仕事は、その事で頭がいっぱいで、いつも以上に怒られた。
それでも僕は、先輩の言葉がこだまの様に頭にこびりついた状態で家に帰るしかなかった。


家に帰って、再度あの日の事を思い出してみた。

言われてみれば、女の子は先輩の方ばかり見ていた。
僕と話しながらも、先輩ばかり。


僕は完全に調子に乗っていた。
あんなにも簡単に女の子と話せたんだから、また今度も話せるはずだ。


僕も意外とイケてるのかもしれない。


そんな訳が無かった。
先輩という、存在があったから、あの場が成り立っていたんだ。


むしろ、僕と別れて3人でホテルに行くなんて…
まるで僕が邪魔者みたいじゃないか…!!


そう。
僕は邪魔だっただけだ。


先輩が言った一言で、何となくは気づいてた。
だけど、僕はそんな事実に蓋をして、向き合おうとしなかっただけだった。


…やっぱり女なんかめんどくさい


自分を慰めるために言った一言で、余計に虚しくなった。


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