【書評】イノベーションオブライフ③
②の続き。
キャリアを選ぶ際には
①意図的戦略 と ②創発的戦略 の二つの選定手法がある。
①はその名の通り、狙ってやる、ということ。
②はたまたま偶然降りかかった機会を生かしててやる、ということ。
キャリア形成はこの二つをうまく組み合わせていくと面白くなるし、どちらか一方のみ、ということもない。意図的にすべて行くはずがないし。
じゃあ、どう使い分ければいいのか。
これまで見てきた通り、衛生要因と動機付け要因の両方を満たすキャリアが最高だすると、これらを満たすことがキャリア選定の目的であり、それが達成されればいいのである。
しかし、衛生要因も動機付け要因もはじめから分かっている人はいないので、それを知るためにも、②創発的なキャリアの選択も大事になってくる。
自分でわかっているなら全部①意図的にやればいいもんね。②の創発的なキャリア選択により、自分の衛生要因・動機付け要因を知っていき、最終的に①の意図的なキャリア選択をする、というのがベストなのである。(転職前提じゃないか、となってしまうので、これが、日本だと万人にはちょっと難しいよね、となりかねないが)
ただ、肝心なのは、外へ出て、いろんな物事を試しながら、自分の能力と関心、優先事項が実を結びそうな分野を身をもって知ること。
そして、自分の衛生要因と動機付け要因が分かった後、やっと、意図的にキャリを選択しようとした際に出てくる理論は、
「プロジェクトが失敗するのは、プロジェクトを遂行する上での仮定に、必ず1つ以上の誤りがある、ということ」
例えば企業だと、いろんな仮定の下にプロジェクトを立案して上層部に説明していくが、当然、説明時には「きれいに盛ったプレゼン」をすることになる。いちいち、細かいリスクや可能性の話などをぐだぐだ述べることはない。
そして、結果、見込みが誤って失敗する。
(事例:ディズニー・パリの動員数を、他のディズニーと同じと仮定したところ、大失敗した、という話。施設規模が小さいにも拘らず、他と同じく皆、3泊することを前提に試算した。こんな単純な誤りに気付かないとは・・・)
これを防ぐためには、当初の予想の基礎となる仮定を全てリストアップさせ、「この予測が実現すると現実的に期待するためには、どの仮定の正しさが証明される必要があるか」を問うことだ。
リストでは、「重要度」「不確実性」の2軸で、それが高いものから順にならべる。そして、経営陣は、そのすべての基礎的な仮定の相対的な重要度を理解した上で、プロジェクトを承認する。
上記の理論を活用しようとすると、自分がキャリアを選ぶときには、
「今検討している仕事で自分が幸せになるには、どんな仮定が立証される必要があるか」
を考えよう。
(ここからは個人的なメモ)
今の自分の場合でいくと、動機付け要因は以下の3つ
①実家周辺にUターン出来ること
②農業関連の知見が得られること
③自分の苦手なことで苦しまなくていいこと
①、②については、明確なのでいいが、③についてはもっと解像度を上げる必要がある。何が苦手か、ってこと。
結論、こまごました作業を正確にやり続けること、はあまり得意ではない。そうすると、いわゆる、大企業のコーポレート部門などは一番、上記スキルが求められて苦しいんだが、いま、自分がいるポストは、それに近いため、苦しいのだろう。
衛生面の要因としては以下の2つ
①地方で家族で暮らすことが出来る程度の最低限の収入があること
②都心以外の地域に住めること
これらの条件を達成するための職を探せばいい、ということになる。
だいたいめぼしはついてきているので、あとは行動あるのみ。
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