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【書評】イノベーションオブライフ➃

③の続き。とにかく面白すぎるので、子供が生まれる前~大きくなる前のお父さんに読んでほしい本。ものすごく腹落ちする内容です。


これまでは

①私たちを本当に動機づけるものは何か

②こうした動機づけが得られるキャリアを見つけるために、意図的に計画する部分と、その道中で訪れる予期されない機会とのバランスを取る方法

③これらの計画に合わせて、自分の資源を正しく配分する方法


という流れで見てきた。


達成動機の高い人達に関して、手っ取り早く満たす方法が「キャリア」を築くことだが、果たしてそれでいいのか、というのがここからの話。


自分の資源を配分するのを、手っ取り早い「キャリア」に配分しすぎていて、最も大事であるはずの「家族」や「友人」に時間を配分していないと、本来、投資すべきだったタイミングを逃してえらいことになる、というのがここからのお話。


木というのは植えてから育つのに時間がかかる。子育てや人間関係も、投資したからと言って、すぐに結果がわかるものではない。が、ゆえに、手っ取り早く成果がでるものに夢中になりがちだが、著者は、そのような選択を下ばかりに、家庭や友人関係をないがしろにして、離婚や不祥事等による崩壊を数多く見てきた。


時間がかかるものもあるため、手っ取り早いものばかりに投資していると、失敗するよ、ということ。

ひいては、家族・友人との時間も大事にしましょうね、という話。

人生において、家庭という領域に資源を投資したほうが、長い目で見れば、大きなリターンが返ってくる、ということ。

最近、親がちゃ、という言葉がもてはやされているが、ある一定の納得感のある言葉だと思っていて、親は子を選ぶことも変えることも出来ないし、子も親を選ぶことも変えることもできない。だから試行錯誤してうまくやれるやり方を探さなければならない。万能な手法などなく、にんじんは湯でたら柔らかくなるが、卵は固くなるように、その者に応じて臨機応変に対応していく必要がある。

エジソンの言葉(だったか?)じゃないが、失敗した際には「失敗したのではなく、うまくいかないやり方を学んだ」と考え、一生付き合いながら試行錯誤していくしかない。


心にしみるし、本当によくわかる・・・


最後に一つ例を。


子供が小さきときは、一緒にいる時間がなくてもいいと思ってキャリア形成に没頭。奥様も自分の成功が大事だから、幸せだろうと思っていた。

子供が大きくなってくると、一緒に時間を過ごそうとしても、子供は父と時間を過ごすことに価値を感じなくなっていて、昔のように一緒に時間を過ごそうとしてくれない。

妻も、夫のキャリアの形成と高い収入が目的ではない場合、いつまでも一緒に寄り添ってもらえるわけではなく、離婚にいたる。


どれだけ優秀なキャリアを築いている人でも、そんな最悪な結末となってしまっては、元も子もない。


家族や親しい人との関係は、人生の最も大きな幸せのよりどころ。




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