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【書評】イベーションオブライフ⑤

➃の続き。


今回は、理論の話から。

人が何かに投資するのは、その人が「片付けるべき用事」にピンポイントに対処する商品であるかどうかが最も重要。


バニラシェイクを売るのに、バニラシェイクの購買層となる層から徹底的に話を聞いて、バニラの成分をあげる等々、それを試すも全く売れない。そこで、バニラシェイクを買っている人・時間帯を調査すると、大きく二つのグループに分けられた。

①早朝のドライブスルー

②夕方の子連れ

①については、実はバニラシェイクが、車通勤の退屈と朝の小腹を満たすのに最適だから。シェイクはねっとりしていて、飲むのに時間がかかるうえ、おなかにも溜まりやすいから。ジュースではすぐに飲み終わるし、ベーグルやドーナツは食べにくいし、手やハンドルも汚れる。

→この場合、粘度をあげて、ゆっくり楽しめるように改良するほうがよい。

②については、価格帯的に、子供の要望を満たすうえで手ごろだから。おもちゃ買って、どこかに連れて行って、とねだられて断り続けている父親の「子供を満たしてやる」満足感を満たすために夕方に購入されている。

→この場合、飲むのに時間がかかりすぎては父親が待てないので、粘度は下げて、量も減らしてもいいかもしれない。


全ての要望を兼ね備えた商品を作ろうとすると、何の特徴もない、誰の用事もみたせない中途半端な商品となってしまう。


このように、対処したい用事にあわせて、商品を改良する必要があるのだ。


これは家族においても、一緒で、相手の用事を片付けられるような行動をとることが大事。


例えば、夫が仕事を終えて家に帰ったところ、妻が何も片付けもせずに、子供を放った状態で、2階の部屋でうずくまっていた。夫は家事につかれたのだろうと思って、家事を済ませて妻に話をしに行ったが、妻は「なぜ私をほっておいての」と怒る。家事をやってくれてありがとうと言われるだろうと思っていた夫はびっくりし、むしろ一言いいたくなってしまう。

妻は何が疲れていたかというと、わがままな子供とな時間も過ごし、一日中大人と話せていなかったのがつらかったのだ。そして、求めていた用事は、親身になってくれる大人と実のある会話だったのだ。

彼女は夫が良かれと思ってやったことで、かえって、自分が出来なかった罪悪感を感じると共に、腹立ちを感じてしまったのだ。


このようなミスコミュニケーションは家庭内で頻繁に発生している。

大事なのは、相手が片付けてほしい用事はなんであるかを「勝手に決めつけて動く」ことではなく、ちゃんと話をして、くみ取ってやることだ。夫の自己満足(とそれを感謝させようとする姿勢)が一番最悪だ。


これらも本当に共感出る話ばかりである。

家族を大事にしようと、改めて思う今日この頃。

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