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【書評】凡人のための地域再生入門③

②の続き。これで最後です。


〇会議はあくまでも手段で自己目的化しない

「いい勉強になった」「有意義な時間だった」で終わらないように。

takerにならずgiverになることも大事。


〇賛否両論があるのはいいこと。

過剰に周囲の意見を聞きすぎると、いいとこどりしようとして誰も使わないものを作ることになる。

批判があるのは、ポリシーがあり、シャープになっている証拠。

批判されても「ご意見として承りました」で流しておけばOKなことも多々あるよ。


〇定期的に地域外に出て視野を広げろ

考え込むだけではなくて、手を動かさないと何も始まらないが、それだけではなく、正しく現状を認識しないと正しい行動は出来ない。

そのためには、外の世界を見ることが大事。意外に既にやられていることは多くある。ちゃんと情報収集しよう。


〇トップと現場の情報の乖離

トップが情報を取って、新しいことをやるときに、ちゃんと情報を出すか、コミュニケーションを取らないと、「また思い付きでなんかやっているよ」となる。他地域の視察などをした際には、簡単な情報共有の場を作ったり、話すことで、意図をちゃんと伝えましょう。


〇地方でのプロジェクトは孤独、他の地域で活躍する人たちを巻き込んで解決していこう

実際にやっているのはせいぜい2~3人。表向きはうまくいっているように見せていても、水面下では必死でもがいている。

他の地域を見れば、他の地域も実際そんなにうまくいっていないこともわかるはず。また、地域ごとの差より、抱える問題の共通性に目が向く。ネットなどでもいいので、つながりを作ることが大事。


〇先回り営業、逆算開発

逆算開発=「もの」がない状態で営業し、一定の顧客を持った状態で、そのニーズを積みつつ、逆算的に開発を行っていくこと。売り先がない状態で物を作るのはリスクが高すぎる。

逆営業がうまくいかないのは、「もの」がないから、ではなく、取り組んでいる人たちのビジョンとロジックがないから。つまり、営業力不足。


〇地域において計画通りに進んだ事例を見たことがない

逆に、計画に固執し、途中で変更しべきところ、そのまま突き進んで大失敗をした事例は多くみた。

周囲からは、「最初といっていたことが違う」などと言われることもあるが、ポリシーをもってやっていくこと。

うまくいかなくてもふさぎ込むのではなく、むしろ前向きに事業の次なる可能性を探れるか=ネアカ根性が大事。

更に、事業が続くと、メンバーの離脱、なぜかこれまで通りなのにうまくいかない、等々、日々、問題の連続。


〇あいつの親父さんにはお世話になった、などのウェットな関係も大事

地域事業は「よそもの、若者、馬鹿者が活躍する」なんて言われるが、実際はそうでもない。

なぜなら「信頼」が不可欠だから。

歴史という財産は、お金では買えない。それらを前向きに生かそう。


〇初期はローリスクローリターン。うまくいったら、徐々にリスクを取る

記載の通り、とにかく初期投資は少なく。

しかし、高いリスクを取らないと、高いリターンは得られない。そのタイミングを誤ると大変。


〇常に競争があるからこそ成長する

自分の取り組みをまねて誰かが同じことをやるときには、更に次の取り組みを考えて取り組めばいい。


〇事例集は役に立たない?

行政の調査の定番は、成功した事例を一覧にし、類型化する事例集だが、本来、成功した事業を見るときには、長い時間軸で追ってプロセスを多角的にみる必要がある。しかし、事例集では、結果のみを単に整理したものになっているため、役に立たないことが多い。それなら、1つの事例を深く知ったほうがいいかも。

しかも、実際に自分がやったことをないものを、見聞きしただけで作るから、間違いも多い(笑)(これは、自分にも思い当たるふしがある・・・なにか作るときは、ちゃんと現地に話を聞きにいかんと・・・)


〇500万円を3か所からもらうのか、50万円を30ヵ所からもらうのか

スケールするなら後者。500万円のコンサルやろうとすると、人手が足りないから、安価にパッケージ化して、多くに知ってもらうのがより効率的。

魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えろ!ってやつ。


〇地方で成功することにより生まれる慢心

すぐに名前が知れ渡り、メディアにのり、自治体のコンサルを頼まれるなど、自分の時間がどんどん削れれる。本業がおろそかになってしまっては、そのまま衰退してしまう。

さらに、一時的な補助金を「もらえるものはもらっておこう」とすることで、補助金なしでは体が回らないようになってしまう原因にもなる。

自分で市場と向き合うより楽な道を探し出すと、人間、楽なほうに流されてしまう。そして、戻ってこれなくなってしまう。


〇名前も書いてない苦情なんてごみと同じ

やっかみ。本当にやっかみの嵐。


〇人のためにやっていると思わないこと、自分のためにやっていると思えば割り切れることもある

地域のためにやっているのに、誰誰のためにやっているのに、と思うと裏切られたと思ってしまうが、自分のためにやっていると思っていれば、割り切れる。自責思考。


〇情報はただじゃない

話を聞かせろだの、資料をみせろだの、時間も情報をただではないのに、それを勘違いしている人が多い。ただで手に入る情報は、ただなりの情報でしかないことも多く、それを元にビジネスを始めるなんて、正直難しい。

相応のコストを払ったからこその対価である場合が多い。(し、覚悟も持ちやすい)


〇真面目な人ほど計画を立てて着実にやろうとするが、それではうまくいかない

どうなるかがある程度予測できることや、過去に事例があることばかりをやっていても、価値をうみだすことは難しい。


〇過剰な補助金は麻薬と同じ

もらえるものは、でもらっていた補助金も、いつしかそれがなくてはならなくなり、より多くの補助金を要請するようになるもの。補助金があるゆえに、計画もずさんになり、自立できなくなる。


〇成功事例集ではなくて「失敗事例集」が面白い

失敗の積み重ねで成功が手に入る。また、失敗体験は、人の心をつかむもの。


〇人が悪いのではなく、仕組みが「古い」だけ

現代にあっていない古い仕組みになっているが故に、うまく回らない。そして、今の形を変えようとすると、当然、従来のやり方をかえる=対立する、構造になってしまうだけ。



切り抜きみたいになっていましたが、以上で終了です。


すぐに自分で事業をやろうと思っているわけではないし、大それたことをしようとしているわけではありませんが、今後、会社を辞めて、将来的に家業を継ぐ勇気はもらった気がします。

他に必要なのは、覚悟と捨てる勇気です。


10年後の自分が家族と共にぴっと独立しているように、頑張ってみたいと思います。




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