学生時代、非モテに全力疾走していた芋男が、気づけば、夜の順番待ちされるまでになっていた話をしようか~その5
『あの後、3人でホテル行ったよ』
先輩の口から出た言葉に、あまりの衝撃でぼーっと立ちすくんでしまった。
『…..っ…おーい』
心配そうに僕を見る先輩だったが、僕の目に生気が戻ったのを確認すると、安心した顔で、『ぼーっとしすぎだろ』とはにかんだ。
僕にはどうしても理解できなかった。
あんなに楽しそうに話してたじゃないか!
あれは全部嘘だったってことか!?
考えても考えても、答えは見つかるはずはなかった。
『…..あの女の子って、僕のことなんて言ってました?』
怖かったが、先輩に聞いてみた。
『ん~、すごく言いにくいんだけど….名前すら憶えてない…らしい』
と気まずそうに先輩は言った。
えっ…..?名前すら覚えてない?
そんなのあり得ない、だってあの時は名前を呼んでくれてたはずだ!
そもそも、名前すら覚えてない奴と30分も話すか?
…..そうか、そうだったのか
僕はその時すべてを理解した。
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