【書評】悩みどころ 逃げどころ②完
①の続き。
本当に面白い本でした。
〇学校的価値観からの脱却を
「いい人生」のために、「あがく」ことが必須(つまり、必死こいて頑張ってみて、何とかやり遂げる、みたいな)である、という考え方をウメハラさんはしているが、いわゆる「学校的価値観」からすると、わざわざ、「あがく」ことなんて時間の無駄だ、という考え方もある。
どういうことかというと、学校の先生のゆう通りにしていれば、いい大学には入れて、いい会社に入れて、いい人生になるんだから、わざわざ自分のアタマで考えて、あがく必要なんてないと。学校とは、そういう刷り込みをする場である。
あそこを目指せ!
方法はこれだ! 的なあるべき論に洗脳されてしまう(いいのか悪いのは別にして)
学校の先生だけではなく、親も子供にそういう「苦労」をさせたくないと思っているので、「苦労してみるける」よりも「苦労せずに見つかる」方がいいと思っている。(これは、本当に共感。自分の親もだし、親として自分の子供を見たときにも、同じことを考えてしまう)
このように、ゴールと方法論をセットで与え続けられると、「自分で考え、悩んであがいた上での自己決定」なんて馬鹿らしくてできなくなるのだ。
「あるべき論の呪縛」から解放されることも、1つの手段かもしれませんね。
〇逃げを許すのは母親的なやさしさ、逃げを許さず退路を断つのは父親的なやさしさ
ちきりんさんは、「だめなら逃げていいのよ。あたなのぴったりはまる場所を見つけなさい」派。
うめはらさんは、「お前はこれまで色々なモノから逃げてきたから、ゲームしかないんだ。ここで逃げてどうする。頑張れ。自己決定したんだろ。」派。
いずれの気持ちもわかるが、人間なんて、どこで活躍できるかなんてわからないから、ちきりんさんの考えにも共感するし、どこが逃げどこか難しいので、ウメハラさんの考えにも共感。
(個人的な話ですが、今回は逃げてよかった、と思っています)
〇長期的に儲ける仕組みにするためには、補助金など、短期的に流入してきたお金に振り回されすぎたらだめ
これは、地方創生の書籍でも何度も繰り返されていた。農業関連が同じような考え方ともいえるが
〇最後に
対談を通じ、終始、意見が違っているのが面白くなった理由だったと思います。
ウメハラさんの明朗で歯に衣着せぬ意見、面白かったです。
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